【コラム】繕い物と自分育ての共通点
寒くなってくると、足元から暖めたくなります。私は、靴下重ね履きしたい派なので、靴下の消費数(?)は結構な数に上ります。消耗も激しい。そこで、ダーニングなどして、靴下を繕ってみるのですが、これがまた毎回楽しくて!
ラジオを聞いたり、テレビを見たりしながら、ちくちくちくちく。手が止まりません。枠のない織物のような感覚で、経糸、横糸を毛糸針で交互に織りなしていきます(こんな感じ↓)。
少しだけあまった毛糸を使っていけるのもいい感じです。目立たせないように繕うのではなくて、むしろ、目だっていいように色のバランスとか考えつつ繕ってみる。
靴を履いている時には見えないけど、正座した時にはバッチリ見えて、
気づいた人はちょっと楽しい。太さ、素材、色、配置…。いろんなことを考えつつ繕うにつれ、靴下が進化して、愛着もアップしていきます。
たとえば、この茶色の靴下。
私、指先よりも足裏の腹部分が先に薄くなるので、そこを1年ほど前に、赤い毛糸で繕いました。極細のアクリル毛糸で。アクリルは、こすれにも強く、履き続けるうちに、こんな感じ(↓)で布地と一体化しました。
そして、この秋、この靴下のかかとが薄くなってきました。靴とこすれる部分なので、結構広い範囲で、「よくこれで破れずに保ってるな」というほど
もともとオレンジのかかとだったところが薄~~くなって、肌色が透けて見えています。
繕い物は大好きなので、どの毛糸で、どうやって繕おうかな~と見ていると、そわそわしてきます。今回、かかとはしっかりと受け止めたくて、羊ちゃんの温もりで分厚めに繕ってみました。素材は、並太の段染めウール100%。色もちょうどいい。並太の太さだと、広い範囲だてサクサク進みます。それで出来たのがコレ。
もとのオレンジのかかと部分と、色が馴染んでツイードみたい。そして、ウール100%の太い毛糸で繕うと、履いているうちにフエルト化していきそう~~。繕って1週間経つと表面がモケモケして来ました。細いウール100%だと、毛羽立って破れたけど、並太に期待~。
これ、だんだんもっと薄くなっていって、足底全部を繕い直して、そこがフエルト化したら、ルームシューズになるかもね! 前に、薄くなった靴下の底部分をいっそ全面的に羊毛でフエルト化してみたら、靴下部分とフエルト化した部分が分離して失敗だったのよ。この並太ウール100%ダーニング作戦なら、靴下の底が少しずつ、そして全面的に、フエルト化していくかも!
こうやって、市販の靴下を、その都度進化させながら履いていく快感。自分の持ち物を限定して、それを大事にしつつ、どんどん好きになっていく喜び♪
それは、最終的には、「世の中には、すごい人がいるのは知ってるけど、私は私として進化していけば、それで上等」っていう感覚と、通じるものがあるような気がします。役立たなくなってポイする快感もあるけど、大事に育てて行って、生かしきる快感も大事にしたいな。
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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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