1話【店長研修って、どんな研修?】
前回
ご挨拶の記事で研修について触れたので
私が受けた初めての店長研修について少し詳しく書きます
アルバイトの経験はあれど
正社員として働くのは初めてなので
かしこまった研修は初めてですし
ましてや店長研修なんて、どんなことするの???でした
研修に行く前に
自店の担当SV【スーパーバイザー】に聞いていたのは
鬼軍曹の研修
どんな企業よりも厳しく不合格者も必ずいる、とのこと
もちろん担当SVも受けてるはずの研修
内容は言えないが、一つだけ助言する
あくまで、本来は教えないけど特別になと、念をおされ
社是を覚えておけ! 社訓も暗記しておけ!!
でした、いわゆる企業理念というものですね
これは会社や店舗での朝礼の時、唱和していると思いますが
最近はどうなんでしょうか?
店舗で行われていることは稀だと思います
私は何度か転職していますが本社に出勤なら100%ありました
あと研修店や本店なども100%
これは避けられない現実であり、覚えることは必須です
むしろ必ず覚えて初日を迎えることは
当たり前という考えになりました
そして迎えた店長研修初日
たまに直営店の店長も混ざるそうですが
私が受けた研修では
研修生は全員フランチャイズの社員でしたので
この研修に挑むことの心構えを伝えられました
この研修にお金が動いているのはご存じですか?
タダではございません、研修費を頂いております
皆さんには、それぞれの会社の社長【オーナー】がいて
オーナーが皆さんに出資しているのです
それだけは頭に入れておいてください
もしあなた達が
高額のお金を出す事になったらどんな気持ちですか?
必ず、研修を卒業して
お金が無駄にならなかったと、オーナーを安心させてあげてください
2週間です
人生においてたった2週間です、この研修に集中してください
と聞かされて
研修に行かされているような感覚もあったのか
どこか他人事だった私に
初めて、責任感という感情がわきました
言い回しは違いますが
秋元康さんの恋愛する時間を夢に費やせ的にも受け取りました
最初は自己紹介から始まります
講師の経歴を長々と聞かされたのちに研修生も自己紹介をします
某大手企業の社長が
どのような気持ちで1号店を出店したか
店が誕生した経緯と社長の情熱も時間を割いて聞かされ
そしてやはり企業理念の唱和が始まりました
これは研修生全員で声を合わせてです
これが長かった
最初は厳しさだけを前面に出し、ふるいにかけている感じです
まず声が大きくないと終わらせてもらえない
【声は、かなり大きくです、血管切れそうなくらい、本当に】
言葉が詰まっても初めからやり直し
もう1度最初からお願いします・・・
覚えていないと大きな声が出せないので
覚えてしまうことが最善ですね
声を出す事がそんなに難しいことですか???などと揶揄され
初日は冊子を見ながらでよかったので声の大きさだけが問題でしたが
詰まったりすると、連帯責任なので、みんな休憩中に覚えていました
連帯責任にするところが追い込んできますよね
これは毎日です
朝一と昼休憩後の2回、毎日です
当たり前に卒業時は皆、スラスラと言えます
外食って、体育系です
そんな感じしませんが、体育系でした
【近年はそうでもないかもです】
授業内容は、どこの会社でも同じと思いますが
オペレーション
マネジメント
マーケッティング
コミュニケーション
リーダーシップ
これらをじっくり、2週間かけて叩き込まれます
例えばオペレーションなら
作る手順から出来上がりは必ずこの状態です
というところまで落とし込まれ
全商品のソース、食材の量、ドリンクの量、価格まで覚え
例えばソースを2グラムだったとして
何回も狂いなく出せるようになるまで練習させられます
外注のデニッシュパンを売っていたのですが
パンの規格まで覚えて、もし規格と違うパンが納品されたら
業者に返品して下さいという徹底ぶり
仕込み手順や廃棄の時間は特に厳しく覚えさせられました
マネジメントなら予算の組み方からシフトの作り方
などなど、細かくは書きませんが
徹底的に〇〇戦士を作り上げられます
【〇〇は企業の店の名前を入れてください】
これが私達の企業のやり方であり
他のやり方は絶対にしてはいけない
という事をしつこくしつこく聞かされます
この大手企業は
全店で、全スタッフが同じオペレーションで
同じ雰囲気、同じ味
切らした食材は近隣店舗に借りに行け
という徹底したブランドイメージを守る企業です
なので
今でもこの企業の店は安心して飲食が出来ます
安心というのは食材の管理が素晴らしいという
食の安全という意味です
ちなみに私が受けた講師の方の話には
リーダーシップについて
重点が置かれていたと記憶します
講師が店舗にいた時の話や新店のオープニングの話
コーチングの本の話や経営者の本の話など
そして毎日筆記試験です
前日、教えられた内容を覚えたか確認するためです
もし100点取れなければ、同じ内容を明日追試です
本日分と追試分の2枚
100点を取れないと、壁に貼られて辱められます
そして、追試は授業終了後に行われるので帰りが遅くなります
どんどん寝る時間が減っていきました
毎日、暗記暗記の繰り返しで通勤が面倒になり
何日かは自腹で研修先から近いビジネスホテルに泊まりました
私は自宅から1時間半の場所でしたが
地方から研修に来ている方はホテル住まいで
うらやましかったですが、それもお金がかかってるんですよね
唯一良かったのは調理実習の商品を食べられるので
食費が浮きました
食べられるというか、食べなさい!でした
この味を舌で覚えてください、と
休憩中は他の研修生とあまり会話が無かったことを覚えています
みんな試験の事が頭にあり、覚えることに必死でした
研修は進み
最初はガツンと落とされて
尻上げりに自信をつけられていたと思います
ついてこれているだけでも、合格的に考えられていたのかもしれません
やる気がないなら、自らリタイヤするでしょうし
それを見極める研修方法でしょう
ただ試験に関しては本当に皆、100点をとらされました
要は〇〇戦士マニュアルの完全浸透です
さて
研修は無事、全員合格しました
今回の研修生は歴代、稀にみる高レベルでした
あなた達なら良い店を作れる!!!というお褒めの言葉を頂き
私も、少しだけ、ウルっときました、ホッとしたというか
オーナーが厳しくも優しい方で、合格の報告が出来る安心感というか
結構がんばったなと思えたし
こんな感情を持ち合わせているんだ俺、ということを知りました
文章では、講師に鬼軍曹感が出ていませんが
最終日
私達が受けた研修の時だけ鬼軍曹ではなかったと
鬼軍曹ご本人が登場してきて
ずっと研修を見させていただいてました、と
自己紹介されました
何故、違ったのか、理由は書けませんが・・・
なので鬼軍曹がどんな授業をするのかは、知れません
ただ
ただ私は凄くラッキーだったと思えました
【後から考えたらです】
この研修を受けて以来、今の今まで
基本的な考え方は、この研修で培ったもので
店長としての基礎を作り上げてくれた人生のターニングポイントです
たとえるなら
店の長たる者の基本的な大義を会得した
今となってはそう思える講師の教えでした
ずるさなどなく
ある種、理想しか聞かされませんでしたが
本当にこれを実現できるか君たち・・・という挑戦状?かなと
そう思わせた講師が素晴らしいです
何度かの転職をしますが【キャリアアップのため】
他の企業で受けた研修とは比べ物にならない
内容の濃い充実した研修でした
前回にも書きました
最後は、あの言葉
【店をあなたに託します、店を宜しくお願いします】
握手をし、深々と頭を下げられます
呪いの【もとい】祝いの言葉ですよね
私の中での解釈は
我々をチェーンのイメージを守り続けてください
それは店長としてスタッフを教育し成し遂げられるのですから・・・と
皆さまの受けた店長研修はどのような感じでしょうか?
正しい研修と正しい講師、確かな企業方針でなければ
ダイヤの原石を逃してしまうかもしれません
ましてや、最近では慢性的人員不足の状況ですし
妥協せず
良い人材の確保と教育を上手に行う企業が生き残る
なんて。
追伸
この時の仲間?その他5名のその後やエピソード
またこの研修室に戻ってきて戦う話や
部下!?がこの研修を受けた話などなど
いつか記事をあげたいと思います
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