【vol.5】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
ウユニ塩湖まで上から行くか、下から行くか。
ペルー観光も一通り終わり、vol.5にしていよいよウユニ塩湖のあるボリビアに向かいます。
ペルーからボリビアに向かう手段は様々あり、飛行機で行けば時間は短縮できますが片道約5万円と思いのほか高額...。
復路は時間の都合上飛行機に乗ることが確定していたため、往復10万円ともなるとお財布がしんどい。
かと言って夜行バスで移動すると費用は大分抑えられるものの、バス乗車時間は合計24時間ほど(笑)
またクスコからウユニまで直通のバスはなく、一旦クスコからボリビアの首都ラパスまで向かい、ラパスからウユニ行きのバスに再度乗り換えるそう。
全てバスで行くと二日間連続夜行バスという超絶過酷コースになります。(笑)
ここまでも十分ハードな旅程だったため、二日連続夜行バスに耐えられる自信は到底ありませんでした。
そのため間をとり、クスコからラパスまでは夜行バス、ラパスからウユニまでは飛行機にしました。
こうすれば諸々含め2万円ほどで行けたので、交通費の半分ほど節約できました。
ついでにラパスにも立ち寄れるし、一石二鳥や~。(この時はまだラパスの過酷さを知らなかったのです...)
ペルーにて最後の晩餐
時は遡りクスコでの最後の晩餐。
レインボーマウンテンツアーから帰ってきてヘトヘトの私はアルマス広場の「Inka Grill」というレストランに入ります。
立地も良く店構えもボーイさんが立っていて少し高級そうな雰囲気でしたが、悩んでいる体力もなく思い切って入店。
リゾットのようなものを食べたのですが、これまたオシャレでおいしい。
ペルーに来てから口に合わなかった食べ物はなく、案外ペルーって日本人が観光しやすい国ではと思ったり。
店員さんが弾いてくれた生演奏も素敵で、まるでディズニーランドのレストランに入ったような優雅さを感じました。
とりあえずクスコの食事処で迷ったら「Inka Grill」かスターバックスをおススメします。
地球の裏側で乗る夜行バス
ペルーの夜行バス情報をネットで調べると「盗難」「詐欺」など、何だか物騒な単語が出てきて不安になります。(笑)
結論から言うと、私は危険な目に合うことはなく無事ボリビアに渡ることができました。
キチンと注意さえしていれば、女性1人でも夜行バスに乗れるかと思います。
バスのチケットはレインボーマウンテンツアーを予約した際に一緒に予約をしました。
料金は3000円くらいで、窓口で購入する金額とそこまで大差ないのではと思います。
バス乗り場は少し外れの方にあるのでUBERで。
ペルーはUBER社会のため、簡単に車が見つかります。
夜に女一人で乗っていいのかと聞かれると...困りますが(笑)、なるべく評価が良くて女性の運転手の方を狙うと安全だと思います。
今回は何事もなく送り届けていただいたので、キチンとチップも渡しました。(代金含めチップもアプリ内で送金でき、とても便利です)
時刻は22:00。バスに乗り込みいよいよ出発。
ペルーの夜行バスの快適さなんて正直全く期待しておらず、おんぼろバスを覚悟していました。
しかし座席に座ってみると、シートはふかふか、リクライニングもほぼ180度可能。
え、めちゃくちゃ快適じゃん。
なんなら日本の夜行バスよりか快適かもしれません。
バス内で盗難に合ったというネット記事を読んでいたので貴重品は服の下に隠し厳戒態勢で乗車したのですが、係の人が気を使ってくれたり、前の席のおじちゃんがリクライニングの仕方を教えてくれたり、思っていたより怖くない、むしろ暖かい雰囲気に安心しました。
これなら安心だ~とバスの揺れに身を任せ、すやすやと眠りにつくのでした。
翌朝7:00。快適な夜行バスの旅は突如終わりを告げ、国境付近の街プーノに到着です。
突然バスが停車し乗客がぞろぞろ出ていったのですが、どうやらここで別のバスに乗り換えるようです。
地元の人しかいないような小さいバスターミナルで、聞こえる言葉も書いてある言葉も全部スペイン語。
受付で目的地である「ラパス」を連呼したら、とりあえずチケットをもらいました。
情報は何も理解できないけれど、何とかしてくれようとする雰囲気は感じ頭が下がります...。
ちょっとしたお土産屋さんを見たり
バスターミナルの外はザ・ローカルな雰囲気。
最初は少しビビりましたが、南米の普通の街並みはこんな感じだと思います。
国境越えちゃった
1時間ほど時間を潰し、8:00にバスターミナルを出発。
いよいよボリビアの国境に向かいます。
ペルーとボリビアは通貨が違うので、途中換金所に立ち寄ったりもします。
この換金所のレートが良いか分からないので(多分バス会社と提携している所なのでレートは悪いと予想)、余ったペルーのお金をボリビアの通貨に交換し、残りはボリビアで換金することに。
そういった細々とした説明はガイドさんが教えてくれるのですが、この人が本当にスペイン語しか喋らない!涙
「ウノ!」と何度も言われ、何だよウノって...と思ったら「1」をウノというんですね。
そういえばカードゲームの「UNO」も手持ち札が残り1枚になったら「ウノ!」って言いますもんね。
知らない間にスペイン語を叫んでいたんだなぁ。
それにしても1くらい「ワン」で頼むよ~と思ったり。
10:00ごろ国境に到着。
ここでイミグレーションを行います。
こちらも説明はよくわからなかったのですが、列に並びパスポートにハンコを押してもらうのみで終了。
あっけなくボリビア入り完了しました。
そんな私でも唯一分かるスペイン語「バーノ」
トイレの意味です。
このような掘っ立て小屋のトイレが多く、日本人女子にはちょっと厳しい。(笑)
そういえばこの移動中一回もバーノに行かなかったような...。
ボリビアへは「チチカカ湖」を横断します。
現地の方と一緒の乗り物に乗ると、旅をしている実感が湧きますよね。
あっという間に到着しました。
昨夜からバスに乗りっぱなしだったので、いい気分転換になりました。
のんびりしていて良い雰囲気。
バックパッカーだったら田舎に1泊、というのも楽しいかもしれません。
バスが湖を渡ってくるまで暫しの休憩。
何せ言葉が分からないので、バスを見逃さないようビクビクしながら。(笑)
あともしこのバスに乗る方がいたら、空き時間に昼食を適当に買わないと夜まで何も食べれませんのでご注意を...。
私のように気の抜けたインカコーラで夜まで空腹を紛らわすのはなかなかの苦行です。
”サステナブル”なんて言っちゃうけどさぁ
バスは最終目的地のラパスへ再び向かい始めました。
窓の外には美しい自然が広がっており、見ていて飽きません。
することも特にないため、窓の外をぼんやり眺めます。
私の隣には地元の方っぽい家族が座っており、買ってきたお弁当を食べていました。
すると私の隣に座っていたおじいちゃんが、お弁当のゴミを窓の外に投げ捨てたのです。
驚いて窓の外を二度見しましたが、ゴミはもう草むらの中へ...。
「え!?窓の外に思いっきりポイ捨てしたけど!?大丈夫??」と思い、家族の様子を見守っていましたが、このおじいちゃんを咎める人は誰もおらず、皆平然としています。
バスの窓からゴミをポイ捨てするなんて、日本だったらどうなるか...。
家族からはもちろん怒られるだろうし、後ろの車に当たりでもしたら警察沙汰になってしまうかも。
しかも子供ではなく、物事の良し悪しが分かる大人がやっている...。
自分が正しいと思っていることは曖昧でぐらついた物なんだと頭を打ち付けられたような気持ちになりました。
日本ではメディアやインフルエンサーによって「サステナブル」が叫ばれ、ゴミの分別はもちろん、環境に配慮した行動を意識する人が多いです。(もちろん日本にもポイ捨てをする人はいますが)
しかし世界全体で見ると、ポイ捨てはダメなことだと思っている人ばかりではないのかもしれません。
ペットボトルをリサイクルすることはもちろん大事。
でも、同時にペットボトルを海に投げ捨てても何も感じない価値観の人もいる。
"サステナブル"なんて言っちゃうけどさぁ。
良い空気を吸うにも金がかかる街、ラパス
16:00最終目的地であるラパスに到着。
バスターミナルで降ろされるはずが、よく分からない道端で降ろされ早速パニック。
一緒に乗車していたカップル(スペイン語オンリー)に身振り手振りでバスターミナルに行きたいことを伝え、連れていってもらいました。
クスコを発ってからというものの、まったく英語が通じません。
バスターミナルではSIMカードを入手しました。
ペルーのSIMカードはボリビアでは使用することができません。
ネットがないとホテルの場所も確認することができないため、SIMカードは生命線です。
街に人がおらず、店も開いていない...。
まだ明るいのに歩いていてこんなにヤバそうな街ははじめて、完全にビビってしまいました。
ラパスはボウルのような形をした都市で、ボウルの底である酸素濃度が濃い地域はお金持ちが住んでいるエリアで、ボウルの斜面を上がるに従い酸素濃度が薄くなり、貧しい人が住むエリアになります。
貧しい人は充分な酸素も吸えない街、それがラパス...。人生で初めて「平地に生まれてよかった」と思いました。
やっぱりオンリースパニッシュ
ラパスでの宿選びは、バスターミナルから近く、評判の良いホテルに絞って検索。
「Hostal Bellavista Inn」に宿泊をしました。
予約時の写真では、綺麗そうなホテルに見えました。
...が、実際のホテルは大分古めのホテル。
今回は旅費を節約するため、共用バスルームの部屋を2000円ほどで予約しました。
部屋の中は古くもまぁ許容範囲レベル。
しかし、共用シャワーとトイレが自分の許容範囲を超える古さと汚さで...。
世界各国様々なホステルに宿泊してきた私ですが、さすがにここで夜を明かすのはしんどいと判断。
このホテルで一番良い部屋に変更してくれないか交渉に行き、+1000円で部屋の中にトイレシャワーがついている部屋にランクアップしてもらえました。
ここまで簡単に書きましたが、なんとホテルの人も英語が通じず、翻訳アプリを使ってやりとりをしました。
ホテルで英語が通じなかったのは初めてかもしれません(笑)
ホテルの人は親切に対応してくださったので有難いのですが、ここまで英語が通じないと日本人には厳しいですね。
私はバスターミナル近くのホテルに宿泊したのですが、諸々心配な方はバリビアン通り周辺にある4~5つ星ホテルに宿泊することをおススメします。
とはいえそのランクのホテルは1万円~の価格帯。
バックパッカー旅にはちょっとキツいですが、旅の安心はお金で買うものです。
死を感じた宿泊体験
両替なども済ませ、部屋に戻ってきた私。
長旅の疲れを癒そうとベットでゴロゴロしていたところ。
ドンドンドンドン!!!!!!!!!
鍵が壊れるんじゃないかというくらい、もの凄い勢いでドアをノック、いやぶっ叩かれます。
最初はホテルの人かと思ったのですが、さっきまで受付で優しく対応してくれたお兄ちゃんがこんなに激しくドアを叩くはずがない。(多分)
もちろんドア窓などはなく、誰が叩いているのかは分かりません。
無視すればいなくなるだろう...と思っていたのですが、15分くらいこのノックは続きました。
ここであちこち放浪してきた旅人の勘が告げます「ドアを開けたら死ぬ」と...。(笑)
一人南米まで来てあやしいホテルで物騒な目に合う....。
こんなにも心細く、日本が恋しくなったことはありません。
しかし、ここはボリビア。言葉も分からなければ、誰も助けに来てくれません。
私はネットフリックスでダウンロードしてきた「SHIROBAKO」を見ながら、暖房の効かない寒い部屋で眠気が来るまでやり過ごすのでした。
その他のお話
【vol.1】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.2】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.3】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.4】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.6】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.7】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。