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深夜に巻き込まないでいただきたい

いつかこんなことになるだろうなとは思っていた。

思っていたがそういうことは当人同士で解決していただきたいと思う。


高校時代部活と塾で忙しかった娘は大学生になってバイトデビューした。

初めてのバイトは徒歩圏内のコンビニ。

コンビニって時給安いしその割に覚えること沢山ありそうなので大変そうだよと助言したがネットの口コミで評価の低い徒歩圏内のコンビニを自分が変える!と意気込んで始めた娘。

案の定「あかんわ」とすぐに辞めることとなった。

最終的な決定打は夫までもを巻き込んだちょっとした騒動だったのだがその話はまたいつか。(最近その話はまたいつかと言っておきながら全然その話をしていないことに気づきつつある)

やっぱりせっかく働くなら効率的に稼げる方がいいと言って次のバイトは居酒屋に決めて来た。

酔っ払いの相手しないといけないし飲食は大変だよと助言したが最初の2ヶ月ほどは「飲食余裕!てか自分に合ってる」と楽しそうに働いていた。

娘が働いていた居酒屋は特化型でチェーン店の割には落ち着いた客層だったのだがそのうち本来受かった居酒屋が暇な時に忙しい店舗のヘルプにまわされるようになった。

それが学校からも自宅からも遠いところが多くだんだん移動で疲弊するようになってきた。そもそも社員ならともかく入って数ヶ月のアルバイトを忙しい店舗のヘルプに出すというそのチェーン店のやり方もどうなのだろうと思うがそれ以上に数少ない社員はこき使われていたのでしょうがないのかもしれない。

少し打ち解けた本来の店ではなく知らない人の中に放り込まれるヘルプに嫌気がさしたようで私の予想とは反する理由ではあったがほどなく居酒屋にも行かなくなった。

そしてコロナの最中に決めて来たのがレコード屋という今のバイトだ。

娘はお笑いと音楽が好きでやっぱりバイトも好きなことがしたいというのが理由だった。

本当はその前にお笑い劇場の売店も受けたのだがそちらはダメだったそう。

レコード屋は受かったには受かったのだが緊急事態宣言もあり初バイトもお預けでこの数ヶ月を過ごしていた。

やっと宣言も解除され世の中のムードも少し回復し娘のバイトが始まった。

ちょうど今は大学が前期全てオンラインになり学校に行く必要もないということで新人にしては多いシフトを入れてもらい楽しそうに通っている。


昨年末娘は免許を取った。同時期に夫が得意先を一つ失った。同時期に母がもう車に乗らないからと言って娘にマイカーをくれた。

これだけで胸騒ぎのする条件が揃った。

現在娘は最寄り駅までマイカーで行きそこから電車に乗ってバイト先へ行っている。バイト先からは自宅へ帰るより私の実家に帰る方が近い。

以前もそうだったが娘はたびたびバイト帰りに自宅に帰らず実家に帰っていた。母はそりゃもう大喜びだ。可愛い孫が自分の意志で実家を帰宅先に選んでくれるのだから。私にしてもなかなか行けない実家に娘が顔を出してくれるのがありがたかった。


昨晩さて寝ようかというタイミングでバイトに行っていた娘から電話があった。「今終わってんけどばぁば(私の母)のところに帰ろうかと思う」

「(22時過ぎだったので)まだ起きてるかなぁ。起きてたら行くといいよ」

母は起きていたらしい。ほどなく「ばぁばのところ行く」とLINEがありそれを見て私は就寝した。

2時頃ふと目が覚めてiPhoneを見ると娘からの着信とLINE。「明日父ちゃんバイトやった。どうしよ」


我が家は家族3人タイムツリーでスケジュール管理をしている。

そういえば確かに昨日だったか一昨日だったか夫の「バイト」が書き込まれていた。得意先を一件失った夫は新しい仕事を探さなければいけないのだが不定期な本業がネックになって探しきれず最近は空いた日に単発のバイトを繰り返している。母から娘がもらった車に乗って。

私も娘も娘の車ありきで仕事を決めて来る夫には多少不服だったのだが時は緊急事態宣言中。娘の車は毎日車庫に停まりっぱなしだったのでそれほど不都合もなくここまでずるずると来てしまった。


夫は就寝中携帯をリビングに置きっぱなしなので着信やLINEには気づかない。私は万が一の目覚まし代わりに携帯をベッドに持ち込んでいるので深夜娘からの連絡を受けるのは必然的に私になる。娘の相談を見るには見たが深夜もうどうしようもないし私も眠たかったので返信はせずに再度ベッドにもぐりこんだ。

ほどなくして着信で目が覚めた。娘は寝るに寝られず諦めずにかけ続けていたようだ。

「しょうがないよ。もう今更」

「そもそもやで。おかしいと思わん?私の車やで」

「うん。そうやな」

「どうしたらいい?」

「どうしたらいいやろな」

私は翌日仕事だ。この時の時刻は深夜3時前だ。全くもって回転しない頭でぼんやり考えた。

「駅まで自転車で行ってもらうしかないな」

「いいこと思いついた!駅まで自転車で行ってもらって私の車でバイト行ってもらって帰りにばぁばの家に迎えに来てもらうっていうのは?」

「じゃ、そうやってLINEしとき」

娘は短い文章で何度もLINEを送っているらしくそれからしばらくLINEの着信が鳴り続けた。その音をBGMに私は再度眠りについた。


母が娘にくれた車を夫がバイトに使うのは間違っている。母はそのために自らの身動きが取れなくなるのに車をくれたのではない。夫のバイトのために娘が行動を制限されるのもおかしい。車は娘のものなのだから。

しかしだ。一番おかしいのはこの騒動に深夜私が巻き込まれることではなかろうか。なぜ眠い目をこすり朦朧としながら解決策を私が探さねばならないのだ。


2人には早急にこのような事態になった場合にはどうやって連絡を取りどうやって解決をするのかを自分たちで完結するように申し渡さねばならない。

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金色
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