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「四月になれば彼女は」(ネタバレ注意)

あらすじ

この映画は、精神科医の藤代俊のもとに、10年前の初恋の相手、伊予田春から手紙が届くところから始まります。その手紙は、ウユニ塩湖をはじめとする世界各地から送り届けられ、俊の心に過去の記憶が甦ります。同時に、俊の婚約者である坂本弥生が突如姿を消し、彼女は「愛を終わらせない方法は何か?」という謎めいた問いを残します。これら二つの出来事が交錯し、物語は過去と現在、日本と海外の様々な舞台を巡りながら展開していきます。感動的なラブストーリーに、ミステリー要素が加わり、美しいロケーションやキャラクターの心の葛藤が描かれることが期待されました。

疑問点と僕の感動ポイント

 坂本弥生の行動はよく理解できなかった。失ったものの1部を取り戻すために、なぜ彼の昔の彼女に会いに行ったのか意味がわからなかった。そしてこれから彼女は本当に彼とうまくやっていけるのか、僕は不安だった。僕はむしろ昔の彼女とよりを戻してうまくいって欲しかった。昔の彼女の最期の行動がとても切なかった。僕は特に伊予田春の思いや行動に深い感動を覚えた映画だった。

僕の考察

 映画の中で何回か出てくる坂本弥生の言葉、「愛を終わらせない方法は何か」と言う問い。そしてその答えは「それは愛を手に入れないことだ」と言うのだ。だが、これはナンセンスだ。それはおいしいケーキがなくならない方法、それは食べないこと、と言っているようなものだ。僕だったらこう答えるであろう「愛を終わらせない方法、それは愛し続けることであろう。」いや、そもそも愛がなくなるから困るんであって、答えになっていない、と思うかもしれない。さっきの例えで言えば、「おいしいケーキがなくならない方法は、食べ続けること」と言っているようなものだ、とあきれるかもしれない。しかし、愛が感情だと思ってるからこういう誤解が生じるのだ。愛とは行動だ。愛する事は相手のことを思って思いやりを示すこと。何かしてあげること。何か言ってあげること。そばにいてあげること。応援すること、支えること。またはその人のために犠牲を払って、自分を捧げること、そういったことが愛なのだ。だから愛を終わらせない方法はそれを続けることだ。ときには、愛情が心を満たしてないこともあるだろう。ときには愛が冷めることもあるだろう。だけど、そんなの関係ない。愛は無条件、無償なのだ。そして、愛し続けると、やがてまた愛情が心満たす瞬間も来る、愛が燃え上がることもある、そして、躓きながらも、不完全ながらも、できる限りの愛し続けることで、日々、じんわりと穏やかな常愛(僕の造語)が生活を包むものなのだ。


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