還らざる川
石に刻まれた蒼き川の水底に
眠る記憶の熾火は揺れる
流れのままに時は躍り
青い呼吸は血潮に変わる
川の流れは千億の海を震わせ
記憶の熾火は躰を焦がす
ひとは衣を纏う代わりに記憶を脱いだ
躰の海を生きるために
記憶の血潮は脈動のなかに歌を燻らす
水底に眠るいのちを目覚めさせるために
明滅する記憶の舞踏は炎となって躰を巡る
海のなかに潜む歌を生きるために
石の唄… 水の歌…
流れる水に記憶は躍る
空を往き… 地に下り
時のまにまに記憶は燃える
川は流れる… 滔滔と
夜の眠りの語り部のように
刻は開かれ秘密を謳う
記憶に燃ゆる潮騒のように
遥かにわたる天地のなかで
海と大地の舞踏は燃える
還らぬ川の命のように
蒼に揺蕩う星の海で
いのちは歌の衣を纏う
還らぬ川の言葉のように
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