Astrategyは世界最高水準の検索プラットフォームを目指していく。自然言語処理の研究者と連携しながら、全員で向き合うプロダクト開発の醍醐味とは
AIを使ってオープンデータから業界のトレンドや市場構造を分析するAstrategy。本記事では世界最高峰の検索プラットフォームを開発するという壮大な目標を掲げているAstrategyバックエンドエンジニアのお二人にお話をお伺いしました。
何をやるのか:Astrategyが目指すのは、世界最高水準の検索プラットフォーム
ーーAstrategyが目指す最終的なゴールについて教えてください!
鎌田:新規事業のリサーチにおいては、Astrategyが最も使われる検索エンジンになっていきたいというのが最終的な目標です。今は新規事業開発においても、一般的な検索エンジンを使う方が多いと思います。「企業で使われる検索エンジンにおいてはAstrategy」という状態を作っていきたいですね。世の中の有名な検索エンジンを超えるようなプロダクトを目指していきたいです。
金子:大企業の新規事業開発担当者が欲しい情報がすべて集まるようなナレッジマネジメントツールにしていきたいと考えています。新規事業のリサーチにおいては、ニュース検索するだけでは足りません。現在は記事データをメインにしていますが、今後は論文や特許、社内データなど、あらゆるデータを集積するプラットフォームにしていきます。
またもう少し直近だと、AnewsとAstrategyで記事を共通化させ、緊密に連携させるシステム統合のプロジェクトが走っているので、2つのプロダクトのアーキテクチャを一つにするのがミッションです。
鎌田:SaaS型のサービスで、自然言語処理技術をふんだんに使っているのがストックマークの大きな特徴だと思います。自然言語処理✕SaaSに面白みを感じてくださる方にお会いしたいですね。
なぜやるのか:日本の国際競争力の低下
ーーAstrategyが解決する課題は何でしょうか
金子:我々が向き合っている社会課題は日本企業の世界における競争力の低下です。多くの日本の大企業では国際的な競争力を高めるため、新規事業開発やイノベーション創出を進めていますが、テクノロジーの発展や市場の複雑化、顧客ニーズの多様化により情報が整理できず、思うように新規事業開発が進んでいないケースが多く見られます。
「Astrategy」は、AIを使ってオープンデータから業界のトレンドや市場構造を分析するSaaSサービスであり、「Astrategy」を通して「日本の大企業で新しい事業や顧客価値を継続的に生み出せる状態」を目指しております。
鎌田:大企業であっても、新規事業を立ち上げる際には検索エンジン(あるいは検索サービス)でのリサーチはかかせません。しかし既存の検索エンジンは事業開発にフォーカスしていないため、本当に欲しい情報を検索できないという課題があります。
既存の検索エンジンでは、ランキング付けして絞った内容の記事を出すことに特化したサービスになっています。そのため新規事業開発担当者が欲しい情報を網羅的に出すことはできていません。
「Astrategy」は記事単体ではなく、クローリングされた大量のデータから業界のトレンドや市場構造を分析し、ユーザーに役立つ示唆を与えることができます。強みは膨大なオープンデータです。世の中のデータをフラットに解析して、アウトプットを出すのがAstrategyの大きな特徴です。
プロダクト開発の特徴①:自然言語処理リサーチャーとの連携
ーー世の中の膨大な定性情報をどのように収集して、プロダクトに反映しているのでしょうか?
金子:リサーチャーの存在が大きいです。私がストックマークに入社を決めた理由の一つは、リサーチャーなど、自然言語処理に精通するメンバーが在籍している所でした。リサーチャーは自然言語処理や機械学習の研究開発を行っています。また、東北大学乾研究室との知識グラフに関する共同研究や「BERTによる自然言語処理入門(オーム社)」の出版なども行っており、レベルの高い専門家が在籍しているのがストックマークの大きな特徴です。
ーーバックエンドエンジニアとリサーチャーがどのように連携するのか教えてください。
鎌田:例えば、現在では、リサーチャーの方は言語モデルを構築する部分を担い、バックエンドエンジニアはそれ移行の部分、モデルをプロダクトに組み込んだり、プロダクトオーナーと連携しながら表示するデータのノイズを除去したりする作業などを担っています。ただ実際は、明確な線引きがあるわけではなく、あくまで役割として切り分けている形です。
自然言語処理の勉強会や共同研究会のゼミなども我々バックエンドエンジニアも参加し、ディスカッションしながら最先端の自然言語処理領域の知見を深めるようにしています。
ーーリサーチャーの方ができないことでエンジニアができることはどういったことがあるのでしょうか?
金子:得意領域が異なるというイメージの方が近いです。バックエンドエンジニアはAPI開発やバッジ処理、インフラ開発などが得意であり、リサーチャーは自然言語処理のモデル構築が得意領域です。しかし、実際の業務では距離がかなり近く、担当領域も近いため、一緒に仕事する機会が多いです。
実際に私が担当した事例でいうと、入社直後に類似記事集約機能の開発を担当しました。類似記事集約機能は、入社時点で研究開発が進んで技術検証は終わっていたため、プロダクトに実装する部分を担当しました。
鎌田:エンジニアリングもできるし、自然言語処理の研究開発に携わることができるのが、ストックマークの特徴です。逆に言うと両方必要とされる環境ではあります。検索メインで事業に携わっていても、理論的に深掘りしたい時はリサーチャーと議論することもできます。
プロダクト開発の特徴②:ユーザーフォーカスで新機能開発を進めるディスカバリー開発
ーーストックマークが大事にしているディスカバリー開発について教えてください。
金子:ディスカバリーとは「発見」という意味です。「ユーザーにとって、どういう機能開発を進めるべきか」という所から探索していく開発手法のことを弊社ではディスカバリー開発と呼んでいます。
ーー今までの歴史についても振り返りさせてください。バックエンドとしてのディスカバリー開発はどのように進めてきたのでしょうか。
鎌田:入社時期はAstrategyがリリースされたばかりの時期でした。そのため、兎に角新機能開発のスピードが早かったです。60%ぐらいの完成度でも良いのでスピード重視でプロダクト開発を進めていました。黎明期だからこそトライアンドエラーを繰り返していたのが印象的でした。その中でサジェスト機能などは、私が提案してプロダクトに実装された機能です。
現在は新しい機能のアイデアはあるものの、「SaaSは優先順位がすべて」と考えているので、順番を考えながら実装へ落としています。
金子:入社時期はAstrategyのプロダクトがリリースされ、コアなユーザーも生まれ始めている段階でした。そのため初めはリファクタリングや監視などエンジニアリング視点でやらなければいけないことに取り組んでいました。
しかしある時、コアユーザーの外に広がっていかないが故にチャーンが増えていることに気づくようになりました。そのため現在はチャーンを防ぐためにユーザー視点で使いやすいプロダクトを実現するための機能を優先的に実装しています。
現在はユーザーの行動ログを見る習慣があるため、一層ユーザーフォーカスでプロダクト開発を進めることができていると感じます。
ストックマークに今来るべき人材
ーーありがとうございます!非常にワクワクしました。そんな壮大な目標を掲げているお二人の視点から、今後のストックマークでは、どんなエンジニアに来て欲しいですか?
金子:Astrategyの検索エンジンは一般的な検索エンジンと全く異なる性質のものです。一般的な検索エンジンは大量の記事から少数の求めている記事を出す機能です。Astrategyは記事単体ではなく、記事からユーザーの示唆を得るプロダクトであり、検索に加え、ユーザーに役立つ示唆を与えるのが特徴です。
世の中の定性情報を収集し、大企業にイノベーションを創出する。ここにワクワク感を感じている人材に来て欲しいです。
またストックマークのエンジニアは領域が幅広いです。一つの役割に縛られることなく、様々にチャレンジしたい方とお会いしたいです。