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29 知らなかった叔母の姿
先日、叔母が亡くなりました。
母のすぐ下の叔母です。
母とは年齢が近いのか性格が近いのかいつもぶつかっているイメージしかありませんでしたが、自分はその叔母が大好きであほな話をいつもたくさんしてきました。
どんなに大変でも弱音を吐かないイメージでしたが、二度目のガンの手術を受け自宅療養している時電話をかけたら、「みんなに迷惑かけてしまっている」と泣いていたんで「そんなことないよ」と言いながら相当しんどいんだなぁと思いました。
まさか自分に対して弱音を吐いてくると思わなかったんで余計にそう思ったのかもしれないです。
抗がん剤の影響でご飯が食べれなくなり、自宅療養も出来なくなってしまって入院したまま旅立ちました。
お見舞いに行くたびに弱っていくし、床ずれが痛くて「痛い痛い」って言うんで背中のクッションを何度か動かして何処がいいのか確認したりもしました。
元気な時は人に何かを頼むこともほとんどなかった叔母だったんで、本当に自分で何も出来ない状態になっていたんだと思われます。
自分とLINEを繋げるのをずっと拒否していた従弟が我々親戚のグループLINEに姿を見せ、「そろそろなのか」と思ったのが誰にも言っていないけれど正直なところでした。
従弟もすぐ自分を友達に入れてくれ、自分もあれこれ従弟に病状確認したりしたし、何かあると自分にLINEをくれ、それを周りに広めるのが自分の役割になりました。
我々(叔母、従弟など)はしょっちゅう逢うことはないんだけど、逢えば話は盛り上がるし、遠慮も基本しない、そんな仲です。
だんだん人数は減っていく一方だけど、それでも、「笑顔で見送る」、そういう風に自分は母にしつけられました。
初めて「身内の死」を経験したのは祖父の時でした。
成人式の着物を着たまま祖父が入院している病院へ行き、帰り際名前を呼ばれて振り向いたら笑顔で「おめでとう」って言われたのが最後に見た元気な姿でした。
まさかその1週間後に葬儀をしているなんて思いもしなかった。
なんでみんな笑いながら話をしているのか理解出来なくて涙しか出てこない自分に母は怒りながら言った。
「泣いちゃいけない。こういう時は笑わなければいけない」って。
当時は全く意味がわからなかったけれど、今はなんとなくわかった。
こちらが泣いていたら、旅立とうにも旅立てない。笑顔で見送ってくれる方が安心して旅立てる。
従妹(叔母の娘)が泣いて泣いてしょうがなかったので彼女の肩を抱きながら自分は言った。
「泣いてちゃ安心して旅立てないでしょ。にっこり出来る?」
従妹は最初混乱したのかもしれないけど、最後は理解してくれたのか落ち着いて笑顔になってた。
自分がいろいろ教えてもらったものは誰かの役に立てればと喪主の従弟にもいろいろ話してきた。何処まで役に立てたのかはわからないけれど、何とか従弟は笑顔で喪主の仕事を終えてた。
親が何でもしてくれると実際何かあった時に途方に暮れることがあることを自分も経験している。
それもいいことなのかもしれないけれど、状況によっては少しずつ教えていくことも大事なのかなと思っている。
自分もいろいろ母から教わっていたことはあったけれど、後からいろいろ出てきて途方に暮れかけたので、エンディングノートなりなんなり、自分の希望、今後、思うこといろいろ残しておいた方がいいのかもしれないと思った。
伯母はまだ意識がある前に従姉へ口座の事とか手続きの事とか話していたからまだ良かったのかもしれないね。まぁ、従姉、というよりは従姉の旦那が大変だったようだが。(笑)
人様の家庭に口出ししちゃいけないと思って言ってなかったけど、もうひとりの叔母も従妹にどれだけ家のこととか村のこととか話してあるのかなぁってちょっと気になりました。
自分がそうだったからこそ、伝えなきゃいけないことなのかもしれないけど、まだ亡くなって間もないのでまだ言わないでおこうかなと。
ひとり残ってしまったもうひとりの叔母の傷はまだ癒えそうにないんで。
従弟が自分に叔母の若かった頃の写真を見せてくれた。
おちゃめなところがある叔母だったが、若かった頃、もっとおちゃめだったのがわかった。
何でか知らんけどめっちゃぶりっこしている可愛い写真があったんで貰おうかなと一瞬思ったけど、母と喧嘩するといけないので従弟に額縁に飾るように言おうかと思っている。
あの瞬間、叔母はどんな感じだったんだろうか。とてもしあわせだったんだろうか。とにかく可愛かった。
こういう人生の終わり方をするとは思っていなかったんだろうな。
母のようにコロッと逝ける方が楽なのかもしれないと先日もうひとりの叔母と従弟とスタバで話したところだった。
今頃何処で何をしているのだろう。
みんなは出迎えてくれているのだろうか。
棺桶にお酒をたくさん入れたので今頃みんなで酒盛りでもしてるのかもな。
最後に叔母との写真を従弟に撮ってもらった訳だが、従弟・・・・・・自分、めっちゃ目をつぶっているのだが、これは意図的か?
従弟にその旨言ったら「ドンマイ」って返ってきたんだが、今度逢ったらしばき倒そうと思う。