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マウリツィオ・ポリーニ逝去

マウリツィオ・ポリーニが亡くなった。
遂にこの日が来てしまった。
このピアニストから受けた影響はあまりにも大きい。
年齢的にもちょうど親父くらいの歳で、自分の音楽形成の礎を築く上でかなりの部分を占めていた。

勿論他にもポリーニより上手い頂上ピアニスト達は存在する。ホロヴイッツを筆頭にホルショフスキ、チェルカスキー、グールド、シフラ、フランソワ等々挙げたらきりがない。

他にもポゴレリッチ、ツィメルマン等にも影響は受けたが、それでもなぜか演奏する時に自分の中でポリーニのイメージが常に深層心理にあるような気がする。

なぜなのかわからないが、あの真剣に音楽と向き合いながら全力で弾く姿に魅了され『こうありたい』と思ったのだろうと思う。軽くいえば『カッケェ~』みたいな笑

浮わついたハッタリなど微塵もなく、真摯に音楽に向き合う姿に惚れたが故、
そのイメージを自分に投影させようと、どこかで思っているのかもしれない。

昨今、たいした演奏でもないのに視聴回数を稼ぐため『自分はスゲェ』みたいなYouTuberが多い中、『あんな滑稽なピエロ達のようにはなりたくないな』と思う一方で、黙々と素晴らしい音楽を聴かせるポリーニのような“本物”になりたい、などと理想だけは高く持ちつつ、現実とのギャップに苛まれているわけだが、『襤褸は着てても心は錦』の心意気で“音楽の親父”であるポリーニのイメージを生徒に伝えていくつもりである

マエストロ、ありがとう
どうぞ安らかに

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