第49話「ニュージーランド永住権取得」
1999年5月から7月にかけてニュージーランド永住権の申請書類を揃えた。
9年前にメルボルン留学の時にもお世話になった杉並区の病院で、英文の健康診断書を取り、結核やエイズでない証明を得た。それから、両親にお願いしsettlement fund (移住資金)pointを得る為に700万円の残高証明書を取得すると同時に、東京駅八重洲口にあるANZ銀行の東京支店で、現地銀行口座を開設した。
学歴証明書は、小学校から必要で、中学、高校、専門学校、大学院から英文卒業証明書を取り寄せたが、小中学校は英文の卒業証明書自体がないと言われた。仕方ないので、プロの翻訳家に翻訳してもらった。又、カツヒロが申請した永住ビザは専門・技術分野の為、大学での専攻と職務分野が一致する必要があり、東急観光の入社書類や職務範囲についても翻訳をしてもらった。
一番時間がかかったのが、過去10年以内に移住した国の無犯罪証明書で、イギリス大使館経由で取り寄せするのに1.5か月ほど時間を要した。一方、日本の無犯罪証明書は千葉県民の場合は幕張免許センターで作ってもらえる。指10本全部の指紋を採取された時に、右手の親指が薬品で荒れていたため上手く映らない。5月に実家の田植えを手伝った際に、農薬をたくさん扱ったためで仕方なかったのだが、そのせいで再度、指紋採取の為に幕張に出向いた。
7月第一週には全ての必要書類は揃った。
よっし、EMS (Express Mail Service,国際スピード郵便)で明日、香港のニュージーランド大使館に送ろう。
1999年当時はアジア地域からの永住権申請は全て香港のニュージーランド大使館が窓口だったが、その後、北京に変更になった。
※実際に香港のニュージーランド大使館から届いた手紙
その結果、なんと2週間で永住ビザの許可がおりた。
「やった~。こんなに早く取れるとは思わなかった。」カツヒロは大使館からのレターを見た瞬間、飛び上がりたく成る程、嬉しかった。
・・・。
さて、テレフォン・コミュニケーターの仕事は辞めないといけないな。ヴァージンアトランティック航空の不合格が確定した後、何か英語を使った仕事をしようと日本テレコムのコールセンターでバイリンガル・コミュニケーター職に合格した。
時給が1,650円で、夜勤を担当する場合は手当が付く。6月1日から契約社員という形で週5日、30~40時間のシフトワークで働いていた。交通費も全額支給されるから、かなり実入りの多い仕事だった。
日本テレコムは今は存在しない会社だが、当日はNTT、KDDIと並んで大手通信会社の一角を担い、後にソフトバンクに買収された。カツヒロの仕事はコールセンターの受電と言われる、利用者からの電話を受けて必要な手続きをする窓口だが、対象相手は日本在住の外国人。
彼らは日本語だとコミュニケーションが取れないので、英語やマンダリン、ポルトガル語などの専用ラインが設置されていて、カツヒロはその英語部門に所属した。英語対応という事だったので外資系エアライン就職対策にもなるし、時給も高い。
折角、覚えたばかりの仕事だが、8月末で退職願いを申し出た。部門リーダーからは、「たった3か月で辞められたらこちらも困るのだけど」と少し嫌な顔をされたが、もともと3か月契約でその後は本人と会社が同意すれば契約の延長をするルールだったから契約違反ではない。
それと、麹町にあるプロの通訳養成学校ISSも8月末で卒業した。この学校はスカイビジネススクールを辞めた後、約3か月間通学した。毎回2時間の授業で経済、金融、環境問題、国際会議などのテーマで英日(英語を日本語へ)と日英(日本語を英語へ)の両方を行う。
プロの通訳になるには、専門知識も必要で、宿題もたくさん出された。カツヒロと一緒に通訳準備科からスタートした仲間はその後、プロの通訳として外資系企業の役員秘書になったり、自治体の窓口で外国人担当をしたり、海外に移住や国際結婚をしたりと皆んな素晴らしい活躍をされていた。
カツヒロも、海外移住を果たし目標であったら外資系エアラインでフライトアテンダントになるのだが、ISS在学中にかなりハードな英語トレーニングを受けたおかげで自分自身の英語力にも自信を持てるようになった。
そして、1999年9月にニュージーランド最大都市、オークランドへと飛び立った。
※第1章 終了。 明日から第2章がスタートします。
つづく。
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