詩【月の歌詠み】
作:ストーンヘッジ
「もう知り得ないことがどれだけあるか?」って聞いても
野暮なだけでどうしようもない昔話なだけ
人知れず書いた詩が重なり羽ばたき象るまんまる
八雲立つ いつかの空には
幾重にも連なる思いが
裸足のまま 歩いた日々は
ありすぎる月の記憶に遊ばせて
少し遅い昼暮れの空
真っ暗じゃなくって 薄闇につれ
心まですっととけていく
満ち足りた月や新たな輪郭がたまらなく好きで
綺麗だと思う
終わりと始まりは紙一重なもので
輪になり空に漂った孤独のぶら下がり
一つずつ手にした感触や感覚が象るまんまる
去り行く今日までの願いは
必ずしも確かではないが
振り返る暇もないほど
変わりゆく季節 空を眺めていて
待ちわびて 忘れかけていた
片時の夢 呼び覚まされて
朧げな憧れにまた手を引かれ飛び出したら
見上げた先に月が光る
綺麗だと思う
冴えない光 まばらな星 そばにさまよう日
浮き上がる円をなぞり詠む少し長い歌
離れかけては儚む頃 深く見惚れた月暈に
交わす心を映す天の浮橋
少し遅い昼暮れの空
真っ暗じゃなくって 薄闇につれ
心まですっととけていく
満ち足りた月や新たな輪郭がたまらなく好きで
綺麗だと思う