製造業からコンサルファームを経てストックマークのBizDevへ。自然言語処理SaaSプラットフォームで新規事業開発の在り方を変革する/BizDev勝俣洋平
ストックマークHR高橋です。本日はストックマークのBizDev Unit でPMMとして、プロダクトの新機能開発を推進している勝俣さんにお話をお伺いしました!!
研究開発から事業立ち上げ、経営戦略までの変遷〜自分の製品を市場に届けたい想い〜
ストックマークに入社するまでのご経歴について教えてください!まずはファーストキャリアとしてパナソニックに入社されたのは、どのような経緯だったのでしょうか?
勝俣:最初はシンプルに大学院での研究活動が楽しかった、というところがあります。自ずと、仕事にするなら、世の中にまだない新しいことを作り出せる研究開発がいいな、きっと楽しいだろうなと考えるようになりました。また同時に、自分の研究成果が商品となって世の中に出せるなら、それはとてもやりがいがありそうだな、とも思っていました。そんな考えから、主に自動車や総合電気、食品などの製造業を中心に就職先を検討していたというところです。新卒入社として選んだのは、パナソニックでした。当時から家電で有名で愛着もありましたし、自動車系や食品系の製造業と比べると、自分のアイデアを入れた商品を世に出すというイメージがしやすかったこともありました。
研究開発者として入社して、新規事業開発/経営企画などの部署に異動していくキャリアは異例だったかと思いますが、どういった流れだったのでしょうか?
勝俣:他と異なっていたのは、入社の段階から『自分の考えた新たな技術を商品に搭載して世の中に出していきたい!』と強く思っていたところだと思います。というのも、基本的に研究開発というものは、長いスパンで目標を定めるものでして、対象によっては数年間、日の目を見ないということもあります。つまり、ただ漠然と研究開発をしているだけでは、なかなか自分の研究内容が製品に搭載されないわけです。
そこで私は、上司に任される研究テーマだけでなく、製品になるべく早く搭載されるような別の研究テーマを見つけては、自分の研究対象を少しずつポジションチェンジしていくようにしていました。自社製品を分析し、他社製品とのポジショニングや今後の市場動向などを踏まえて、次に商品に搭載されるような研究内容はなんなのか、社内で他の人が行っている研究テーマと比較しながら分析していきました。
結果、約1年で自分が研究していた内容が商品に搭載されることになりました。今思えば、このような市場を意識した研究をしていたというのが、他の技術者とは違ったところだったと思います。
その後、自分の研究成果を商品に搭載することが決まると同時に、商品設計部門に異動になります。そこでは、どうやったら売れる商品を作り出すことができるかを、考えることになるのですが、競合他社製品とのポジショニングの違いを、深い技術の面で理解していたことが拠り所となり、自分の考えを周囲に提案することが自ずとできるようになっていました。そして、次に作る商品はこうするべきだ!新規事業につながる機能拡充を進めるべきだ!などと言い続けている間に、だんだんと周りから一目置かれるようになっていきました。
最終的には、そういった言動や行動が当時の経営陣や事業部長の目に留まり、経営戦略部門への異動に繋がることになりました。市場を意識して技術力を磨いてきたことが、経営目線を育てたのだと思います。
「こうするべきだ」と思っていても、中々周囲に提案し、会社を変革するまで行動できる人って中々少ないですよね?
勝俣:そうですね。特に技術者には寡黙な人もいますし。そんな中で、ちょっと他の技術者よりも、プレゼンが達者だったということも自信につながったのかもしれません(笑)あとは、そういう自信もあってか、周囲を巻き込んでいく力も強かった気がします。自分一人ではできることは限られるので、そういう巻き込み力みたいなものも重要だったのかな、と思います。合わせて、巻き込んだ先に、自分の話を聞いてくれて、任せてくれるような上司がいたことは、運が良かったとも思っています。今思い出しても、本当にありがたい環境だったなと感じています。
製造業からコンサルティングファームへ〜製造業×コンサルタントの掛け算〜
パナソニックでもご活躍されていた中、なぜコンサルティングファームへ転職されたのでしょうか?
勝俣:コロナという大きな社会的な変化の中、立ち行かなくなる事業を経営に近い視点で見ていたことがきっかけになりました。今まで自分が得意としていた仕事が急になくなる可能性があることに気づき、同時に、大きな企業にいるということの、漠然とした不安感を覚えるようになりました。
もしかしたら、自分が能力を発揮できているのは、たまたまなのかもしれない。いつか何かあって、稼ぐことができなくなるのでは、、と思いました。自分にちゃんとした力があるのか確認したい、そして究極的には自分で事業を創る力を身につけたいと考え、新規事業創出や新しい事業戦略を作るコンサルティングファームへ転職することにしました。
幸いコンサルティングファーム入社後は製造業で培った、経営戦略や設計開発に関する幅広い知見が活き、すぐにバリューを発揮することができました。また副業でも、個人事業主としてコンサルティング依頼を受けられるようにもなれました。事業を作るところまでは行かないまでも、自ら稼ぐところまでは達成することができましたので、かなり短期間で漠然とした不安感自体は解消することができました。
しかし同時に、コンサルという仕事自体に物足りなさも感じるようになりました。特に、コンサルはプロジェクト毎に業務がリセットされますので、継続的な価値提供に向き合うことがなかなかできないな、と思っていました。だんだんと、もう一度事業会社で、同じビジョンを共有する仲間と仕事をしていきたいな、と思うようになりました。
ストックマークとの出会い〜自然言語処理のリーディングカンパニーとして選んだ道〜
その後当社ストックマークとの出会いがあるわけですが、なぜストックマークに関わりたいと思うようになったのでしょうか。
勝俣:まず、パナソニックでAIを用いた業務効率化などを経験していたこともあり、AI関連にはもともと興味を持っていました。特に、ストックマークについては、ナレッジグラフ×自然言語処理のリーディングカンパニーとして、参入障壁の高いAIサービスが作れる会社だと感じていました。
事業会社でもう一度働きたいと思い始めた頃に、興味本位でカジュアル面談を受けたことから始まり、最初はストックマークの仕事を業務委託で受けるようになりました。そうやって関わり始めてからは、社風や他のメンバーにも魅力を感じ、現在はフルタイムで働かせていただいているという形になります。
なぜ自然言語処理AIに注目されていたのですか?
勝俣:自然言語というより、元々は、日本語を扱うAIサービスに注目していました。日本語を扱うこと自体がグローバル観点で、参入障壁が高いと思っていたからです。きっかけは、AIによる売上予測アルゴリズムを製造業向けにコンサルティングしていた案件になります。そのプロジェクトでは、アルゴリズムの完成と同時に、自分たちが作ったアルゴリズムよりも性能の良い外資のパッケージシステムが現れ、一気に代替されてしまうということが起こってしまいました。この時、AIは進化の可能性が残されている分、グローバル競争で一気にひっくり返されることがあるなと、考えるようになりました。そんな経験から、やるなら日本人ということ自体が活き、ダントツにすごいAIでないと、ダメだろうと思うようになりました。
ダントツに凄いAIとはどういったものですか?
勝俣:ダントツというのは、ある領域内で圧倒的に強いことを表すのですが、そうなるためには、どこで戦うかが大事だと思います。先ほど話した売上予測のアルゴリズムの場合、対象課題は世界共通であるため、このグローバリズムの中、かなり厳しい戦場だったと思います。そこで、日本人であることの地の利を考えると、日本語というハイコンテクストな自然言語を対象として扱うこと自体が、グローバルの中では参入障壁が高いと思いました。
また、色々と自然言語処理の情報をリサーチしていく中で、今後はロジックを伴った応答ができることがAIとして重要になっていくとも思い、それにはナレッジグラフがキーになると考えるようになりました。以上のような考えから、ナレッジグラフ×自然言語処理のリーディングカンパニーが作り上げるAIサービスは、ダントツになるんではないかと思ったわけです。
ストックマークBizDevのキャリア〜製造業やコンサルティングの経験が生かされる環境〜
入社直後はBizDevではなく、アカウントエグゼクティブとしてスタートされていました。なぜでしょうか?
勝俣:実はオファーとしてはBizDevのPMMポストをいただいたのですが、始めは自分からの要望で、アカウントエグゼクティブとして営業の仕事をさせてもらいました。なぜなら、BizDevを推進するにあたっては、お客様のニーズや課題を、解像度高く把握しておく必要があると考えたからです。入社当時、その考えをProduct Owner兼BizDev責任者の田中に伝えると、アカウントエグゼクティブとしてスタートをさせてくれました。
アカウントエグゼクティブやBizDevをしていくなかで製造業やコンサルティングの経験は活かされていると感じますか?
勝俣:そうですね、製造業やコンサルでの経験はとても役立っていると感じています。まず、製造業の経験でいうと、実業務上にどんなペインがあるのかということを、肌感持って知っているというのが活かされていると思います。設計開発や新規事業開発を推進する上で、常々感じていた、資料の煩雑さ、無駄の多い打ち合わせ、今思えばAIで自動化できるけれども、手作業になっていたことなど、実際に製造業界にいたからこその経験が、今の仕事に活きていると感じます。
つづいて、コンサルティングの経験として役立っているのは、やはりゼロベース思考かなと思います。理想の姿をゼロベースで考えて、現状とのGapを踏まえた上で、解決策に落とし込む力は、市場の課題を解決して行くというBizDevのプロダクト企画に活きていると感じています。
特に私自身、SaaS業界やスタートアップ/ベンチャーでお仕事させていただくのは初めてですが、製造業やコンサルの知見が活きたことで、すぐに業務に馴染むことができました。私と同じく本業界の未経験者の方も、製造業やコンサルティングの経験を活かせば、すぐにストックマークでご活躍いただけると思います。
伴走型コンサルタントの魅力〜新規事業開発の在り方を変革するコンサルタント×事業開発の仕事〜
伴走型コンサルタントの仕事内容について教えてください!
勝俣:伴走型コンサルタントの役割を一言で言うと「ストックマークのサービスを使ってお客様の新規事業開発の在り方を変革する」になります。この仕事の役割としては大きく二つあります。
一つは新規事業開発のコンサルタントとしての役割です。新規事業の検討には、既存の知の組み合わせによる仮説立てをたくさん行う必要があります。そしてたくさんの仮説を出していくためには、世の中で起こっていることを幅広く情報収集することが重要になります。しかしながら幅広い領域の情報収集にはたくさんの工数がかかります。新規事業の検討に携わる人たちは、その情報収集に課題を感じていることが多いです。そこで、この情報収集自体を、我々のサービスであるAnewsを使って自動化していき、世の中の情報を効率よく集めるサポートをしていくわけです。そして、集めた情報を使って、仮説立てのプロセスを伴走しながら、コンサル提案していくというのが一つ目の役割になります。
もう一つはSaaSプロダクトの企画立案です。お客様の新規事業開発に伴走していく中で「こういった機能があれば、Anewsはもっと進化していく」というアイデアの種を発見し、プロダクトの企画に落とし込んでいくという役割です。言い換えれば、課題解決の型を作り、汎用的なプロダクト価値に落とし込むということです。主に、プロダクトマネージャーやエンジニア、自然言語処理のリサーチャーと連携しながら取り組んでいくことになります。伴走型コンサルタントという名前ではありますが、半分は、事業開発/PMM、プロダクト企画の要素を含んでいます。
伴走型コンサルタントにはどういった人材を求めていますか?
勝俣:新規事業開発における情報収集業務を変革するというイシューが非常に複雑であるということを理解している人です。私もパナソニックやコンサルティングでの経験を活かして向き合っていますが、まだまだ課題は山積みです。製造業やコンサルティングの業界を経験していて、自分なりの知見や専門性を持っている方であれば、是非幅広くお会いしたいと思っています。
伴走型コンサルタントの得られるキャリア〜業務効率化ではない、価値創造の仕組みを再発明すること〜
伴走型コンサルタントで得られるキャリアについて教えてください!
勝俣:製造業とコンサルティング、それぞれのバックグラウンドを持っている場合に分けてお答えします。
まず、製造業界出身からお答えします。なんといっても、製造業界で培った知見を活かしながら、アジャイルなサービス立ち上げを経験できることが挙げられます。これは自分の経験に基づくのですが、製造業の場合、どうしても新商品開発のプロセスは、ウォーターフォール型で課題解決までに時間がかかっていると思います。なぜなら、最終的にモノを作るためには、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンにある程度調整マージンが必要で、その結果、企画や商品リリースのサイクルを長くする必要があるからです。そして企画のスパンが長いことから生じる不確実性を避けるために、既存の延長の商品企画が多くなりがちだとも思います。私は、そういう部分に物足りないな、もっとテンポ良く世の中の課題を解決していきたいな、と感じていました。ストックマークのようなSaaS企業なら、ソフトウェアによるサービス提供ということもあり、今お客さんの目の前にある課題に対して、アジャイル型の開発ですぐに解決策を提供することができます。
SaaSは永遠のプロトタイプと呼ばれるくらいでして、お客様の課題を都度定義して、機能拡張により、回転速度早くソリューションを提供していくことができます。このようなテンポのよい課題解決の経験を通して、事業開発のノウハウを学んでいくことは、今後の幅広いキャリア形成にもつながっていくと考えられます。
続いて、コンサルティング出身についてですが、ストックマークに入ることで、事業会社としてコミットを重ねながら、世の中に直接的に価値のあるサービスを提供することができます。コンサルティング業界はどうしてもプロジェクト型になるため、継続的な価値提供に向き合うことがなかなかできません。コンサル業界にいると、その辺りに物足りなさを感じて、事業会社への転職を望む人も多いと思います。実際自分もそう感じていましたし。自分で事業を推進していく肌感が欲しい人は事業会社が性に合うと思います。特に、AIというこれからますます伸びるであろう業界で『自分が作ったサービスはこれだ!』と言えるようなプロダクト企画の経験を積むことは、今後のキャリアの可能性を広げることにつながると思います。
・製造業やコンサルティングファームからSaaSプラットフォーム企業に行く魅力は理解できたのですが、ストックマークに行く魅力は何でしょうか?
ストックマークのミッションは「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」ことです。価値創造の仕組み自体を作ろうとしている会社というのが特徴で、魅力だと思います。ストックマークに入ることで、紙やエクセルを、単にデジタル化していくのではなく、お客様の新規事業開発や情報収集の在り方についてゼロベースで考え「こうあるべき」を積極的に提案することで、世の中を変革していくことができます。つまり、試行錯誤しながら、世の中に新しい価値を生み出していくことができるのが、とても魅力的だと思います。
また会社として、ナレッジグラフや自然言語処理の研究開発をしていながら、同時にSaaSソリューションという形で、汎用的な価値提供に昇華できているのも特徴だと思います。直近では130億パラメーターのLLMを公開していますし、このように自社で研究開発としての成果を上げながら、同時に、エンタープライズ製造業向けのSaaSプラットフォームを提供しているような会社は、他にはないと思います。つまり、研究開発で培われた高い技術力を柱として、世の中の課題をアジャイルに解決していけるというのは、ストックマークだからこそできることで、そこが大きな魅力だと思います。
おわりに
製造業界の大企業で働いていて『日本の製造業が、もっと大きな価値を生み出せるように、新たな価値創造の仕組みを作っていきたい!そんな方法を広めていきたい!』という、熱い思いを持った方
コンサルティングファームで働いていて『新規事業開発の情報収集や価値探索を、AIの力でもっと効率的に、付加価値高くなるようにしていきたい!そして自分のアイデアでその仕組みを進化させていきたい!』という、熱い思いを持った方
ストックマークがフィットすると思いますので、是非お話させてください!カジュアル面談でお会いしましょう!