癇癪っ子の弁解
大人は私を癇癪持ちだと言う。
わがままで怒りっぽいとも。
「泣けば思い通りになると思っているだろ」
と言われた時の屈辱感、一生忘れない。
そんな風に思ったことなど一度もない。
むしろ、泣くのは嫌いだ。
私は想定外のことが起こると、パニックになる。
ある日、遊んでいる途中で「帰るよ」と言われた。私は、その遊びの時間がもっと続くと思っていた。この後の遊びのプランも立てていた。帰るだなんて全くの想定外だ。
気がつくと、私は床に寝っ転がっていた。立ち上がる気力はない。なぜだか「嫌だ」という言葉が頭の中で反響している。それを声に出してみた。何度も、大きな声で「嫌だ」と言ってみた。
声を出していたら、段々と息が苦しくなってきた。頭が回らない。もう何が嫌だったのかも思い出せない。とにかく苦しい。助けてほしい。
大人たちが私を見下ろす。苦しいのに誰も助けてくれない。
これは、(多分)2歳~8歳頃、癇癪持ちだった私の話。あくまで私の話。「なんでこの子は癇癪を起こすんだろう?」という疑問に対する、1つのアンサー。
子供の癇癪で大変な思いをしている人たちに、ただ知っていてほしい。その子は、怒っているわけでも、わがままを通そうとしているわけでもないと。パニックになっており、うまく脳に酸素を供給できていないだけだと。
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