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【vol.1】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。

どこへだって自由に行けた2019年3月。
私は新卒で入社した会社を辞め、ボリビアのウユニ塩湖へ一人旅に行きました。
いつかは行きたいと思いつつも、移動時間に24時間以上かかるし、公用語はスペイン語のため英語は通じないし、高山病にかかる可能性もあるし、そもそも女一人旅は危ないかもしれない...。
ウユニ塩湖までの道のりはとにかく不安でいっぱいで、出発日が近づくにつれ、「生きて帰ってこれるのかな」と憂鬱になったり。
じゃあ何でわざわざウユニ塩湖に行くの?

ウユニ塩湖に「行く」こと

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ウユニ塩湖に行きたい理由なんて、鏡張りの絶景に自分も立ってみたいからに多くは集約されるのではないでしょうか。
もちろん私もそのひとり。

しかし私はどこにでもいる普通のOLで、語学力もなければ、特別お金持ちでもない。
いつか行ってみたいと思うだけで、なかなか実行に移せませんでした。

そんなモヤモヤを抱えていたときに、「さがしもの」という角田光代さんの小説文中の
「できごとよりも考えのほうが何倍もこわい」
という言葉と出会います。

実際に怖いな、嫌だなと思った出来事でも、いざ終わってみればそうでもなかったかも、なんてことありませんか。
人生の多くはそんな「心配だったけど、終わってみれば大したことない」出来事の繰り返し。

ウユニ塩湖に行くことは、夢でもあると同時に不安もたくさんありました。
しかしこの言葉に後押しされ、とりあえず行けばなんとかなるか。と前向きな気持ちになったのです。

行きたいと「思うこと」と、実際に「行くこと」の差はあまりにも大きく、大半の「行きたい」は「思うこと」だけで終わってしまう。
だったら私はいっちょ、ウユニ塩湖へ「行くこと」を選んでみたかったのです。

なんだか偉そうに語っていますが、ただ心配性でネガティブなだけ。
そんな私でもウユニ塩湖に行くことができたので「えいや!」と思えばきっとだれでも行くことができます。

GO TO 南米大陸 ~準備編~

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行くと決めたら、あとは準備するだけ!
今回の旅は前職を退職し、次の職場での勤務が始まるまでの10日間とタイムリミットがありました。
長い移動時間が必要な南米旅行には少しコンパクトな日程です。
しかしせっかくなので、ウユニ塩湖のあるボリビア以外にもマチュピチュなどがあるペルーにも足を延ばすことにしました。

南米旅行最初の関門はアクセスの悪さ。
日本からペルーへの直行便は出ていないので、今回はアメリカのヒューストンを経由して南米に入ります。
覚悟はしていましたが最終目的地であるペルーのクスコまで乗り継ぎ2回、片道28時間、ペルーのリマ空港泊、女一人。
早速不安が尽きません。
が、ここでひるんでは先に進めません。
「え~い!なるようになれ!!」と池袋のカフェで半ばヤケクソ気味に、航空券を購入し、不安とは裏腹にあっけなく購入手続きが完了。
成田~ペルー間往復航空券の運賃は23万円、人生で一番高い買い物でした。

昨今の便利な時代、行先と個人情報を入力するだけで航空券って驚くほどあっけなく手に入るんですよね。
このたった30分ほどで南米行きの「夢のチケット」が池袋のカフェで手配できる。
予約完了メールに記載されたアルファベット表記の自分の名前を見るだけで、緊張からかじんわりと手が汗ばんできました。

この勢いのまま、次はホテルも予約。
と言っても今回は貧乏旅行のため、ホテルではなく、ドミトリータイプの安宿を中心に手配をしました。
南米のドミトリーが安全なのか不安ではありましたが、しきりにカーテンがついていて(最重要事項)、日本人の口コミがある場所を探します。
世界有数の観光地なだけあって宿泊施設はたくさんあり、こちらも思っていたよりも問題なく予約完了。
現実味のないスピード感でどんどん南米旅が近づいてきます。

GO TO 南米大陸 ~アメリカヒューストンへ~

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慌ただしく毎日が過ぎ、気が付けば出発日当日。
出来るだけ旅の日程を確保するため、仕事を辞めた翌日に出発するというハードスケジュールを自分で組んでしまいました。
昨日まではオフィスのイスに座ってパソコンを睨みつけていたのに、これから地球の裏側へ旅発つなんて...全く実感が湧きません。

成田空港の清潔なトイレに泣く泣く分かれを告げ、まずはアメリカのヒューストンまで向かいます。
チケットをとるまでヒューストンがアメリカのどこにあるのかも分からない状態でしたが、調べてみたところアメリカの一番下、メキシコ近くに位置していました。
フライト時間は12時間と長距離フライトでしたが、前日まで働いていた疲労のためからか終始爆睡。あっという間にアメリカに到着しました。

ヒューストンへ向かう乗客はアメリカ人だらけ、日本人はほとんどいません。
トランジットのみの短い滞在だったこともあり、余裕をかまして下調べをしておらず...。
周りの雰囲気にのまれやすい私は今更ですが、ちゃんと乗り継ぎが出来るか不安になってきました。

入国審査官「最終目的地はどこ?」
私「ペルーのクスコです」
入国審査官「ペルー?何で?スペイン語喋れるの?」
私「I can't speak Spanish!!!!!!」

日本人女性がひとりでペルーに行くことが不思議だったのかもしれません。
そうですよね、周りみんなアメリカ人だもん。
「スペイン語を話せるのか?」なんてちょっと不安な質問をされますが、のちにこの言葉の意味をよくよく思い知ることになります...。

それにしても空港がめちゃくちゃ混んでいる。
余裕を持って乗り継ぎ時間を3時間ほど確保していたのですが、入国審査に並び、手荷物検査に並び...気がつけば次の飛行機の出発時間が迫ってきました。
出発20分前になっても列はなかなか進まず、かといって英語が得意ではないのでこの状況を誰かに伝えることもできません。
南米大陸に上陸する前から心が折れそうになりますが、ふと前を見ると目的地である「LIMA」と書かれたボードを持っている係員の方を発見。
出発時刻間近にも関わらず、まだゲートすら通れないドンくさい観光客を見つけるために、迎えにきてくれたのだと思います。
その方に自分のチケットを見せたところ、優先的にゲートを通してくれて事なきを得ました。
最初から係員の人にチケットを見せ、自分がヤバい状況にあることを言葉以外で伝えればよかったんですね。
こんな状況に二度と陥りたくないですが、一つ賢くなれました。アメリカのトランジット恐るべし。

それからは係員の方に連れられ、空港内を走るカートで搭乗口まで爆速で向かいます。
今までこういった空港内を走るカートの存在意義が分からなかったのですが、遅刻しそうな乗客を運ぶためのものでもあったのですね...。
空港内は広すぎて、自分の足で向かっていたら確実に間に合っていませんでした。

「一人旅って大変じゃない?」とよく言われます。
見ての通り、めちゃくちゃ大変です。
しかし、自分の日常生活圏内では出会わない困難を乗り越えることに、普段得難い達成感や喜びを感じます。
あれ?私マゾッ気があるんでしょうか。
ペルーへ向かう飛行機の中で、このドキドキを思い出し、にんまりしてしまう自分がいます。
こうして私はまた、一人旅の沼へずぶずぶとハマってしまうのです。

GO TO 南米大陸 ~ペルーリマへ~

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アメリカからペルーは隣国ではあるものの6時間ほどかかり、ここまで総移動時間20時間ほど。
ヘトヘトで南米に到着し、安堵したのも束の間。ここで自分的プチミッションがありました。
それは「空港で一夜を明かすこと」。

私はこれまで世界各国の空港で一夜を明かしてきましたが、南米での空港泊はもちろん初めて。
リマに到着したのは夜中の23時で、出発は翌朝の5時。
寝るには短く、ぼーっとするには長い、なんとも絶妙な時間です。

リマはペルーの首都なので、空港は大きく思ったより「ちゃんとしている感」がありました。
深夜なのでお店はあまり開いていませんでしたが、みんな大好きスタバが営業していたので、そこで時間を潰すことに。
到着するまで治安面で不安はありましたが、実際過ごしてみると女子一人で空港泊をしても問題ないように感じました。

もちろんスタバで眠ることはできないため人間ウォッチングをするも、目の前を通る人は欧米系の人たちばかりで、アジア人はほとんどいません。
日本で飲むより大きいスタバのカップも相まって「あぁ、本当に遠い所まで来たんだなぁ」と実感します。

出発前に慌てて南米旅行には欠かせない大事なもの「高山病の薬」を購入。
これから向かうクスコの標高は約3400メートル、なんと富士山よりも高いのです。
そのため、高山病の薬は必須アイテム!
日数分購入し、毎日飲み続けました。
幸運なことに旅期間中高山病にかからず、ちゃんと薬の効果はあったみたい。

GO TO 南米 ~いよいよクスコに到着~

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リマで一夜を明かし、いよいよクスコへ。
国内の移動のため、今回は2時間ほどであっという間に到着です。
クスコという地名にはピンときませんでしたが、有名な世界遺産マチュピチュの玄関口。
日本でいう京都みたいな場所で、インカ帝国の遺跡がたくさん残っている由緒ある観光地です。
そのため、リマと同じくらい立派な空港なのかなと思いきや、入国審査を抜けたらすぐ出口!というリマとは比べ物にならない建物の小ささに驚きます。
早朝なのでお店も開いていなかったため、なんだか物寂しい雰囲気。
これが本当にあのマチュピチュの最寄りの空港なんでしょうか。
これからの旅路に少し不安を覚えます。

目的地に到着した時点で、既に長い1日を終えたような疲労感でしたが(実際移動を開始してから1日以上経過していますが)、クスコの現在時刻はなんとまだ朝の7時。
空港外に溜まっていたタクシーを利用したところ、コイツがやはり白タクで20分くらいしか乗っていないのに2000円も要求されました。
早速ボッタくりという旅の洗礼を受けつつも、長い長い旅の1日目がようやく始まります。

その他のお話
【vol.2】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.3】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.4】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.5】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.6】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。
【vol.7】ちょっと、ボリビアのウユニ塩湖まで。

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