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20言語の壁を越え、ビッグデータが導くおもてなし 来店者分析で最適な品揃えを実現
5分で読める、最新の経営ヒントを毎朝お届け。日経新聞の記事の中から、マーケッター視点で「今、知っておくべきデータ」をピックアップ。ビジネスマンの「やりたい」の成功確率をアップしてもらいたい!そのために、必要な視点やマーケティング戦略立案のノウハウを紹介しています。
記事の要約
スギホールディングスが9月に東京・羽田の複合施設に開店した実験店舗では、以下のような先端技術を取り入れています。
まず、店員の説明を自動翻訳するシステムが導入されています。これはAIを活用した音声認識・文字起こし・翻訳機能を備えており、20言語以上に対応しています。訪日外国人客に商品説明を正確に理解してもらうことができます。
店内には2つの電子ディスプレーと3台のAIカメラが設置されています。ディスプレーでは翻訳したテキストや動画を表示でき、カメラでは来店者の属性分析が可能です。これらのデータを活用して、商品構成とサービスを最適化することが目指されています。
さらに、店舗の半分近くをメーカーの商品説明コーナーとすることで、通販サイトへの誘導販売も実施。訪日客は帰国後も購入できるようになります。
スギホールディングスは、こうした先端技術を駆使して顧客体験を向上させ、インバウンド需要の取り込みで成長を図る戦略です。今後は羽田店でのノウハウを全店に展開していく計画で、DXを業務効率化とサービス改善の両面で推進していきます。
音声認識は生活を豊かにする
最近、スマホの音声認識精度が格段に向上しました。以前は文字起こしの精度が低く、送信後に必ず確認と修正が必要でした。しかし最近はほぼそのまま送信できるほどになり、運転中でもLINEの操作がスムーズになりました。生活の効率が上がり、ストレスが減る実感があります。
スギHDの翻訳システムも、同様に店員と外国人客のコミュニケーションを大幅に助けてくれそうです。言葉の壁を技術が溶け込み、対話のアクティブリスニングが実現するのは驚くべき進歩だと思います。高齢者向けの文字起こしサービスも、コミュニケーション支援として福祉分野での大きな応用が期待できると考えられます。DXは生活の「支え合い」を画期的に実現する可能性を秘めているのです。
個客のニーズをつかむ
スギHDのAIカメラは来店者の属性を分析し、性別や年齢層を把握することで商品構成の最適化に役立てます。以前、ある美容室で似たようなシステムを見かけたことがあります。店に入ると自動的に個人を認識し、過去の来店履歴に基づいてその人のニーズに合ったメニュー提案がタブレットに表示されるのです。
このようにDXはビッグデータから新たな「気づき」を引き出し、一人ひとりのお客様に合わせた最適な商品やサービスを提供できるようになります。本当の意味でのお客様第一主義が実現するのだと思います。
オンとオフの融合が新たな体験を
スギHDの実店舗では、メーカーの商品説明コーナーが設置され、実際の対面での話と通販サイトへの誘導が組み合わさっています。物理的な店舗空間とオンライン空間が密接に連携した新たな小売の形がそこにはあります。
単に実店舗とECの融合というだけでなく、リアルとバーチャルが入り混じることで、全く新しい買い物体験が生まれているのです。DXは既存事業の単なる効率化や内製化に留まらず、新たな価値と「場」を創造する可能性を秘めていると感じます。
今日の問い
貴社の商品やサービスには、DXを活用できる部分はあるでしょうか?現場の声に耳を傾け、可能性を探ってみてはいかがでしょうか。
貴社の業務プロセスを見直すと、いったん「場」をひらき、対話を重視する部分はあるでしょうか。オンとオフの融合に注目してください。
貴社のお客様一人ひとりの生の声に、どの程度耳を傾けられていますか。個客の視点で、新たな気づきは得られないでしょうか。
貴社のサービスは、人と人との「支え合い」を実現できているでしょうか。共感と信頼こそが、DXの原動力だと思います。
新しい意味や価値の創造にチャレンジする文化は、貴社にあるでしょうか。DXとは単なる効率化ではないのです。