ゲームレビュー:アストリブラRevision
元々アマチュア制作のゲーム
アストリブラは元々KEIZO氏個人制作のフリーゲームで、数々の表彰を受けたとされるアマチュアアクションRPGらしい。
Steamへの移植にあたって権利面やら商業面やらで色々リファインが入り、本作Revisionとして昨年に発売となった模様。
定価は2000円位だったような気がするが、セールで1000円位になっていたので購入♂。
1000円の超大作
最初の導入時には90年代のPCゲーム黄金期の匂いを感じる作風で、これに抵抗感が無ければサクッと入り込めるゲームだと思うが、最近の美麗なグラフィックに慣れちゃったキッズ達にはどうかな…?という印象。
とはいえ、その壁さえ乗り越えたら、秀逸なシナリオにBGM、そして爽快感のある多段ヒットアクションが何処かブランディッシュやらガーディアンヒーローズ的な懐かしさを感じさせ、どっぷりとその世界観に没入してしまった。
やっぱこのゲームのクリエイターKEIZO氏はあの黄金期にゲーマーだった人やな、って。
ゲーム自体はオーソドックスな横スクロールアクションRPG
最近流行りのローグライクではなく、古典的メトロイドヴァニア系。古典的と評したのはあまりメトロイド感は無く、どちらかと言えば昔の悪魔城ドラキュラ寄りなシステムである故。
まぁ、個人的には毎回イチからやり直しになるローグライクってあんま好きじゃないんすよ。Steam版の月風魔伝もやったけど、何回やっても3面位で死ぬから途中でやめちゃったよねアレ…。
本作はセーブポイントとレベル概念があり、それとは別にフォースを貯めてパラメーターアップ等ができる複合的な成長システムを採用している。
この他、魔法に該当するスキルや、補助機能である天秤システム(これが地味に面白い)、あとは武器固有能力を引き出して使うカロンスキル等、様々なアクション要素がうまくマッチしている。
壮大過ぎるシナリオ
最初はよくあるファンタジーモノかと思っていたが、シナリオが進むに連れて過去・現在・未来を行き来する壮大な物語へと拡大して行き、ラスボスかと思われた敵のあとに、実は新たな秘密と敵が…!
みたいな展開が2度3度あって、マジで終わりの見えない内容になっている。
しかしシナリオ自体が非常に良く出来ているため、マジのラストを見終わるまで「そろそろ疲れてきたけど、なんかやめられない」というスルメゲーと化してくるのが本作である。
1000円とは思えねーとんでもないボリューム。
間違いなくクリエイターの教本と成り得る名作
細かいことを言うと、謎解きのヒントやすり抜けられる壁など、攻略に際して不親切な面もあるにはあったが、それらの部分(攻略サイト見たり)も含めて90年代の和ゲー黄金期らしい雰囲気を味わえる名作だと評価したい。
これはソウルハッカーズ2をプレイした時に感じた事だが、最近のゲームクリエイターはかなり若年化しているのは確かであるが、特にソウルハッカーズ2はゲームクリエイター育成学校が授業で教えてそうな「こうすればゲームになります」をそのままナゾッたようなしょうもない内容だったため、多数の人材と開発費をかけたにめ関わらず、バランス調整の不充分な、ほぼ変化のない不毛なダンジョン探索としょうもないお使いをただ繰り返すだけの、声優の無駄遣いなクソゲーとなってしまっていた。
アストリブラの原作は創意工夫を重ねられた壮大な世界観、魅力的なキャラクター(特にカロン)、引き込ませるテキスト、何故か止められなくなる起承転転転転なシナリオ運び、これらを全て1人で作り上げた名作として、間違いなくこれからの若い世代のクリエイター達にとっても教本となるべきゲームだと思う。
クソゲーをフルプライスで売り付けてるようじゃ、世界とは戦えない。アストリブラは「面白い!」とは何かを今一度考えさせてくれる良作だったので、ぜひオススメしたい。
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