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【大人】バイオグラフィ・ワーク②人生を3段階に分けると

人間は生まれてから死ぬまで、どのように成長・変化していくのか。20代から40代ってどうしてこんなに大変なのか。「50を越えたらラクになる」といろんな先輩が言っていたけどそれは本当か。老いる事はマイナスなのか。年を重ねてしかできないことは何なのか。今の自分は人生全体から見たらどんな課題に取り組む時期なのか。自分は何をするために生まれてきたのか。自分の人生を貫く背骨は何なのか…。

人生の謎はきりがありません。自分の人生の謎を解くヒントを求めて、バイオグラフィ・ワークに取り組みました。→1回目はコチラ

人生は大きく3つに分けられる

これから何か月かかけて一緒に学んで行くメンバー8人で「出会いのワーク」をした後は、いよいよ人生全体を俯瞰的に捉える視点を学んでいきました。山型の「生物学的発展曲線」と、U字型の「霊的曲線」とを見ながらのお勉強です。大枠だけ描くとこんな感じ。

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赤で示した生物学的曲線は、言うまでもなく、生まれたところがゼロ地点。立って歩いて、35歳くらいが肉体を自由に使えるてっぺんで、そこからまた下降線をたどり、肉体的な死の時に再び着地。それに対して青で示した霊的な変化を示す曲線は、生まれた時がてっぺん、35歳くらいでもっとも地上に降りて来て、死ぬ時にまた天に昇っていく。

この2本の線が交差するのが大体21歳と42歳。この重なりを境にして、人生を3段階に区切ってみたらどうなるかというと、21歳までが「受肉のプロセス」、21~42歳が「交流(交換)する時期」、42歳以降が「離肉のプロセス」、となる。人生をそんな風に俯瞰する見方をご紹介いただきました。

3つの時期をいろんなものに例えると

もうちょっと3つの時期を詳しく見てみたくて、自分でもバイオグラフィについて書かれた本をいくつか読んでみました。どうも人生はいろんなものに例えられそうです。

たとえば、21歳までは「受け取る時期」。自分のことで精いっぱいだったとしても、周りが自分を育ててくれます。21~42歳までは社会の中で揉まれながら戦う時期。どんな仕事をするのか、どんな家庭を作るのか、または一人で生きていくのか、現実にぶつかりながら社会人としてゼロから自分の道を作り上げていく大変な時期。精神的な事は影を潜め、現実世界が目の前の大きな課題として立ちふさがります。そして42歳からは「与える時期」。社会の中で自分の居場所や、個性、歩いて行きたい道が少しずつ見えてきます。肉体的には衰えてきて、今度は精神的に成長していける時期。

これを季節に例えると、21歳まではぐんぐん育っていく春。21歳~42歳がもっとも特徴が出て花開く夏。42歳からは花は落ちて実ができ、種を残す秋。ついでに冬は、大地に落ちて種とともに眠り、新しい春を待つ、というイメージ。

呼吸に例えるなら、頂点の35歳ごろまでは吸う時期。新鮮な空気をいっぱい吸い込んで、外にあるものを内に取り込んでいきます。対して35歳以降は、息を吐く時期。自分の中に取り込んだものを、今度は外に向かって与えていく状態に変わります。おもしろいなぁ!

一日で言うと、21歳までの時期は朝方。眠っている状態からゆっくり目覚めて、寝ぼけながらキョロキョロしたりして。32歳~42歳は昼間。仕事に行ったり人と会ったり、いろいろと活動する生産的で社会的な時期。そして42歳以降は夕方以降。家に帰って来て疲れた身体を休めるべく、静かな時間を過ごします。そして眠りへ。

他にも何か重なるものあるかしら? モノのライフサイクルはどうかな。「世の中にこういうのが必要だ」と計画した段階では理想がたっぷり入っています。プロトタイプを作り、製品にして、世に売り出す時点で理想より現実が優先し、最初は勢いよく売れて、そのうち必要とされなくなり、廃盤にする。それが次の製品の土台になる時には、また現実から解放されて理想を作る元となる。…なんて、ちょっとズレてきましたかね?

見えないものを視野に入れる

バイオグラフィーを学ぶことは、人生の課題に向き合うこと。人生を俯瞰したこの2本の曲線を見ていると、普段は赤色の肉体曲線を大事にしていることに気付きます。目に見える成長、目に見える豊かさ、いかに多く受け取り、いかに楽なポジションに行くか。

一方、青色の霊的曲線は、目には見えないものです。自分が個人的に大事にしないと、誰も見せてくれない人生の価値観。自分は何を与えることができるのか、どんな人をサポートすることができるのか。何を豊かにしていけるのか。42歳を過ぎたら、そんなことを考え始める人が増えて来るのでしょう。いつまでも自分の事に終始してる人も多いけど、自分はどっちの時が多いかな?

周りを見ると、年を重ねてステキなおばあちゃんになっていく人もいれば、ワガママになっていく人もいる。「42歳を超えると、誰でも精神的に充実していくんですか?」とファシリテーターの石田さんに聞いてみると、そうではないと。オソロシイことに「精神的に充実していく方向で自ら努力しなければ、肉体的な衰えと同時に精神的にも衰えていくことになる」と言うではないですか! 

どこの店がおいしいとか、どこの旅行に行ってきたとか、普段のそんな他愛ない話は楽しいものです。だけど、年を重ねるにつれて、自分が何を残せるのか、どう役立っていけるのかなど、見えないものにも目を向けていけたらいいですね。肉体は自然に衰えていくのに反して、精神を育てていくためには意識的な取り組みが必要なようです。自分の精神は自分で育てないと育たない。これは覚えておきたい。

意識的に取り組み、精神的に充実していけば、もっと年を重ねた時に、ステキな老人になっていけるのかもしれません。たとえば、誰にも頼まれないのに公園の落ち葉を掃いたり、口数は少ないけどこっちから聞くととても深いことを言ってくれるような。40代ではまだ、若く見える事が大事な気もしますが、60や70代になれば精神的に豊かな方がよっぽど魅力的!

私がバイオグラフィに取り組んだのが、42~49歳の、肉体から精神の充実へのターニングポイントの時期でした。赤色の肉体の変化を示す線しか見えていなかったら、年を重ねることは衰えでしかありません。でも、青色の精神的な変化の線を見せてもらったおかげで、「そっか、これからは精神的に成長していくことが課題なんだ」と思えました。

それを知ることで、人生後半戦もその時々の課題に沿って前向きに生きて行くことができそうです。年を重ねてどうなっていくのか、自分で楽しみにできるよう、歩んでいきたいと思います。

参考:
サイト:
(社)バイオグラフィーワーク・ジャパン
ジュピター(バイオグラフィワーカーのサイト)
書籍:
バイオグラフィー・ワーク入門(グードルン・ブルクハルト著、樋原裕子訳)
昨日に聞けば明日が見える(大村祐子著)
おうちでできるシュタイナーの子育て(クレヨンハウス刊)
シュタイナーの人生学~生きることの意味 丹羽敏雄著

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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