きびす返さず 咲子の場合 第3話
今日の逢瀬は定期のNo.2、哲也である
哲也は郵便局員、土日のチャット利用者だった
ブサメン、性格はやや粗暴だったが、音楽の趣味やアニメの好みが同じで好感を持った
そして実際に会う様になり、程なく肉体関係に発展してゆく
ただ哲也のセックスは純也の様に逝かしてくれない
咲子が逝く事もあるが、哲也が先に逝って終わってしまう事もあって、毎回が期待と不安に溢れた逢瀬だった
身体はボテっとした、いわゆるダラシない身体、腕力に自信ありそうな事は言うが、口先だけのただのデブ
喧嘩っ早いが負けが多い残念な性格をしていた
哲也「あっ、、、ごめん、、、」
咲子「どしたの❓」
哲也「出ちゃったぁ、、、」
というパターンが多いので、咲子のスマホの哲也の登録名は「あごめん」となっている
その日はホテルの部屋の玄関でキスして、即尺したら、、、あごめん、、、
即尺で出してしまった哲也
哲也「アハハ、スッキリだわ、、、
部屋入って座ろう、、、」
などと言って来たので咲子は半ばブチ切れて哲也を置いて帰って来てしまった
しかし、家に帰ると、、、誰も居ない
毎回なんだかんだ理由をつけて外出する咲子だが、その間家族がどうしているかなんて知らなかった、、、
2時間くらい後に家族が帰って来て、ホッとしたが、どうやらファミレスで外食して来たようだった
咲子が外出する頻度はかなり高くなっていたので、、、その度に夫の光太郎が料理を作るばかりでなく、外食や出前などの場合もあるようだった
そして、これが後に大きな事に繋がってゆくのである、、、
咲子は不倫を完璧に隠していると自信を持っていたが、、、この時既に夫の光太郎は、疑いを持って咲子を見ていたし、具体的に調査に動いていた
それはやはり夜間外出の頻度の高さは疑う充分なきっかけとなっていた
そして、咲子が帰って来ると石鹸の匂いがすると子供達に教えられた事もある。
男物の香水の匂いがした事もある。
なので、光太郎は自分の独身時代から貯めていた貯金を使って興信所に調査を依頼していた。
2週間の調査で、、、真っ黒
定期2人と不定期1人が明らかとなった
最悪の結果である、、、しかし
興信所はこのやり方だとまだ出ると踏んで、継続調査を勧める
光太郎は内容から継続調査を了承して、不倫相手の調査も依頼した。
トータル1か月の調査で定期3人、不定期3人の全貌が明らかになってしまった
あんなに用心していたのに、簡単に証拠としてあげられてしまう
それは興信所のコネクション力でもあるが、ラブホなどは秘密保持が当然なのだが、、、限界があるというか、、、
見た目は機密保持、内緒でも、実のところはかなり興信所とツーツーなのである
要は買収である、、、ラブホ内の防犯カメラ映像や〇〇映像を金で買うのである
勿論限度はあるが、光太郎が依頼した興信所はそれが得意なところで、かなり興信所間で、ネットワークも持っているのである
なので、いくら巧妙に隠しても、
バレてしまうのである
ラブホに一緒に入らず、時差で部屋へ入っても、同じ部屋に入った証拠が取れれば良いのだから、、、
そして光太郎は興信所の報告書を見て、
最初は驚愕し、失望し、悲嘆に暮れるかの様に見えたが
光太郎はぬっくと立ち上がり、興信所のスタッフにこう言った
光太郎「過激な弁護士を紹介してください‼️」
興信所スタッフ「か、過激、、、ですかぁ⁉️」
光太郎「ええ‼️、過激な方、、、もう
メチャクチャにしてやる‼️」
興信所スタッフ「わ、分かりました、、、すぐに探してみますから、、
お待ちください、、、」
光太郎は普段は温厚な優しい男である
しかし、一旦決意するとトコトンやるタイプ、、、怒らせてはいけない男を
どうやら怒らせてしまったようである
そして程なく弁護士を紹介された光太郎
提携先の弁護士事務所の離婚専門の弁護士で、かなりのやり手とのこと、、、
光太郎はその弁護士と話をする事になった
光太郎は興信所の報告書の内容から過去の経緯けら現在の家族の状態まで弁護士に話し、自分がどうしたいか明確に話をした。
離婚騒動で短期で、ここまで明確にどうしたいか明言出来る人は少ないという
普通は心がボロボロになって落ち込み、どうしたらいいか分からない、、、
ダメダメだってちゃん、が多いのである
決然と復讐の焔を燃やす光太郎
そんな光太郎に冷静に話しかける弁護士
弁護士「分かりました、、、では内容証明を送りましょう、、、」
光太郎「はい、徹底的にやってやる‼️」
弁護士「お気持ちは良く分かります、
しかし、これから内容証明が届くまでは、平静を装って生活して頂く必要もあります、、、出来ますか❓」
光太郎「ええっ⁉️、、、平静ですか⁉️、、、か、かなりキツイなぁ」
弁護士「でしょ⁉️、こう言う問題、怒りだけでは解決しないんですよ、どこまでも心を冷やして、、、冷静に粛々と、、、まぁ、当事者の方にはそれが無理な事は、私どもも良く理解していますから、、、悩んだり、迷ったりしたらすぐにご連絡ください、、、自分で片付けようとしてはダメですよ、、、」
光太郎「わ、分かりました、、、ありがとうございます、、、」
弁護士のスケジューリングに基づいて
まず間男6人に内容証明が送付された
弁護士のスケジューリングはまず間男を潰すこと、、、それが優先された
都度弁護士からは誰から連絡が来たか報告が入る
制裁条件の一部緩和をエサに、間男たちから咲子に情報が流れないようにしてあるという
なので咲子はまだ浮気がバレた事を知らない、、、
間男をそれぞれ、弁護士事務所へ呼び出し、聴取、示談条件提示、示談書への署名、捺印が行われてゆく
その間も光太郎は咲子と共に暮らしている
咲子の様子が可笑しくなってきた
色々なところへ連絡を取っているが、繋がらないようである
困惑顔の咲子、、、
咲子(可笑しいなぁ、誰も連絡が取れない、、、土日に来る哲也もチャットに来なかった、、、ホテルの事で怒ってるのかなぁ❓、、、他の浮気相手もチャットに来ないし、連絡が取れない、、、
何が起こったの⁉️)
反面、光太郎は心の中で笑っていた、、、
咲子は困惑顔から恐怖の見え隠れする微妙な表情に変わる
咲子は光太郎に聞いてみたい衝動に駆られたが、聞くわけには行かない、、、
光太郎はニコニコしている
咲子はドギマギ、、、
しかし、内容証明がついた時点で咲子に連絡したアホ間男が1人いた、、、
なので、咲子は
咲子「内容証明って何ぃ❓」
と、聞いて来た
光太郎「さぁなぁw、、、ググって調べてみたら❓」
咲子はネットで色々調べて
顔が青くなっていった、、、
弁護士は期間と回数を鑑みて、慰謝料を決め6人とも期日までに口座に振り込みが完了した
そのタイミングを見計らって、間男の妻宛、間男の会社人事部宛に内容証明を送付
それぞれの間男妻から弁護士に連絡があり、その後、再構築を決めた家庭はひとつもなく
全て離婚の報告で話しが進んでいる
弁護士が、それぞれの妻に弁護士を紹介し、証拠は同被害者の光太郎が貸与することを伝えた、この時、事態を説明するのに必要という事で、光太郎はそれぞれの間男妻と会っていた、、、
6人一斉に、、、大騒ぎである
6人も居ればホント色んな人が居る
キャリアっぽい人、元ヤン、元ギャル、
清楚系、地味系、、、
しかし光太郎は同じ被害者なのに中には
間男妻「あんたがちゃんと管理してないから奥さんが浮気すんでしょ⁉️」
と、キレる💢ヤツもいた
でもまぁ多くは光太郎の証拠貸与に感謝していた
間男たちの会社へも要請が有れば出向き、説明、証拠も見せた。
勤務中の不貞が明らかになったところもあって、その間男は懲戒解雇になった
その他、懲戒解雇まで行かずとも、左遷、減給、降格処分のアメアラレ
もうボロボロになってゆく間男たち
こうなると、間男たちも黙っちゃいない
この間、弁護士の対応で、光太郎は一度も間男たちに会っていない
なので、怒りの矛先が咲子に向かう
純也「お前のせいで離婚だよ、離婚‼️
オマケに慰謝料取られて、仕事も失ったんだ、、、どうしてくれるんだよーーーッ‼️」
咲子「やっぱりバレてたのかぁ、、、」
ここで初めて咲子はバレた事を自覚する
ヤバいなぁ、、、とは思っていたが、、
やっぱり、、、ということである。
シタ軍の6人はもう落ちた
後はシタ軍最強のラスボス、、、
咲子である
咲子にはもう頼れるところは無い
負け確定の背水の陣、、、もう落ちるしか無いのである
大切にして来たつもりだった家族は、
子供達とはどうなるのか❓
そして、咲子はどうなるのか
・・・つづく・・・