決定力が爆伸び!!㊙トレ!!
はじめに
前回の記事でも伝えました。人間のダイナミクスにポジティブな変化を起こしたいときには”基準の変更”ではなく、”目的の変更”の方がより大きな影響を与える。
人間は意識的、無意識的に関わらず、すべての行動には何らかの目的が付随します。
サッカーでは
サッカーの1局面においても同様のことが言えます。味方にパスをするという局面を切り取った場合、
「自分の危機を回避する」あるいは「近くに味方がいるからとりあえずパスをする」という目的を持ってパス行為に至るのか、「味方に良いプレーをさせる」という目的を持ってパス行為に至るのかでは、アクションに明らかな違いが生じます。
この局面に関していうと、無意識的に前者の目的に向かってアクションを行いがちです。しかしながらこれは仕方がない側面もあります。サッカーは殆どの局面が無意識下で行われます。特にオンザボールの局面ではそれが顕著です。無意識下に持つアクションの目的は基本的に自分にベクトルを向けたものになる傾向があります。これを改善するには普段のトレーニングの中でアクションの目的のベクトルが味方に向けられたものになるようなオーガナイズや制約を設けるしかありません。コーチングによる意識へのアプローチも少なからず意味はあると思いますが、それはむしろアクションの遅延に拍車をかけてしまうのではないかと私は考えます。
実践例
選手が無意識下に抱く目的の変換を行うことでアクションにポジティブな変化を起こす事を狙いとしたトレーニングの一例を紹介します。
ゴールにシュートを打つとき望ましいコースはどこでしょうか。四隅です。右上、左上、右下、左下です。マーカーでも何でもいいのでそこに的を設置します。(的を当てたくなるデザインにしたり、当たったら音がなる機能が付いてるものなどあればより効果が大きくなりそうだなと思います)
シュート練習時のアクションの目的を「ゴールを決める」から「ゴール四隅の的に当てる」という目的に変更します。私の場合はそのセッションに制限時間を設けます。その後能力バランスを見て、ギリギリの達成できそうな的当て回数を設置します。
面白いほどに「ゴールの決定率」に変化が表れます。
理由は「ゴール四隅の的に当てること」が目的に変換されるからです。選手は無意識に「的に当てるためには姿勢、力加減、体の向きをどのように調整すればよいのか」を考えます。「ゴールを決めること」は中間目的になるのです。
この制約のもと、シュート練習を継続すると試合中のシュートの場面では無意識の内に体に記憶されたさじ加減でシュートを打ってしまいます(打ってしまうと表現したのはそのアクションが無意識下であることを表現するためです)。結果的に四隅にシュートを打つ回数が増えてチームとしての決定率が上がります。
まとめ
今回はシュート練習を題材に目的の変換が及ぼす絶大な影響についてお伝えしました。
システムのダイナミクスにポジティブな変化を起こすことを狙いにトレーニングを設計するときには「ゴール設定」すなわち「目的の設定」はトレーニングの効果に絶大な影響を及ぼします。
自分は、その点まだまだ効果的なゴール設定を考えられるようにはなっていません。今後もたくさんのインプットをとアウトプット(発信と実践)を繰り返して日々精進して行こうと思います
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