27年の金融キャリアからスタートアップへ:企業と行政をつなぐ新たな架け橋
株式会社Stayway(以下、Stayway)の社員一人ひとりの素顔を深ぼる、社員インタビューシリーズ。
今回は2023年10月よりStaywayに入社した清水 正俊(しみず まさとし)さんへのインタビューです。
金融機関で27年間働いたのち、Staywayに転職された清水さん。
「なぜ金融機関からStaywayに転職したのか?」
「Staywayでの目標は?」
清水さんのキャリアを掘り下げました!
編集部:清水さん、自己紹介をお願いできますか?
清水:ありがとうございます。清水正俊と申します。
現在50代で、これまでのキャリアは、1992年に日本興業銀行に入行してから始まりました。その後、みずほ銀行、みずほ証券、みずほ信託と金融業界で幅広い経験を積んできました。2019年にはみずほ信託でプロダクツの開発や営業を担当していましたが、そこからもっとチャレンジしたいという思いで、現在のStaywayに転職しました。
「企業と行政をつなぐ」から始まったキャリア
編集部:まず、ファーストキャリアのきっかけはなんでしたか。
清水:就職活動中に日本興業銀行と出会った時、「企業と行政をつなぐ」というこの銀行の役割に非常に興味を持ったことですね。当時はバブルの終わり頃で、多くの企業からアプローチを受けるなど就職はしやすい時代だったといえるのかもしれません。しかし、日本興業銀行には自らアプローチし、勤めている先輩に話を伺いました。
編集部:それだけ興味があったということなんですね。
清水:はい。日本興業銀行が単なる商業銀行ではなく、行政の政策を企業に実現させるための橋渡し役を果たす特殊な銀行であることに魅力を感じていました。特に、行政が描く理想を実現するために、金融機関としての力を使って支援する点が面白そうだと思いました。
日本興業銀行で働かせていただいた後は、みずほ信託での経験を通じて、補助金申請やプロダクツの開発に携わりました。これが今のStaywayの仕事にも通じる部分があると感じています。
編集部:その経験が、現在のキャリアに繋がっているんですね。補助金支援という分野も経験されていたのでしょうか?
清水:そうですね。銀行業務の中で補助金支援は一つの業務としてありました。補助金支援という業務は、ただ商品を販売するだけではなく、顧客のニーズに合わせたアドバイスや提案が求められるため、コンサルティングスキルが必要です。これまでの金融業界で培った経験が、現在の役割にも役立っています。
編集部:振り返ってみて、今までのキャリアの中ではどんな働き方が一番清水さんに合っていたと思いますか?
清水:正直、今までのキャリア全てで、常にベストを尽くしたという自負はありました。自分のキャリアの適性・適合みたいなものは、あんまりわかんないな(笑)。仕事の違いというよりは、年齢の違いの影響が大きいと思います。
編集部:年齢の違いなんですね。どう働き方が変わったんですか?
清水:だんだんと、働く上での考え方が変わったんですよね。20代のうちは「どう適応していくんだろう」「そのために何が求められているんだろう」という気持ちがありました。一方で40代、50代、とポジションが上がっていくと、期待されている部分が変わってきたこともあり「自分が組織にどういう付加価値をもたらせるんだろう」と考えるようになったんですよね。誰かが指示してくれる環境ではなくて、自分が主体的に役割を発揮しなくてはいけなくなるんです。
金融業界からスタートアップへ!Staywayで描く未来
編集部:現在のStaywayでの役割や、今後目指していることは何ですか?
清水:今の役割は、金融機関へ、補助金クラウドで実現できる世界のご紹介です。金融機関は保守的で、新しいアイデアや技術の導入には慎重な部分があります。そこで、スタートアップであるStaywayの良さを伝え、長い関係を築いていくことが私の役割です。将来的には、企業と行政、金融機関の間にあるギャップを埋めることを目指しています。
編集部:なるほど、企業と行政、金融機関をつなぐという重要な役割ですね。
清水:また、50代唯一の社員ということで、若い方と年齢の高い方の橋渡し、スタートアップと歴史のある大企業をつなぐということをしていきたいです。ありがたいことに、Staywayには若くて優秀な方がたくさんいらっしゃるので、彼らが活躍できる環境づくりをしたいです。
清水さんの組織論:オーケストラのような全体調和
編集部:以前清水さんが書かれていたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の振り返りからは、組織・他者貢献への想いなどが多く書かれていて、Staywayのバリューである「ワンチーム」を非常に強く感じます。パーソナリティについてもお聞きしたいのですが、どういった経験がこのような考え方を醸成したんですか?
清水:ありがとうございます。自身のオーケストラの活動の影響だと思います。高校の弦楽部、そして大学のオーケストラ団まで、本気で取り組んでいました。オーケスト全体調和が大切だと想像いただけると思います。
編集部:確かに、全体で揃う事ってが大切ですよね。
清水:サッカーのようなチームスポーツも、もちろん互いに協力しあうと思います。ただ、例えばゴールやアシストといった「貢献度」がはっきりとしている部分があるんですよね。一方オーケストラって芸術的なものの世界だから、べつに個々の貢献度なんて数量化されないわけですね。「3番ホールの誰々の活躍が5.0」みたいなことありえないじゃないですか。
編集部:ありえないですね(笑)
清水:オーケストラって、お客様に喜んでもらえるものを作ろうと力を結集するんです。自分のパフォーマンスはもちろん大事なんだけど、その自分のパフォーマンスを誰かに認めてもらおうっていう行動は、必ずしも褒められるもではなくて。「俺だけ目立ってやる」みたいな行動は、かえって音楽を乱してしまうんですよね。ちゃんと周りの音を聴いて、全体最適を実現するために何をしていくかということを一人ひとりが考えているんですよ。座る場所にも意味があるし、メンバーの任務にも意味があるんです。だけど別に誰かが今日のヒーローみたいなことはない。そういう考えが僕は好きなので、組織のあり方に対する考えにも影響していると思います。
編集部:素敵な考え方ですね。清水さんの「全体のために」という考え方が情熱をもって伝わってきます。
清水:ただね、Stayway全員が僕みたいな考えでもダメだと思うんです。全体調和みたいな話で、スタートアップが成功するとは思いません。競争など、ブレイクスルーのために必要なことって沢山ありますよね。私みたいな人が10人集まった企業なんて絶対に成功しないでしょう。その組織の中に色んな人がいていいし、いるべき。私には、こういう形での貢献もあるんじゃないかな、と思っています。
編集部:清水さんのお話から、オーケストラでの経験が仕事の姿勢にどれだけ影響を与えているかがよく分かりました。まさに、組織全体で一つの目標を達成するために努力するという考え方ですね。
清水:そうですね。組織全体が調和をもって動けば、結果として大きな成果を生み出せると思います。それが私の信念であり、仕事でも実践しています。
編集部:清水さんのお話から、個人の成果だけでなく、組織全体の成功に向けた貢献がとても大切にされていることが伝わってきます。スタートアップのような環境では、特にその視点が重要になりますよね?
清水:そうですね。スタートアップは特に個々のメンバーが自立して働くことが求められますが、その中で組織全体としてどう動くかが非常に大切です。また、私はこれまでの金融業界での経験を生かして、チーム内での文化的な橋渡しを行うことを意識しています。
編集部:文化的な橋渡し、というのは具体的にどのようなことを指しているのでしょうか?
清水:スタートアップは柔軟な働き方や新しい技術を重視しますが、金融機関は比較的保守的で、決定が慎重です。その間をうまく繋ぐことで、新しいことに挑戦しやすい環境を作ることを目指しています。組織内でのコミュニケーションを円滑にすることが、その一環ですね。
世代間ギャップへの適応
編集部: 転職する上で一番大変だったことって何ですか?
清水さん:実は、業務環境の大きな変化が一番大変でした。銀行では長年、Microsoft製品を使っていて、例えばOutlookやExcelなど、これに慣れていました。でも、新しい職場ではGoogleのプラットフォームでの業務が求められたんです。これまでGoogleのドキュメントやスプレッドシートなんて使ったことがなく、セキュリティの観点からも転職前の企業では利用が禁止されていたので、戸惑いがありました。
編集部:確かに大きな変化ですね。新しいツールに慣れるのは難しかったですか?
清水さん:そうですね、特に世代間のギャップを感じました。若い世代にとってはこれらのツールは当たり前で、共有やコラボレーションが便利なものですが、私たちの世代にとっては「他人が勝手に文書を編集できる」というのがリスクに見えました。これまでは、文書は自分のもので、他人が簡単に触れることなんてなかったですから。結局、ゼロから学ぶような気持ちで取り組み、少しずつ適応していきました。それに、世代間の違いを埋めるためには、私たちのような古い世代が「通訳」のような役割を果たす必要があると感じました。スタートアップ文化の先進的な考え方を、私たち世代の伝統的なビジネスにどう取り入れるか、逆に伝統的な考え方を若い世代にどう理解してもらうか、両方が必要なんです。
「自分の可能性を信じて挑戦する」:転職を考える人へのメッセージ
編集部:清水さんから見て、どのような人がStaywayでのキャリアに向いていると思いますか?
清水:一番は「自分のポテンシャルを活かしきれない」と感じている人ですね。現職で自分のやりたいことができないとか、自由にチャレンジができない状況にあると、「本当にこれでいいのか」という疑問が湧いてくると思います。実際、私も今までの職場での経験を通じて、そのような思いを感じることがありました。「もっと自分らしく働きたい」とか、 「新しいことに挑戦したい」という気持ちが強くて。組織のルールや文化が厳しくて、自分の意見やアイデアを自由に出せないとか、決まりごとが多すぎて動きにくいと感じている人は、転職を考える価値があるんじゃないかと思います。今いる環境で、『これがやりたいのに、できない』と感じているなら、外に目を向けるのも一つの手だと思います。
実際、私も新しい環境に飛び込むことで、自分が思っていた以上の成長を実感しています。最初は不安もありましたけど、結果的には「この決断をして良かった」と思える瞬間が多いんです。だからこそ、リスクを取ってでも、自分の可能性を広げたいと考える人には、転職は大きなチャンスだと思います!
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