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〇〇〇〇アプローチ
エコロジカル・アプローチ: 「教える」と「学ぶ」の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践
こちらの本が出版され、サッカー界隈で話題となった。
自分は読んでいない。興味がないわけではない。読む本が溜まっている。順番待ちの状態だ。
エコロジカルアプローチなるものが如何なるものかは多少知っている。
指導者がチームを育てていく手法の一つだ。制約主導型アプローチともいわれたりする。
要するに、環境の調整によって望ましい現象を誘発するマネジメント方法である。
例えば、ライン間を経由してボールを前進させる。を身に付けたい時、極端な話、エコロジカルアプローチではコーチングをしない。
ライン間を経由するという解決策を見出せなければならない練習を設計する。調整する要素は様々だ。コートサイズ、時間、ルール、人数・・・etc。
そのため、エコロジカルアプローチではコーチングのないトレーニングを良いトレーニングと定義している。
このような、それまで一般とされてきた概念のアンチテーゼ的な概念は話題になりやすい。
それまで一般とされてきた概念とは、いわゆる「コーチングによって望ましい現象を誘発する手法」である。これを仮にトラディショナルアプローチ(伝統的手法)呼ぶ事にしよう。
トラディショナルアプローチに対するエコロジカルアプローチの印象はこうだ。選手の発想を殺さない。選手がやらされている感覚を覚えずにプレーできる。
そのような側面は実際にある。だが全てを受け入れることはできない。鵜呑みにしては行けないと思う。
実際にコーチングが有効である場面は多い。
サッカーは極めて複雑混沌とした競技だ。具体性の高すぎるトレーニングは競技から離れたものになってしまいやすい。
そのような弊害を防ぐためには抽象性の高いトレーニングをすればいい。
しかし抽象性の高いトレーニングをさせているだけではだめだ。チームを一つの集合体として機能させることはできない。
そこでコーチングだ。コーチが適切な哲学を持ち、それを上手に伝えなければならない。選手の頭の中にシンプルな原則が残るように。
勘違いしてほしくない。エコロジカルアプローチを完全否定しているわけではない。
様々な状況に応じて、制約主導的なトレーニングを課すことも必要だ。
結局はバランスよくミックスするのである。その割合はセンスだ。センスは磨くものである。試行錯誤して行けばいい。
何か新しく話題のものが登場した時に安易に飛びついて心酔してはいけない。と伝えたかった。