老子注解 31章 武器は不吉なもの
この章は内容の重複が多く、注が本文に混入しているなどの誤りを疑われてきた。しかし、郭店楚簡も内容に大差は無い。そのため、13章と同じく最初に格言を引用し、それを解説する形式だと推測した。
「全く、武器というものは不吉なものだ」は郭店楚簡に無いが、13章と比較してあった方が良いと考えた。つまり、説明のために「武器は不吉だから」と意図的に繰り返したのだろう。
「悲しみを抱いて(戦場に)立ち」は、原文が「以哀悲泣之」だが、郭店楚簡は「泣」を「位」とし、馬王堆帛書は「立」とする。次の句との対応を考えれば、「立」の方が良い。