誰も教えてくれない「ステロイドの休薬期間」と「クルーズサイクル」について
はじめに
アナボリックステロイドの使い方やケア剤、PCTなどについては、色々な情報を発信している方がいると思います。
しかし、その後の休薬期間について詳しく言及しているケースは殆どありません。今回は意外と見落としがちな、正しい休薬期間の取り方について話をしたいと思います。休薬期間の重要性と、あえて休薬期間を取らないクルーズサイクルについて説明します。
なぜ休薬期間が必要なのか
主に2つの理由があります。
1つ目はアナボリックステロイドでダメージを受けた体を回復させるためです。肝臓、コレステロール、血圧などの各数字はPCT1ヶ月+休薬1ヶ月程度で、正常値の80〜90%まで回復すると言われています。
また、男性ホルモンの自己生成力については、PCT1ヶ月経過時点では50〜70%、その後の休薬2ヶ月で80〜90%まで回復します。男性ホルモンの生成力は、PCT期間中に完全回復すると思っている方が多いと思いますが、実際には休薬期間で少しずつ回復させる必要があります。
2つ目はステロイドの効果を高めるためです。ステロイドを何ヶ月も使用していると、体内のアンドロゲン受容体というものが飽和して、ステロイドの効果が減少していきます。これを休薬期間で回復させれば、次回のサイクル時に再び強い効果を得ることができます。
どれくらいの休薬期間が必要?
必要な休薬期間ですが、教科書的な答えとしてはオンサイクルと同じくらいになります。例えばオンサイクルが3ヶ月なら休薬も3ヶ月です。
これにPCT1ヶ月も含まれるので、1年で2回ほどサイクルを回せるということになります。
個人差も大きいですが、実際は2ヶ月ほどの休薬で十分な場合が多いです。血液検査で内蔵の各数字や遊離テストステロンがどこまで回復しているかを検査すると良いです。
あえて休薬を取らない「クルーズサイクル」
休薬はとても大事ですが、あえてそれを行わないクルーズサイクルと言うものがあります。
具体的には、休薬期間に週200mg前後の少量のテストステロンエナンセートを接種し、体内のテストステロンがやや高い状態を維持し、筋肉を維持したまま次のサイクルへ進みます。
この量はTRT(テストステロン補充療法)と同程度で、オンサイクル中の過剰な量と比べれば少ないため、比較的副作用が発症しづらい量です。またアンドロゲン受容体も、完全な休薬ほどではないですが回復します。
一方、テストステロンを外部から接種し続けてしまうため、体内のテストステロンの自己生成が回復することはなく、悪化の一途をたどります。
一生TRTの覚悟があるならアリですが、そうでない場合はクルーズはおすすめしません。もしくは「大事な大会に合わせて1回だけ」などのように、限定的に行うのがいいと思います。
またクルーズサイクルとは違いますが、テストステロンの自己生成に悪影響を与えづらいオスタリンやリガンドロールなどのSARMsを使用して、休薬期間中の筋肉低下を防ぐ方法もあります。
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