運命の川
滔滔と
ことばは流れくだる
水脈を示して
ことばはひとを運ぶ
ことばより生まれ
ことばとともに還る
空と大地のただなかに
小さき火花は灯されて
ことばの川をながれゆく
燃ゆることばの儚さを
深き淵より守りたる
御手の息吹きは語らいて
紅き鼓動の歌となりゆく
天より流れくだることばが
大地に響くとき
歌は水脈を示して人を誘う
円環の時を廻る
ことばの川の旅路に
ひとは遠い記憶を想い出す
ことばの向こうに聴こえる鐘の音が
からだの水を震わせる
深い慈愛に沈む眼差しは淵となり
天界の呼びかけにひとをいざなう
天地還流の輪のなかで
幾多の時間は結び合い
ひとはことばの故郷を想う
石は記憶の淵にひとをいざない
ひとは遥かな呼び声のなかで
ひさしく忘れた「わたし」と出逢う
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