悲しみの夜を過ごす君へ

『雨降り地区』
悲しくていいんだ
寂しくていいんだ
それが当たり前
それだけ大切に想っていた証
たくさん寂しくて
たくさん悲しくて
毎晩隣にいたのに
今日もいない
明日もいない
あの子がいなくなった喪失感はいつまで経っても消えることは無い
それでも
負の感情でいっぱいの夜でも
思い出して欲しい
君があの子と一緒に前を向けるまで何度だって言う

あの子はいなくなったんじゃない。
あの子が残したものは
君を悲しみで溢れさせるものだけだったかい?
あの子の存在は君の中で輝いてはいないかい?
あの子の姿、声、感触、表情、あの子と過ごした時間、思い出
そんな光でしかないもの全て悲しみのブルーで染まってしまうのかい?
違うでしょ?
あの子の存在はいつだって輝いていて、あの子と過ごした時間やあの子の存在、思い出はずっと君の中に在り続ける。
ずっと君の中にあの子はいるんだ。
どこへも行かない
君があの子を愛している限り君の中に居続ける
だから誰よりもあの子を愛してる君は、君の中にずっとあの子はいるんだ。
大丈夫。あの子が離れることはないさ。
君はあの子の最期に一緒にいた。
君だけがあの子のそばにいた。
だからこそ抱えきれないほどの悲しみを君だけが背負ってる。
最期の悲鳴を聞いたのは、最期の脱力しきったあの子を抱いたのは、必死で助けようと家へ駆け込んだのは、あの子の最期に燃えるような空を見たのは 君なんだ。
君は後悔してる。
あの子の最期の瞬間を後悔してる。
自分があの子を外へ連れ出さなければと
あの子の異変に気付いていればと
最期に声をかけてあげればと 後悔し
その時見たような空がトラウマになった。


一緒にいてあげられなくてごめん

一緒に背負ってあげられなくてごめん

一人で抱え込ませてごめん

私は間に合わなかった
あの子の最期の悲鳴も
最期の体温も
最後の重みも
助けようと必死になることさえ出来なかった
あの子にもう会えなくなるとも気付かなかった

声をかけられなかったと言う
外へ出してしまったと後悔する
最期の顔を見れなかったという

それでも君は
あの子の最期の散歩をした
あの子の最期のリードを持った
あの子の悲鳴を聞いた
最期君があの子を抱いた
あの子と一緒に夕日を見た
あの子の体温を感じた
あの子を助けようとした
あの子の最期、一緒にいたのは君なんだ
君だけなんだ
最期一緒にいたのが君でよかった
いつも一緒にいる君と最期も一緒にいられてあの子は嬉しかったよ
君が見ると思い出して泣きそうになるというあの場所、あの子の最期しか思い出せないみたいだけど、あの場所は悲しいだけの場所じゃない。
あの場所でみたあの子の表情は悲しくなるものだけじゃない。
あの場所で楽しかった時のあの子の顔を思い出してごらん。
悲しいだけじゃない。
あの子が死んでからも可愛いが積もっていくと君は言ったね。
そんな可愛いあの子でいっぱいなのに泣いてちゃもったいないでしょ。


『雨降り地区』


抜け出させてあげよう
そしてずっと一緒にあの子と居よう
次会う時までもっともっとあの子への可愛いを好きを積もらせておこう。

これから先は君の悲しみも私の悲しみも
一緒に背負うよ

永遠に愛してあげよう。
これからもずっと。

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