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【大人】アートフェスタ出展②当日までの準備と「経済の友愛」

いつも、考え方の近い人と学んでいるので、一度外に出ていろんな世界の方たちと触れ合ってみよう。そうして、自分たちの価値観を再確認しながら表現したら、響いてくださる方もいるだろう。いざ実践! ということで、美術館主催のアートフェスタに出展することにしました。

前回のアートフェスタ出展①では、目的の共有と、出展内容の方向性を決めたところまでお話しました。今回は実際に準備を始めてから当日までの事をお伝えします。

▼ブースのレイアウトを決める

出展しようと言い始めたのが3か月前。抽選結果が出て出展が決まったのが2か月前。月に1回の大人クラスだけでは準備が間に合わないので、実際の出展までに通常の大人クラスも含めて合計4~5回集まりました。全員集まるのは難しかったので、来れるメンバーだけで会場を見に行ったり、買い物に行ったり、それぞれで出来る準備も進めていきます。

前回の宿題「各自、ブースに持って来れる棚や机のサイズをはかってきてレイアウトを決める」という課題について、それぞれが持ち寄れるモノの写真とサイズをLINEで送ってきました。それを基に、ワークショップと物販ができるようなレイアウト図を考えてみます。

集まれた人と一緒に、方眼紙に実際に色を塗ってレイアウトをあれこれイメージしたのですが、これが結構大変! ワークショップをするなら机を真ん中に置いて、そしたらこの棚が邪魔、物販をするならワークショップが導線をさえぎる、受付も要るよね…。優先順位や、どの程度で折り合いをつけるかアレコレ相談しながら、必要な要素を再確認したもののやっぱり決まらない。

時間切れでメンバーが帰った後、自分の部屋にブースサイズのテープを貼り、家具サイズの新聞紙を置いてサイズ感を確かめました。普通はそこまでしなくてもわかるんでしょうけど、希望が先走って、頭が実際よりも広い空間を設定してしまうから、客観的に把握するために目に見える形が必要でした。思い込みって、事実が見えなくなる魔法のメガネですね。外すのは、とっても難しい。

さて、実際のサイズの紙を置いてみると、思った以上に狭くてビックリします。座れない、通れない、外から見えない…。家具サイズの紙をあちこち動かしていると、夫も「こーゆー感じの方がいいんじゃない?」と話に入ってきました。普段は興味を示さない人も、こっちが楽しそうにしていると巻き込まれてくれるんだ~! と新鮮です。

アレコレ検討して出来上がったレイアウト図。「こういう感じならこないだの条件満たしていると思うんだけど、どうでしょう?」とLINEで送ってみなさんの意見を基に微調整。近所に住んでいたらすぐ集まれるのですが、東から1時間、西から1時間ほどかかる方もいるので、全員で共有できるツールはかなり便利でした。

「何か楽しそうなことしてる」と、家族も手作りのものをあれこれ出してきたので、一緒に並べました。お孫さんを連れて遊びに来てくれた年配の方に人気だった、おばあちゃん手作りのパッチワークいろいろ。

▼自由な行為と義務で動くことの違い

レイアウトが決まって、いよいよアートフェスタ「つくる場」まで3週間。当日に向けて、あれこれと調整していきました。本番だけでなく、信頼できる仲間たちと1つの場を作っていく過程自体が、充実感を感じます。

義務で役目を果たす時と、こういう自由な行為との違いは、心も一緒に連れていけること。つまり、自分だけ働いたらソンだというのではなくて、自分もやりたくて、無理なく貢献できることがあるのが嬉しい、という感じです。ただ、自分たちがやりたいからやる。出展メニューが違うので、優劣の評価も気にする必要がない。ノルマもない。ただ、はじめての事に一緒に挑戦して、成功を目指して一緒に走っていけることが嬉しい!

同じ事をしていても、自分にとって義務か自由かの差はとても大きいです。自分が自由なら、相手も自由。自分を信頼しているので、相手も信頼できます。たとえ、自分にはピンと来なくても「あの人がすると言うなら、きっとステキなんだろうな」と、旗を立てる人を、心から応援できます。

信頼できる仲間が「それ、おもしろそう!」と言ってくれるなら、きっと自分にできるはず。普段比、2倍くらいの自信を持てるから「じゃあ私はこれを作って、このワークショップをやります♪」と、やってみたい事を自由に言える。旗を立てるまでのハードルが普段より格段に低くなっていました。

▼「経済は友愛」ってこういうことか!

シュタイナーの社会三分節で「経済は友愛」というのがあります。経済は、奪い合いの地獄ではなくて友愛によって与えあうのが本来の姿だ、と。でも、実際問題、グローバル経済はパイの奪い合いです。

今回「経済は友愛」のカケラが見えました。「天国は与えあい、地獄は奪い合う」という言葉がありますが、ブースの家具などの必要なものも、時間も、労力も、能力も、知恵も、「これ、使える?」と持ち寄りました。

必要なものが「私が持っている能力やモノを、みんなに役立ててもらいたい」という「友愛」も気持ちから整っていく。それが可能だったのは、顔の見える範囲、それともアートの力、損得優先的に考えずに動いたこと、いろんな要素があると思います。「経済は友愛」って、こういうことか~! この準備の期間中、一環して、私たちは天国にいたのかもしれません。いや、カラダは大変でしたけど(^^)。

▼ブースで提供するものアレコレ

私たちのワークショップは、1人1~2メニュー、10分程度でできるもの。小さな人が挑戦できるものも、大人が作って楽しめるものも、いろいろ選べるようにしました。具体的には、パラシュートづくり、ねこのぼうし屋さん、くるくるお守りゴッドアイ、紙のステンドグラス、ちいさな織りもの屋さん、にじいろ絵はがき、はらぺこあおむしの7種類。

各自作ってきたものを並べて、販売もしました。「雑草染め」の布巾、手作りのボールケース、ヘアアクセサリ、石のペーパーウェイト、人形の服、古布のポーチやパッチワーク、紙のステンドグラスキット、子どもに大人気の「指ハブ」(紙紐を筒状に編んだおもちゃ。指を入れたら抜けない!)…などなど。

準備が整ったところで、次回「アートフェスタ出展③」では当日の様子をお届けします。

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オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や書くことに関する仕事、普段の暮らしなどを通して自分の考えを深め、表現する。その結果、自由で愛のある社会に近づけるといいな。
ブログ毎日更新中。https://blog.goo.ne.jp/oneby1
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