2話【フランチャイズって、儲かるの?】
前回、前々回の記事で書いた
某大手企業のフランチャイズという
ちょっとややこしい言葉について詳しく書きます
知っている方は説明不用だと思いますが
みんな大好きマクドナルドさんを例に
フランチャイズを説明いたします
日本マクドナルド株式会社が運営しているマクドナルドを
直営店と呼びます
ここで働くスタッフは皆
日本マクドナルド株式会社と雇用契約を結び
給与も日本マクドナルドから支払われます
従業員は日本マクドナルド株式会社の七海です、となります
(株)〇〇が運営しているマクドナルドを
フランチャイズと呼びます
ここのスタッフは皆
(株)〇〇と雇用契約を結び、給与も(株)〇〇から支払われます
働いている場所はマクドナルドですが
従業員は(株)〇〇の七海です、となります
なので
マクドナルドのフランチャイズを運営している
(株)〇〇で働いています七海です
ということになります
日本マクドナルド株式会社の社員やアルバイトが
(株)〇〇で働くことはありませんし
(株)〇〇が日本マクドナルド株式会社の店舗で
働くこともありません
マクドナルドという場所で働いている両社ですが
別の会社で働く従業員ということになります
客目線でいうと
外から見たら単なるマクドナルドであり
直営店だから、フランチャイズだからといって
外観も変わらないし、制服もたぶん変わりません
メニューも同じ、使っている食材も同じ
接客用語やオーダー用語、お客様への対応
営業マニュアルまで全く同じです
お客様に
この店はフランチャイズです、みたいな告知もしません
まったく同じことをしていますので
(株)〇〇は、マクドナルドを運営するにあたり
契約時に加盟料500万円を支払います
それと毎月の総売上から3%のロイヤルティーを払う契約で
マクドナルドという看板を借りて運営できます
ホームページを見る限り
レントロイヤルティー・広告宣伝費・インフラサービスフィー
というのも払うようです
フランチャイズ契約を結んだ(株)〇〇が
新しく店をオープンするとして
建物の建築費や厨房の機械代・設置に必要な業者への支払い
水道光熱費や社員やアルバイトの給与
アルバイトを教育するための食材費【売上にならない】消耗品
全て(株)〇〇が出資するので
日本マクドナルド株式会社側は出費が一切ありません
なんなら教育チームを派遣しているので
そこもお金を取りますし
オープン前から食材・消耗品代などの売上が入ってくる
おいしい商売です
ちなみに、フランチャイズでは食材や消耗品の卸価格は
卸業者→マクドナルド→(株)〇〇となるので少し高くなります
ここでも儲けています
結果、直営店よりフランチャイズの方が
原価率が高くなります【儲けが減る】
しかし!!!
フランチャイズで店を始める利点は圧倒的知名度からの集客率
オープン当初から、ある程度まとまった売上の確保が約束されます
もしバーガーショップ七海と
その近くにマクドナルドが同時オープンして
どちらにお客が入りますか?【そんなことまず無いですが】
そのリスクを避けるために
経営者はフランチャイズという選択をします
ではフランチャイズをやれば
ボロ儲けですやん!って思いますが
オープン費用に 1億円 必要です
これは私が働いていたフランチャイズのオープン額ですが
店の規模次第では、もう少し安くなるかもしれません
それでも5千万、7千万円くらいで
初期費用は結構な額が必要です
知名度の高い飲食店故に
銀行から借り入れるのは簡単かと思いますが
ホームページに借入は〇〇%までと書いてあったので
マクドナルドの場合は全額借り入れてのオープンは出来ない?
オープン後、店の運営に必要な費用
水道光熱費・通信費・家賃・人件費・食材費・消耗品費
その他経費にロイヤルティー等を売上から引くと
思っていたほど利益は残りません
簡単に儲かるようには、なってはおらず
ある程度フランチャイズには
努力をしてもらうように計算されています
簡単には儲かりませんよ、と
初期費用を回収するまでは、それこそ死に物狂いで売上アップを
努力しないといけません
コンビニでもよく見かけますが
フランチャイズではオーナーが自ら店長になり
店に入って人件費を削り、何なら家族総出で働いて
利益を出すという図式が多いです
特にオープン当初は
スタッフの教育も兼ねて、多めにシフトインさせるし
オペレーション能力が低く
廃棄が多くなったり、行列ができても対処しきれず
機会損失が多発し、理論的な利益とはかけ離れ
本部に【日本マクドナルド株式会社】
聞いていた話と全然ちがうじゃないか!!!!!
などとクレームをいれるオーナーもいます
まぁ、そこは論破されるのですが
【この実話も、いずれ記事にします】
店長の手腕次第で利益は変わります
大きく儲けられないが確実に利益をだせる
それがフランチャイズです
銀行に大金を預けて、貰える利子より
少し高い利子を貰える
それがフランチャイズです
確実に儲かると書きましたが、それは理論的にです
フランチャイズを経営すれば
一生安泰というわけでもありません
それは、どの飲食店も同じですが
店の状況は目まぐるしく変わります
近隣にバーガーキングやモスバーガーがオープン
なんならロッテリアやフレッシュネスバーガーも
極めつけは丸亀製麺がオープンしたら!!!!!とか
【丸亀製麺はカテゴリーが違いますが、強いです(笑)】
仕事が出来るスタッフが退職し、人手不足のスパイラルになり
お客様のクレームが絶えなくて客数が減っていく・・・
近しい場所に大型複合施設が建設される等々
経営をしていく大変さは、何も変わりません
マクドナルドは客数が、べらぼうに多いので
提供を待たせるというリスクが毎日あると思います
困ったときの日々の営業に
日本マクドナルド株式会社が介入してくることはありませんし
助けてくれるということはありません
【これはオーナーによって忖度はあると思います】
あるのは、毎月1回SVが来店し
マクドナルドたる営業を守っているかの確認だけです
SVは店を隅々まで見て
正しい味の商品が提供されているか?
清掃は行き届いているか?接客のレベルは高いか?
多項目にわたり確認し店長に落とし込みます
それは、店を繁栄させるノウハウを
店長にアドバイスしているわけで
実行するのは店長
結果的に悪ければ店長やオーナーの責任にされます
悩みを相談したりはできますが
マクドナルドには個店販促が無いため
売上の相談は意味がないでしょう
ですので
重要なのが店長の力です
店長の力で運営が大きく大きく大きく変わります
マクドナルドというブランドですら
腐らせる店長と、大大繁盛させる店長がいます
【マクドナルドでは、さすがにそこまで差がないかもです(笑)】
それぐらい店長という人間が重要です
そのために
マクドナルド側は介入せずとも安心できるように
店長研修を、わざわざ開催し
マクドナルド戦士を育てているわけです
【そういう研修に行ったというのが前回の記事です】
店舗における店長の仕事という目線では
直営店もフランチャイズも基本的に変わりません
同じ商品、同じ食材で運営しているわけですから
お客様に満足いただける店づくりは個の手腕
店の結果は店長の力量と捉えてもらえます
そんなフランチャイズを運営する会社に私は就職し
店長研修に合格し、店長に就任したのですが・・・
フランチャイズで運営されている店では
ある起こりやすい問題があります
それは2回経験しているので
起こらざるをえない事情なのかもしれません
もちろん絶対に起こるとは言えませんが
その問題は直営店では起きにくい現象なのです
そういう問題から店を閉めたり
違うフランチャイズを経営し始めたりすることもあります
そんな現実を知らない世間知らずは
就職してから店長研修に行くまでの間に
その問題と対峙しておりました
話を少し戻して、研修に行くまでの間に
店で起こったその、ある問題について
次回は書きたいと思います。
※理解していただいてると思いますが
私はマクドナルドで働いていたわけではありません
私の働いていたフランチャイズでの契約と
似ているであろうという予想も含まれております
ご了承を
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