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第60話「楽しい新人CAの仲間たち」

トレーニング3日目。

大分、クラスの雰囲気が柔らかくなって来った。

お調子者のキャシーが突然「テレトビー!(イギリスの幼児向け番組のキャラクター:日本で言うところの“お母さんといっしょ”のような番組)」と叫び、軽くジャンプすると、

「Don't do it again!(やっちゃダメよ)」

とアメリアが言い、クラスは爆笑しました。

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すると今度はレイチェルが「ラーラー(これもテリートビーのキャラクター)」と叫び、

ジェーンが「No,more teletubbies!(もう、テレトビーはおしまい) I like them.(私好きだわ)」

と笑いを誘い、皆、リラックス出来ました。

テレトビー

※テレトビーズ(イギリスの幼児番組)

カツヒロはようやく全員の名前と顏が一致するようになり、積極的に同期メンバーに話しかけるようになっていた。

同じ日本人同士と言うことで、美紀子とは時々、日本語で会話する事もあったが、それはあくまでクラスの外で話をする時で、教室内では一切日本語は話さなかった。

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教室にインストラクターのミッシェルが入って来た。全員が席に戻り彼女の第一声を待つ。

「おはよう。今日は良いニュースがあります。」

「え~。なんだろう?」

教室内がそわそわしている中、彼女が続けた。

「今日の午後は、テストが終わった後に、ユニホームセンターに行きます。」

「やったー、嬉しい。あの制服に袖を通せるのね。」

おのおのが、笑顔になり制服姿の自分自身を想像した。

「そうですよ。楽しみですよね。今回はサイズ合せで着用します。」

「男性はジャケットとズボンが2枚、Yシャツが6枚、ベルトが2、レインコートが1枚です。女性は帽子とレインコートがそれぞれ1つずつ、スカーフ2枚、スカート黒のショート2、ワンピース2、白のブラウス2、ジャケット2、支給されます。」

「だから、皆、今日のB767機内レイアウト試験、頑張ってちょうだいね。」

ミッシェルは必要事項を伝え終わると、ウィンクをした。

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午前中はドリンクカートのセッテイングを習った。エコノミークラスで搭載しているドリンクや道具類を、実物のモックアップを使ってセットアップした。

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※アリタリア航空さんのドリンクサービスを引用

①白ワイン(シャルドネとソビニヨンブラン)2種類+キウイフルーツワイン(日本便のみ)、②赤ワイン(カルベネ・ソビニヨン、メルロー、ピノノワール、シラーズなど)2-3種類、③リカー類(ジン、ラム、ウォッカ、ウイスキー、バーボン、ブランデー)6種類。

④ガニッシュと呼ばれる付き合わせでスライスレモンとセロリステック、⑤乗客の好みに合わせて混ぜる隠し味として、タバスコとブラウンソース、⑥お水。

⑦オレンジ、りんご、トマトジュース、⑧スパークリングワイン、⑨氷とバケツ+トング、⑩プラスチックカップ

これら10種類のアイテムがカート上の決められた位置にセットされる。最初はお酒の名前を覚えるだけでも大変だけど、実際に手を動かしてセットしてみると少しずつ慣れて来た。

60.ドリンクカート

次にカートの引き出し。引き出しには、コーラ、スプライト、ジンジャーエール、トニック水ほかのソフトドリンク、ビール、予備のリカー、予備のワインなどがそれぞれの引き出しに収められている。

「へー、ドリンクカートって、見た目はコンパクトだけど、中身はぎっしりだね。」

とアンディが興味深そうに言いました。

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ドリンクカートは聞いたところによると重さが80~100Kgになるとの事。飛行機が水平飛行になる前に斜めのままで押したり、引張たりすると腰痛を起こす原因になるから、やらない事。

それと同時に、一人で引っ張らずに2人で扱うようにと指導された。

よくFAの職業病として、腰痛の事がいられていますが、この重いカートを扱う事も腰痛を引き越す原因だとカツヒロは思った。

「ワインはぶどうの名前も大事だけど、搭載しているメーカーやワイナリーも覚えるとなると、大変だよね。」

とスーザンがつぶやく。隣にいたサラが

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「そうだね、あとはカクテルも、種類が多いから、名前と混ぜるお酒の種類や分量も覚えないとね。」

と、返答した。

皆、覚える量の多さに、あきらめのような感情を抱いていが、同時にこの仕事へのリスペクトとやりがいも感じ始めていた。


つづく。

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