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国内のどんな生物が絶滅危惧種なの? 哺乳類編①

前回は、「なぜ絶滅危惧種は増えているの?」かについて、書かせていただきました。

今回は、絶滅危惧種が増えている理由を知った上で、「具体的にはどんな動物がいるのか」を書きたいと思います。

記事を何回かに分けて書かせていただき、日本で最も絶滅の危機に直面している野生動物を知ってもらえたら嬉しいです。

絶滅危惧種 段階

絶滅危惧種は、野生生物により、どのくらい絶滅の危機に陥っているのか異なります。

その中で、最も絶滅の危険性が高いのが、絶滅危惧種IA類に分類されている野生生物です。

環境省によると、日本で確認されている生き物の種類は約9万種といわれています。

その中で絶滅危惧種IA類に選定されているのは、哺乳類12種類・鳥類24種・爬虫類5種・両生類5種の合計46種です。

今回と次回で、絶滅危惧種IA類の哺乳類12種類を紹介していこうと思います。

①センカクモグラ

日本でのモグラの種類は、全部で6種類です。(今回は説明省きます)

その中で、尖閣諸島の魚釣島にのみ生息しているのが「センカクモグラ」です。

センカクモグラが、絶滅の危機に陥った原因は、「ヤギ」だと言われています。

ヤギは1978年ごろ、日本の民間団体が持ち込みました。

島外から連れてこられたヤギが野生化し、島の植物に著しい食害を及ぼし、生態系が崩れてしまっています。

人間の影響により苦しめられている生物の一つです。

センカクモグラ
尖閣諸島


②ダイトウオオコウモリ

次は、コウモリについてです。コウモリは、絶滅危惧種IA類に4種類登録されています。

実は、コウモリは国内だけでも35種類生息している生物です。

その中で、既に絶滅危惧種とされているのは、25種類です。

絶滅危惧種IA類の4種類を一つ一つ見ていきます。


ダイトウオオコウモリは、南北両大東島にのみ生息するコウモリです。

首から下が白っぽいのが特徴で、日本で最も美しいオオコウモリともいわれます。

1973年には、国の天然記念物に指定されました。

広葉樹林が減少していることや、人間が連れてきたネコに食べられて減少していることも報告されています。

ダイトウオオコウモリ
南北両大東島

③エラブオオコウモリ

エラブオオコウモリは、口永良部島(くちのえらぶじま)やトカラ列島に生息しているコウモリです。

現在の生息数は200頭以下といわれており、近年における生息確認も減少の過程にあります。

絶滅危惧の原因、シカやヤギが増加により餌となる植物の減少や、噴火などで照葉樹林が減少してしまったことも考えられています。

センカクモグラと同じように、島にとって「ヤギ」は絶滅危機に関係していることがわかりますね。

エラブオオコウモリ
口永良部島


④クロアカコウモリ

クロアカコウモリは、日本では対馬にのみ生息するコウモリです。

オレンジの体毛から「黄金バット」の異名を持つことで有名みたいです。

1968年以来、約40年ぶりの2006年に4個体の発見報告がありました。
朝鮮半島・中国・インドなどのアジア特有のコウモリで、もともとは外国から迷い込んできた個体が繁殖したと考えられています。

絶滅の理由は、間氷期の気候変動に適応できず、個体数が大幅に減り、1万年前の現生人類の登場で生息地が破壊されたことが原因だと言われています。

クロアカコウモリ
対馬

⑤ヤンバルホオヒゲコウモリ

ヤンバルホオヒゲコウモリは、沖縄島北部・徳之島・奄美大島のみに生息するコウモリです。

体長16センチメートルほどしかなく、小さいコウモリです。

1996年に発見され、分布が限定的であることから生態の情報が少なく、絶滅が懸念されています。

人間が行った「森林伐採・ダム建設・道路建設」などにより、生息地が減少中の生物です。


ヤンバルホオヒゲコウモリ
奄美大島・徳之島

⑥セスジネズミ

次は、ネズミの種類です。

絶滅危惧種とされているネズミは、全部で7種類です。

その中で絶滅危惧種IA類に2種類が登録されています。

その2種類を見ていきます。

セスジネズミは、背中の中心に一本の黒いスジがあることが特徴のネズミで、尖閣諸島魚釣島にのみ生息しています。

ですが、今まで3頭しか確認できていないそうです。

「センカクモグラ」と同じ場所ですね。

絶滅危機の理由も同じで、人間が連れてきた「ヤギ」が草地の減少を進行したからです。

セスジネズミ

⑦オキナワトゲネズミ


オキナワトゲネズミは沖縄県北部の固有種で、草やシダに覆われた環境に生息するネズミです。

2008年3月には、過去30年間、例のなかった捕獲にも成功しました。

一時は「絶滅したのではないか」とさえ言われていたほどです。

国の天然記念物に指定されていますが、犬・猫・マングースなどによる捕食で個体数が減少傾向にあります。

また土地開発による生息地の破壊も懸念されています。


オキナワトゲネズミ


調べていけばいくほど、個体数や形態のみならず、歴史や背景まで分かってきます。

それに人間が関与していることが多く、悲しい気持ちになるのと同時に、今まで知らなかった自分も恥ずかしくなりました。

また、現在絶滅危惧種を守ろうと活動している人が多いことも知り、そういう方と一緒に「現在の地球を、生物を守っていきたい」と強く感じる貴重な時間でした。

今週もありがとうございました。次回は、残り5つの哺乳類を紹介できればと思います。

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