オリジナル『人生計画シミュレーション・カードゲーム(仮題)』のリプレイ・後編
このページは続きものの後編です。
▼前編はこちら。
9、第5ラウンド
・ゲームの大まかな流れや解説は、前編の第4ラウンドまで説明しましたので、後半はさらっと展開を流します。
・さっそく第5ラウンド。市場にカードを4枚広げました。
・『拠点拡大』で、《食》2個の【里山】を獲得します。
・世相カードは【不況】!!
【不況】になると、全プレイヤーは否応なく、拠点カード【都心】を1枚失います。ちなみにこのカード、全20枚中、4枚も入っています。8枚の山の中に2〜3は紛れていると考えた方が良いでしょう。拠点カードの【都心】は資本効率がとても良いので、頼りになるのですが、【不況】で失ってしまうという危険性も孕んでいるのです。だから、第二の拠点として【里山】にも目を向けようというのが、山梨県大月市が推進している「デュアルベースタウン構想」なのです!! よ!社会派ゲーム!!
・なお、Qジョーくん【都心】に全然拠点を伸ばしていなかったので、【不況】にも無傷です。
10、第6ラウンドの開始
・第6ラウンドの市場は、ご覧の通りです。特に琴線に触れるカードはありません…
…ので、ちょっと早いですが、『開拓』を行います!!
・【里山】2枚に【テレワーク】1枚をホホォンして資本を発生させます。
・ホホォン前。
・ホホォン後。
《水》0個 → 2個
《食》4個 → 6個(※)
《燃》2個 → 3個
《楽》0個 → 2個
※ マスが5マスしかないので、資本が5個を超過したら、マーカー代わりに使っているサイコロの目を[2]にして、2週目を表現します。他の資本は1週目なのでサイコロの目は[1]ですよね?
・最低限 生存するだけの資本は得ました。そして、人生計画カード【彩食主義】の勝利条件である《食》がボーダーの6個を超えました。
とりあえず、この時点で、人生計画カード通りの人生は成功しました!! あとは、ゲーム終了まで気を抜かずに、成功の状態を維持するだけです。
ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の商標について
・カードゲーム界隈でよく使われる所謂「タップ」という概念(ルール)ですが、それは米ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が商標の権利を保有しています。他社の作品においても、タップに相当する概念を備えたゲームは存在していますので、ルールの導入自体は見逃してくださっているようです。ですが、「タップ」という名称を勝手にゲームに使う事は出来ない、というか危険、というか…まあ、詳しくはわかりませんが、大人の事情があるのでしょう。きっと。
・本ゲームでは、比較的近しい『ホホォン』という画期的概念を備えています。「開拓済みの拠点カード」と「未開拓の拠点カード」とを識別する為に、角度をちょっとホホォンします。これが『ホホォン』です。
・名前も全然違いますし、扱いもホホォンですし、ウチのような吹けば倒れるような存在に対して、世界最大手の米ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社からクレームが来る事はないとは思います(そう信じたい!)。しかし、もし アイパー滝沢さんから何か言われるのなら、それはごもっともだと思っています。
11、第6ラウンドの世相
・また【不況】でした。略。
12、第7ラウンド
・第6ラウンドは『開拓』を行ったので、市場は4枚そのまま一掃&入れ替えです。で、第7ラウンドの市場はご覧の通りです。
・『拠点拡大』で、まだ低い《水》を補える【里山】を取ります。
・世相は【災害】です。
全プレイヤーはサイコロを振ります。出目の個数だけ《燃》を失います。
・出目は[2]でしたので、《燃》が2個減りました。もし出目が[3]なら《燃》が0個になるところでした。実はけっこうなピンチでした。
13、第8ラウンドの開始
・さあ、最終ラウンドです。これが第8ラウンドの市場です。
・もう『拠点拡大』をしても仕方ないので、手元の未開拓地をホホォンします。最後の『開拓』!
◆ ビギナー・ルール
・第8ラウンドに限り、『拠点拡大』か『開拓』の二択ではなく、「第8ラウンドに『拠点拡大』で獲得した拠点カードは即座に『開拓』出来る」とします。これで市場が無駄になることが大幅に減るでしょし、最後の逆転劇にも繋がるかもしれません。
・「選択」こそがゲームのゲームたる面白さです。拠点拡大と開拓が同時に行えることによって、選択の余地は極端に減ります(ないかもしれません)。スナック感覚でゲームを楽しみたい人にはイージー・モードを、本来のゲームの面白さを体験したいゲーマーには、下記のノーマル・ルールをお勧めします。
◆ ノーマル・ルール
・第8ラウンドも『拠点拡大』か『開拓』の二択です。
・勝利条件が拠点の枚数ならば拠点拡大を選ぶでしょうし、勝利条件が資本ならば開拓を選ぶでしょう。
・しかし、勝利条件が拠点の枚数でも、未開拓地の枠が既にいっぱいなら、開拓をせざるを得ませんし、勝利条件が資本でも、【不況】から【都心】で発生した資本を守る為に、拠点拡大で【都心】を取ることを選ぶこともあるかもしれません。
・「選択」こそがゲームのゲームたる面白さなので、最後まで最善を尽くせるように、第7ラウンドの時点で最終ラウンドを見通して、計画的な選択をする必要があります。つまり、第7ラウンドの選択がもっとも重要なのです。世相カードの残り枚数に注意しましょう。
14、第8ラウンドの世相
・波乱を起こすであろう、最終ラウンドの世相です!!
【平安】! このラウンドは何もおこりません。肩透かしでしたね。
15、リザルト
・人生設計カード【彩食主義】
勝利条件:Most《食》Player & Border 6 → 達成!!
・資本
《水》:3個
《食》:7個
《燃》:1個
《楽》:3個
・拠点
【里山】《食》《食》『生まれ』
【里山】《食》《食》
【里山】《食》《燃》
【里山】《食》《楽》
【里山】《水》《食》
【里山】《水》《楽》
【テレワーク】《燃》《食》《楽》+1、《水》-1
【テレワーク】《水》《燃》《楽》+1、《食》-1
総評
・田舎に篭ったまま仲間も作らず、たまにパソコンに向かって、美食を極めたQジョーくん。その生活は、乳〜婆〜Eats の賜物でしょうかね?
16、プレイバック
・本ゲームにはテーブルゲームとしては珍しいことに、プレイバック機能が搭載されています。と、言っても特別なメカニズムガある訳ではなく、世相カードをラウンド毎に上に積み、第1ラウンドの世相カードから再び捲るだけです。
・プレイ時間は10分程度のゲームですが、どれだけ濃い10分を体験したか、人生設計シミュレーションを振り返ってみましょう!
・一目できるように、今回のプレイで出現した世相カードをずらっと並べてみました。左上から、上段左→右、下段左→右 の順です。
序章:『生まれ』の拠点【里山】、人生設計【彩食主義】
・Qジョーくん、美食の里に生まれ、グルマンを目指します!
一章:『拠点拡大』→【里山】、世相【サイバー犯罪】
・世間がサイバー犯罪で騒いでいる頃、Qジョーくんはそんな騒ぎとは関係なく、田舎で拠点を広げていました。
二章:『拠点拡大』→【テレワーク】、世相【好景気】
・Qジョーくんあまり動きたくないのかテレワークを導入します。日本には好景気が訪れました!
三章:『拠点拡大』→【テレワーク】、世相【流行病】
・Qジョーくんさらにテレワークを充実させます。もはや首の後ろに直にケーブルを挿してそうな勢いです。そして日本には病が蔓延。人々から楽しみが奪われました。首の後ろのソケットから感染しないように気をつけよう!
四章:『拠点拡大』→【里山】、世相【好景気】
・Qジョーくんが美食以外に大切なことがあると地元で気づいた頃、世間では自己啓発ブームが起こっていました。Qジョーくんも自分を見つめ直しましたが、グルマンへの夢は揺らぎませんでした。
・ここまでが前半。
五章:『拠点拡大』→【里山】、世相【不況】
・Qジョーくん美食を極めるべく、さらに田舎で拠点を広げます。そんなとき、日本は不況に叩き込まれ、都心部では大打撃を受けていました。しかし、Qジョーくんは都心に拠点を伸ばしていなかったので、ノーダメージです。
六章:『開拓』、世相【不況】
・Qジョーくんは広げた拠点を開拓します!たくさんの資本を得て、人生の目標を達成しました!しかし、日本はいまだに不況に喘いでいます。
・目標を達成したら人生終了ではありません。勝ち抜けなんてルールは人生にはありません。最後の瞬間まで、この状態を維持しなければなりません。
七章:『拠点拡大』→【里山】、世相【災害】
・時は流れました。Qジョーくん、いやQジョーさんも、もうお歳です。ずっと田舎暮らしをしてきましたが、自然に目を向けることもなくこれまで破滅的な食生活をしてきました。そろそろ人生の締めくくりを考え、自然との調和や文化的な生活を見直します。
・日本は大きな災害を受け、人々は人間が作ってきた文化や社会の脆弱さを突きつけられていました。Qジョーさんも災害によって大打撃を受けていて、危うく生活基盤を失うところでした。
終章:『開拓』、世相【平安】
・リノベーションされた小洒落た古民家の一室、Qジョーさんは今際の際に、晩年に拡大したまま手付かずだった里山を開拓するよう、子や孫たちに伝えます。【彩食主義】として生き、グルマンとして大成功を収めたQジョーさんは、満足な気持ちのまま、その人生をまっとうしました。日本は安らかでした。
如何でしたでしょうか?
以上が、10分間でシュミレーションした、美食家としてのQジョーくんの生涯です。
最後までご覧頂き、ありがとう御座いました。
次は、あなたの人生設計がシミュレーションされる番です。
◆付録:カード解説(一部抜粋)
▼拠点カード
・ゲーム展開やスペースの都合で、今回のプレイでは詳しい説明ができなかった箇所をあらためて説明します。
【商業】
・『生まれ』が【商業】だった場合は、ゲーム開始前にサイコロを1回振ります。出目が[3]なら4種の資本がそれぞれ1個づつ発生します。出目が[2]なら望む資本が2個発生します。出目が[1]なら生まれの資本は発生しません。
・【商業】は『開拓』をした際に、開拓地にするか、未開地のままにしておくかを選べます。未開地のままなら、何度でも開拓が可能ですが、未開枠4つの内1枠を圧迫し続けます。
・【商業】は『開拓』を行っても資本を発生しませんが、資本のトレードが行えます。
トレードは、自分からは同じ資本を2個を提示します。相手が「他のプレヤー」なら相手が2個自由に提示し、双方が納得すれば交換が成立します。相手がプレイヤーでないのなら、あなたは同じ資本2個と引き換えに望む資本1個を得られます。
【里山】【仲間】
・これらのカードは、発生する資本が2種類存在します。「カードに指定された資本2個」か「望む資本を1個」です。ホホォンなどで発生する際にどちらかを選べます。
・ただし、開拓地となったこれらのカードを失った場合は、選択する事はできず、「カードに指定された資本2個」を消失します。
▼人生設計カード
・勝利条件がカード収集系のものに対しての注釈です。
【里山資本主義】【マナー資本主義】【IT革命主義】【人間主義】
・勝利条件としてカウントする際に、対象となるカードは未開拓のままでも構わない。
▼世相カード
・今回のプレイに出てこなかった世相カードの一部を紹介します。【移転】や【地価高騰】など他にも様々な世相カードが存在しますが、それらの紹介はまた別の機会にて。
【移転】
・すべてのプレイヤーは、自分の持っている【都心】を市場の【里山】と入れ替えるか、自分の持っている【里山】を市場の【都心】と入れ替えてください。拒否権はありません。
・手元に対象がなければ無視します。対象が複数枚あれば、どれかは選んで構いません。
・その結果、自分の開拓地を手放し場合は、その拠点が発生する資本を失います。
・市場から来た拠点カードは、未開拓の状態です。その結果、未開拓地枠の4枚を超えても構いません。
【啓発】
・手番プレイヤーから順にすべてのプレイヤーは、サイコロを振ります。出目が[1]ならば、人生設計カードの余りから1枚を選び、自分の手元のものと入れ替えなければならない。出目[1]を振ったら拒否権はありません。
・8人でプレイしている場合は、余りの人生設計カードは存在しないので、[1]を振ったプレイヤー同士で、左隣りのプレイヤーに自分の人生設計カードを渡し、右隣りのプレイヤーから受け取ってください。
【別離】
・すべてのプレイヤーは、手元の【仲間】か【商業】を1枚を失います。
・手元に対象がなければ無視します。対象が複数枚あれば、どれを失うかは選んで構いません。
【特需】
・すべてのプレイヤーは、望む資本を宣言し、サイコロを振ります。出目と同じ個数の望む資本が発生します。
【都市開発】
・すべてのプレイヤーは、手元の【商業】を1枚失って、サイコロを振ります。出目と同じ個数の望む資本が発生します。
・手元に対象がなければ無視します。
【再開拓】
・すべてのプレイヤーは、サイコロを振ります。手元の開拓地を、出目と同じ枚数だけ未開地の状態に戻します。その際に、資本は失いません。
・この効果によって、未開地枠の4枚を超過しても構いませんが、開拓を行わなければ、これ以上未開地を増やすことはできません。
【怪獣襲撃】
・すべてのプレイヤーは、サイコロを2回振ります。1回目の出目と同じ枚数の【都心】を失います。そして、2回目の出目と同じ枚数の【里山】を失います。
・手元に対象がなければ、存在しない分は無視します。対象が複数枚あれば、どれを失うかは選んで構いません。
※ もともとこのカードの名称は【戦争】でしたが、ゲームのフレーバーが重くなってしまうので、あり得ない現象の名称に変更しました。あり得ない現象な為、このカードをゲームに導入すると、リアリティレベルが著しく低下してギャグになってしまう懸念があります。まじめに人生設計シミュレーションとしてごんゲームをプレイしたい場合は、あらかじめ【怪獣襲撃】と【大復興】をゲームから除いておくべきでしょう。
【大復興】
・すべてのプレイヤーは、サイコロを2回振ります。
・出目が[3]ならばすべての【都心】は、開拓済み未開拓を問わず資本を発生します。
・出目が[2]ならばすべての【里山】は、開拓済み未開拓を問わず資本を発生します。
・出目が[1]ならばすべての【仲間】は、開拓済み未開拓を問わず資本を発生します。
※ このカードの効果は強大です。それは【怪獣襲撃】のカウンターとして用意されたからです。【怪獣襲撃】をゲームから除くのなら、ゲームバランスを保つ為にも一緒に除くべきです。
◆今後の展望
・本ゲームは山梨県大月市のふるさと納税の返礼品となることが内定しました。(あとは4月まで待ち、年度が変わってから書類を提出し、受理されたら本決定です。それまでは見通しです。)
・ふるさと納税の返礼品になるにあたり、「タイトルの変更」「大月版としてのローカライズ」「コンポーネントの強化」をすることになりました。
・新しいタイトルは『デュアルベースタウンGame -大月版-』です。
・本リプレイにおいて用いたバージョンは、『デュアルベースタウンGame -全国版-』として、このまま残しておき、別の場で発表したいと考えております。
・2バージョンとも、よろしくお願い申し上げます。
◆九城司の他の作品
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