見出し画像

週刊日記:岐阜の旅、出来事いろいろ詰め合わせ

◆旅の効用
 本来は1泊2日で旅に行く予定だったのですが、先月思わぬ車のトラブルで大出費イベントが発生し、敢えなくお出かけは見送りとなっていた。しかし、どうしても年内に行っておきたかった場所なので、無理を承知で日帰り弾丸旅を敢行したのだ。車で往復7時間。まずは滋賀の平和堂1号店、そして岐阜の養老天命反転地、養老ランド、養老の滝、サウナ、岐阜県民のソウルフード・サンコックを回った。朝5時出発の本旅行は運動不足の30代に効果抜群。めちゃくちゃ疲れた。しかしその分、日帰りとは思えぬ濃密な時間を過ごせた。日記をつけているとよく分かる。たった1日の旅行について、今回の日記で4つめの記事になる。それだけ新鮮な情報をたくさんインプットできたということだ。

◆旅先の茶店にて
 旅の道中、山間部で車を走らせていると、1軒の喫茶店を目撃した。周囲は呆れるほどの山、山、山、なので、飲食店が建っているだけでも目立つのだが、店舗の青い外壁がより目を引いた。「サザン・・・ヘル?だろうか」看板を一瞬見ただけなので店名に確信を持てなかった。しかし、なんてアヴァンギャルドな名だろうか。直訳で「南の地獄」か…いいね。一度通り過ぎてしまったが、Uターンして店に向かう。
 到着して気づいた。いくらインパクトがあろうと、古き良き喫茶店がそんな店名にするものか。正しくは「サザンベル」でした。失礼。外壁の青が映える爽やかな名である。

サザンベル 店前にて

 入店すると、LEDでも入っているのかと思うほどキラッキラの目をしたおば様が出迎えてくれる。モーニングを注文し、ついでに軽く談笑。御歳83の彼女は、僕が石川からの来訪者であると知ると、周辺の土地事情を色々と教えてくれた。こういうコミュニケーションを求めて、僕は昔ながらの喫茶店に入るのだ。
 店内は時が止まったように和やかな雰囲気だが、ふと目をやると本棚に漫画が並んでいる。どれどれラインナップは…と。

うーん、なかなか男臭い。『ミナミの帝王』それに『北斗の拳』も…なるほど。ここ、やっぱり「サザンヘル」なんじゃないか?

◆ゲーセンの遺産的筐体
 養老ランドという遊園地に行った。この手の施設には、ちょっとしたゲームコーナーがつきものだ。通常のゲーセンでは稼働していないような古い筐体があったりするので、僕は積極的に足を運ぶようにしている。
 さて、ここ養老ランドのゲームコーナーにもあるじゃないですか。こんなシブい筐体が。

 男衆はあまり縁がありませんが、プリですプリ。よく見てください。筐体の前面や側面に所狭しと貼られた無数のシールを。これはデザインではなく、個々の客がペタペタと貼り付けたものなのです。モニター中央や上部の照明、ボタンなどには貼られていないあたり、一定の倫理水準は保たれていたようだ。現代のプリ機にこれだけシールが貼られていることがありますか?たぶんない。あったら問題になりそうだ。つまり、この古のプリ機は、当時のコンプライアンスだからこそなしえた一種のアート作品と言えるのではないか。

◆夜間のトンネル
 旅の帰路、車で山間部をひた走る。何キロも何十キロも。田舎道であることに加え夜なので、前後の車両はおろか対向車とのすれ違いすらない。ゴオォーーという走行音は絶え間なく聞こえているのだが、あまりに一定で、それがずっと続くものだから、もはや無音にすら感じられる。
 トンネルって「山に穴を開けちゃいました」という大規模な建築じゃないですか。何キロにもわたる無機質な半円のパイプは、どれだけの人手とお金がかけられたのだろう。そんな大掛かりな仕掛けの中を、いまは僕1人だけが走っている。いいのか?なんだか、僕だけのためにこのトンネルが作られたかのように錯覚する。というか、このトンネルを抜けた先にちゃんと人間は生息しているのか。それすら不安になってくる。
 人は簡単に孤独になれる。

2024年10月第三週。
お疲れ様でした。それではまた来週。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?