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プレッシャーに異常に弱い男

おはようございます、ハムのりです。

今日は私の本態性振戦がどういう時に顕著になるか、という話をしたいと思います。
私の症状は日常生活を妨げるほどの震えではありません。

私の症状が顕著になるのは、一般的に誰にでも震えが起こりえる環境に置かれた時です。それは「緊張」や「プレッシャー」という言葉で置き換えることができます。

プレッシャーのかかるシーンで「震え」を自覚することが誰にでも起こります。

膝が震える。手が震える。声が震える。

それは子供の頃から大人になっても遭遇します。
運動会で徒競走のスタート直前。
受験や模擬テストの開始直前。
負けられない試合。
大きな仕事獲得に向けてのプレゼン。
などなど。

私の場合も同様にプレッシャーがかかります。緊張します。震えます。

そしてそれが尋常じゃないんです。

よく思い出すシーンは二つ。

人前でマイクを持つ時。
コンテストに出た時。

人前でマイク

カラオケだったり。
プレゼンだったり。
結婚式のスピーチ経験もあります。

場数に関係なく緊張してるんですよね、人は。
それも分かりやすい緊張と分かりにくい緊張があるんだと私は感じています。

そして厄介なのは「分かりにくい緊張」です。

そう、私は何度もこういうことをやってきているから大丈夫でしょ、というシーンです。こんなことで緊張しないよね、の裏返しパターンです。

こういう時は、全て何気なくやってしまうんです。
私の場合はマイクを「左手で持つ」です。

紹介が遅れました、私の利き手は右ですが、震える手は左手なんです。

発表中やスピーチの最中、ふと左手を見やるとめちゃくちゃシェイクしてるんです。マイクが左右に首を振ってるんです。
演歌歌ってるならそういう技法もあるのでしょうが、わざわざマイクを揺らす必要が全くないのに、です。

慌てて右手に持ち替えると治ります。
気のおけない友人からは「そんな緊張するタイプじゃねーだろ!」的な合いの手が入ってことなきを得ます。
でも私を知らない人が見てたら、(どんだけプレッシャーに弱いんだよ)になっているはずなんです。

そうすると、そのことが恥ずかしすぎて心に引きずり、いい発表になったことがありません。

コンテスト中の大地震

仕事柄、競技会のようなことが時々開催されます。
細かいものを、道具(ピンセットなど)を使ってつまみ、固定したり、貼り付けたり、離したり。いかに正確に迅速にできるかを競います。
職人の腕の見せ所です。

これは誰もが緊張するシーンです。多くの競技者たちの手が震えます。
それを自虐的に「地震がきた。」とみんなが比喩します。
練習の時は震えないのに本番はめちゃくちゃ震えた、という意味ですよね。
細かく指先が震え、プルプルする。
あ、この人緊張してるんだな、頑張れ!って周囲は思います。

私の場合は地震どころの騒ぎではありませんでした。
震え、というよりは揺れです。そういう意味では本来の「地震」は私にしか来ていません。
みんなが地震なら私は未曾有の大地震です。

指先や手が震えてるだけじゃないです。腕全体が揺さぶられてる感覚。
細かいものにピンセットの先が届きません。いや、距離としては届いてるんですが、掴めないんです。
健康器具の振動マシンの上に立って、茶碗に入ってる小豆を箸でキャッチするのは困難です。私だけそんな状況なんです。

採点者や同じ競技者も「え?」ってなってるんです。そりゃなりますよね。緊張してるんだ、頑張れよ。にはならない。
お前、大丈夫か? 帰って休んだらどうだ。に近いはずです。

コンテストからの帰り、仲間のみんな口揃えて「地震きたわ。」って言ってました。私も「大地震来た。」って嘯いてましたが、もう二度と参加するか、という決意の発言だったと記憶してます。

私も他の出場者と同様、練習をしてきましたが、そんな大地震が訪れたことはありません。むしろ落ち着いてできたことがほとんどでした。少し震えるかなー、といった程度です。

ところがそこにプレッシャーが加わるととんでもない震え、揺れが襲いかかってくるのです。
練習で本番同様の緊張した環境を作れない、というのが一番残念なのですがそれはみんなと同じ条件。

それよりも問題なのは、練習ではできているので、「自分はなんてプレッシャーに弱いんだ。もっと準備しなきゃいけなかったんだ。」という結論に至ることなんです。

そう自分がまさか病的な震えを伴っていることが理解できないから。もっと言えば理解しようとしていないからなんです。

まとめ

どうも本態性振戦の症状には幅があるようです。症状が大きい人の問題点は比較的容易にネット検索で辿り着きます。

しかし症状が小さい人の問題はその人たちに比べて小さいかというとそうでもないんです。

気づかないまま、気づこうとしないままに時間が過ぎていくことになってしまいます。

ですから異常なまでの震えを感じたら、少し立ち止まって、「自分は病的な素因があるかもしれない。」と頭の片隅に置いておくのが良いと思います。

手が震えなくなって、できるようになったことをやらせて下さい。おしゃれなフレンチでワイングラスの細い脚を指でつまんで、香りを嗅ぎ、優しく口元に運んでスーと流し込みたい! 都度報告します。