見出し画像

東京喰種√Aまで見ました。あらすじ等未視聴の方向け所感。





恥ずかしながら今日まで東京喰種を見てこなかったタイプの人間なのですが、ようやく手をつけました。数年前にコミック版の最初をちらっと読んだ朧気な記憶は残っているも、ごちゃごちゃしてるけど迫力あるな〜程度の印象でした。

今回まだ:reを見れていないので、√A終了時点の感想。ここがとりあえずの区切りだと思ったのはそうなんですけど、話が少々複雑に絡みすぎてて一旦整理しておかないといけないと思った。

未視聴の方向けに説明しますと、東京喰種は三部作で4クール分の話があります。どうやら本筋自体はもう完結しているみたいですね。

アニメ版は無印(一期)→√A(二期)→:re(三期)とそのまま時系列順になっています。ただ√Aはアニメオリジナルというか、コミック版とは違った筋で話が展開されているみたいです。だからルートAなんでしょうけど、√Bがあるわけではないです。

しかしそこは受け手の想像力次第で存在することでしょう。
僕がもし√Bがあるならばっていうのを考えるのはコミック版を読破してからですね。:reに収束するっていうことを加味すると多分終着点は変わらないとは思いますが。

とは言え、もし登場人物がもう一度物語をやり直せるならばどういう行動を取るかなんてことはオタクならば少し考えることでしょう。近年ではそれを題材にしたループものなんてありふれたものですし。先日紹介した某アニメもそうですね。気になる方は僕の過去記事を参照してください。

ただ、東京喰種のようにアニメとコミックで明確に意図してルート分けが成されている作品は珍しいなと感じました。こういう仕掛けは個人単位でなかなかできたものじゃありませんし、メディアミックスだからこそ出来る技というか。ちなみに原作ファンがどう思っているかは知りません。僕はあまり抵抗がない人間なので一つで二種類の味がするガム的楽しみ方ができるのですが。ただし実写化、テメーはダメだ。

あらすじを検索するとネタバレ回避が難しいタイプの話なので、僕がなるべくわかりやすく説明してみます。

喰種(グール)という人を喰らう異形が存在する現代日本。主人公である男子大学生 金木 研(かねき けん)は、大喰いという通り名を轟かせる美女の喰種 神代 利世(かみしろ りぜ)とある喫茶店で出会う。金木は彼女の人間のフリをしたハニートラップに嵌って喰われそうになるが、ギリギリのところで助かるも、利世共々瀕死の大怪我を負う。医者の独断により利世の内臓を移植されて急死に一生を得た金木だったが、意識を取り戻した彼に待っていたのは、喰種の体と人間の意識という半身半妖の生活だった。


……ってところでしょうか。物語のあらすじを説明するのはとても難しいことで、どれが物語の掴みに必要な情報で、どれが受け手自身で知るべき情報かを分別できていないとネタバレになってしまうのですね。

もう少し掘り下げます。金木は半分喰種の体になることで驚異的な回復力(利世の力が強すぎたことが大きく関わっている)と喰種としての本能を得てしまう。本能とはつまり、人間の意識がありつつも空腹になると人間を喰べなければいけない生存本能のこと。そして今まで食べていたサンドイッチや肉など人間の食物を口にすると吐いてしまう。だから彼はもう喰種として人間を喰らうしかないのかという本能と理性の狭間での葛藤が序盤では色濃く描かれている。

金木がもし穏健派である「あんていく」に拾われていなければ彼は自ら死を選んでいたと思います。傷つけるより傷つけられる側にいる、それが一期時点での金木の信条でしたし。そう、とある喰種達に保護される形で金木君は利世と出会った喫茶店で働くことになるのです。

そこで会った喰種たちは皆人間としての生活を求めていた。しかし喰種同士での縄張り争いや、喰種を駆逐する公安機関「鳩」による襲撃に怯えながら細々と暮らしている。

金木はその争いに巻き込まれる中で仲間を傷つけられ、時には失うことにより、「どうして人間と喰種は争わなければいけないんだ」とまた葛藤する。彼は誰も喰べたくないし戦いたくもない。しかしこの物語の登場人物は各々戦わざるを得ない背景を持っているのです。それは敵討ちや復讐であり、本能であり。そこで人間と喰種のハーフになってしまった彼はどうしていいかわからなくなる。

何が正しいのかが往々にして物語のテーマになるように、東京喰種でもそれはつきまといますね。一期終盤でそれを突きつけられ、金木はある種自分なりに答えを出し、それを実行しようとする。

その答えを出す一期12話が本当に凄い回でした。

(僕はどうやらこんな風に思ったらしい。利世さんは抱っこして欲しいランキングNo.1の母性溢れるキャラだと思いました)

内省の世界で環境や過去を糾弾するこの形式はエヴァンゲリオンのTV版最終回を思い出しますね。やってることは似て非なるものかもしれませんが。シンジ君が悟りを開いたとするならば、金木は狂気に至ったというか。

(悟り)

自分が強くなって皆を守る。争いを失くす為に更なる争いに身をもって投じる。果たしてそれが正しいのだろうかというのが√Aまでを通してのテーマだと思います。答えを保留し続けることと、間違っているであろう道を歩むことのどちらが愚かなのか。こういう話はとても好き。

というのが√A視聴時点での僕が思ったことでした。√Aに関しては組織図が複雑になりつつもそれぞれの背景が描かれているので結構どの話をしてもネタバレになっちゃいそう。コミック版との比較がやはり面白そうですね。
今回は未視聴の方でも大丈夫なようになるべく大筋の部分に触れながら書いてみました。:reが見終わったらがっつりネタバレしつつ既視聴済みの方向けに記事を書きたいと思います。

ほな。

いいなと思ったら応援しよう!