【vol.3】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
マチュピチュの朝は早い。
外はまだ真っ暗のマチュピチュ村。
それもそのはず、まだ時刻は早朝4時です。
頭が働かないまま朝ごはんを食べに行くと、おいしい朝食のラインナップに似つかわしくない正体不明の葉っぱが...。
これが南米名物、噂のコカの葉です。
コカの葉は高山病予防に効果があり、コカの葉を乾燥させたコカ茶が南米ではポピュラーな飲み物とのこと。
コカ茶の存在は知っていたのですが、素のコカの葉がカゴにこんもり盛られているのはさすがにビビってしまう訳で...(笑)
普段「飲む、打つ、買う」には手を出さない、極めて小心者な私。
ここは無難にコーヒーをチョイス。(コカインとコカ茶は別物らしいので、飲んでも捕まったりすることはないそうです...。地球の歩き方にもコカ茶を飲んだ方が良いと書いてあったので多分大丈夫)
滞在中、素のコカの葉を食すことはありませんでしたが、勇気がある方はぜひお試しください。
選ばれし者が往くデスロード
マチュピチュのチケットは事前予約制のため、日本で購入をしました。
せっかく行くならばご来光をということで、気合の6:00入場チケットを購入。
絶対ご来光を見るんだと、私の中のご来光魂(もったいない精神)がメラメラと燃えていました。
さて、村からマチュピチュまではバスで向かいます。
早朝で空いていると思いきや、バス乗り場は大混雑。
人種のるつぼとはまさにこのこと、カラフルな登山着にリュックを背負った多種多様な人たちが気だるそうにバスを待っていました。
外国人もご来光が好きなんでしょうか。
なんとかバスに乗り込み一安心と思いきや、マチュピチュまでの山道が結構キツい。
箱根の山道で車酔いをする私にとって、マチュピチュの山道はなかなかの苦行でした。
乗車時間は30分もないですが、酔いやすい方は覚悟が必要です。
地球の歩き方には、このぐねぐね曲がる山道を片道2時間かけて(!)徒歩で向かうコースも紹介されていました。
これから待ちに待ったマチュピチュを見るというのに、2時間も歩いてこんな山道を歩くなんて、貧弱アジア人の私からしてみれば、とても正気の沙汰とは思えません。(笑)
しかし、都市伝説だと思っていたマチュピチュ登山客ぼちぼちおりました。
まだ朝6時だよ...。すごい、すごすぎる...。
こういった強靭な肉体を持つ外国人を見ると、一生かかっても勝てっこないなぁと思います。(何で勝負しているんだ)
いざ、ご来光...
なんとか6:00すぎにマチュピチュに到着。
バスに乗る前は薄暗かったのですが、段々日が昇り...。
はい。ご覧の通りです(笑)
曇りどころか、霧が濃すぎてマチュピチュすら見えない。
こんなところで記念撮影しているのは、極貧アジア人の私だけです。
こちとら、はるばる極東の島国ジャポンから来てんだオラァ...!
このままマチュピチュを見ずには、絶対に帰れません。
(後で分かったこと。マチュピチュは山の中にあるため、朝は高確率で霧が発生するそう。ご注意ください。)
今はまだ朝の6時。時間だけはたっぷりあります。(笑)
霧が晴れるまで時間を潰そうと、急遽手軽なハイキングコース「太陽の門」を登ることにしました。
(入場料とは別に登山料を払って登る山もありますが、結構しんどいようで登りませんでした。太陽の門はマチュピチュの敷地内にあり、入場料のみで登ることができます。)
マチュピチュ登山は人生に通ず
太陽の門頂上まで2時間弱の道のり。
ずっとこんな道が続きます。
途中の景色です。(景色と呼べるのだろうか)
どうしようもないくらい真っ白。
石が積みあがったところが太陽の門、いよいよ頂上に到着しました。
しかし、ご覧の通り霧は晴れません。
こんな真っ白な写真を撮りに頂上まで登ったわけではないので、霧が晴れるまで粘ります。(笑)
しかし、ここからがとっても長かった...。
気まぐれで青空が一瞬見えたかと思うと、風が吹いて再び真っ白に。
太陽の光は感じるものの、肝心の霧が一向に晴れない。
そんな状況が3時間続きました。
しかし突然、視界を覆っていた霧が流れ始めました。
霧の割れ目からゆっくりと姿を現した深緑の山々は、神々しささえ感じるほど。
けれどもこの状況は長くは続かず、あっという間に眼前は霧に覆われてしまいました。
3時間粘ったうち、視界が晴れたのは1分程度。
待っている時間は非常に長く感じられましたが、この時間があったからこそ、霧が晴れた1分間の光景が今でも輝きを放ち続けているのです。
普段は前が見えないような日常でも、神様の気まぐれで現れる一瞬の輝きの為に人間は生きているのかな。
そう思ったら、先が見えなくても「まぁ気長に待ってみるか」と思えるようになりました。
相変わらず山道の視界は悪いけれど、帰路に就く私の心は晴れやかでした。
遺跡よりアルパカ
下山をしたら麓の霧は晴れていました。
時間がかかった山登り(頂上で待っていた時間も含めると6時間ほど)ですが、その間に麓の霧は収まっていたので結果オーライです。
そしてついに。
マチュピチュ現る....!
遠くまで延々と続く山々の中に、何かの間違いのように遺跡がぽつんとあって。
遺跡自体よりも、周りの景色も含めた雄大な自然が私のなかでは印象に残っています。
文明が発展した現代でも、四方を山に囲まれた僻地に建物を作ることはさぞかし辛い労働だと思います。
あぁ、21世紀に生まれてよかった。
こんな大きい岩をどうやって切り取って運んだのだろう...。
しかし、私は遺跡や岩々よりも心を打たれたものがあります。
それは、マチュピチュに生えている草を貪り食うアルパカです。
広大な景色の中、アルパカがのっそりのっそり歩いている姿は、まるでインカ帝国の中を歩いているかのよう。
遺跡よりも、アルパカ(と中国人)を見ている時間の方が長かったかもしれません。
遺跡の価値が分かっていない浅はかな日本人でお恥ずかしい限りなのですが、マチュピチュのアルパカ、一見の価値があると思います。
マチュピチュで最後の晩餐
マチュピチュ村に戻って、最後のお昼ご飯。
どこにしようかな~と目抜き通りを歩いていると、綺麗そうなペルー料理のお店を発見。
そういえばまだペルー料理を食していなかったので、物は試しにと入店。
一人だから適当でいいやと思っていたのですが、なんだか景色の良い席をセッティングしてくれました。
マチュピチュリバービューですね。
解放感があってとても素敵なのですが、この川がまたすごい勢いで流れる濁流で。
カップルで来たら大声を出さないと、お互いの会話が聞こえないだろうなぁと思いました。
まぁ、杞憂なんですけどね。
この写真ですか?もちろん店員さんが撮影してくれました。
残念ながら何を食べたのか覚えていないのですが、おススメを注文したら肉!!!という感じの料理が出てきました。
見慣れない料理ですが、食べてみると何だか馴染みのある味。
ペルー料理は総じてそんな印象でした。
そして何より、美味しい。
日本人の舌に合う味付けだと思います。
店員さんからサービスで「ピスコサワー」というペルーのお酒をいただきました!
爽やかなレモン風味で、とってもおいしかった。
しかし、頼んでもいないのにお酒が出てきてしまうのは少々困りもので(笑)
そこまでお酒に強くない私は良い感じに酔っ払い、帰路は気絶したように終始爆睡。
往路は長旅だと思っていたのですが、復路は秒でクスコに到着していました。
ここは地球の裏側南米。生きて帰れて良かった...。
その他のお話
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【vol.2】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.4】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.5】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.6】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.7】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。