FA杯準決直前!!三笘薫をデータで紐解く - ブライトンの中心選手として、マンチェスター・U戦に挑む
初挑戦となったプレミアリーグで強烈なインパクトを残し続けている三笘薫。日本を代表するアタッカーは、日本時間の4月24日、午前0時30分にFAカップ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドと対戦する。今夏の移籍市場でも注目選手の1人に数えられている三笘薫をデータの側面から紐解いてく。
チームの主軸へ
今季開幕直後は出場機会に恵まれず、チームとしてのリーグ戦最初の11試合のうち、出場したのは7戦で、これらはすべて途中出場だった。転機となったのは自身のプレミアリーグ初先発となった、昨年10月29日に行われた第14節チェルシー戦。この試合で加入後初の得点直接関与となる1アシストを記録するとともに、チームとしてはデ・ゼルビ体制でのリーグ戦6試合目で初勝利を挙げた。
この試合でチャンスをものにした三笘は、これ以降に自身が出場した公式戦23試合のうち、21試合で先発出場を果たしている。さらに、チームの中心選手としての立ち位置を獲得したことを示すのが、ブライトンの直近19試合にすべて先発しており、これはチーム内でも三笘とパスカル・グロスの2名だけであるというデータだ。
特筆すべきは先発の機会が増えただけではなく、自身の出場がチームの成績に直結している点である。ブライトンは今季公式戦で三笘が先発した試合の勝率が68.2%に対して、途中出場及び欠場した試合の同率は35.7%に留まっている。また、平均得点でも先発時の2.5点に対して、それ以外では1.4点と1点以上の開きがある。
欧州屈指の”推進力”
昨年11月から約1か月間に渡って開催されたワールドカップ以降の躍進にも注目せざるを得ない。大会後に出場したリーグ戦15試合のうち、9戦で得点に直接関与していて、この間の同関与数は、ソロモン・マーチの12点(7ゴール+5アシスト)に次いでチーム2位の9点だ(6G+3A)。
自身最大のストロングポイントであるドリブルでは、欧州5大リーグの中でも圧巻のスタッツを残している。W杯以降のリーグ戦で、10m以上前進した*キャリー数が、レアル・マドリードのヴィニシウス(101回)に次いで2番目に多い82回を記録している(※アタッカーの選手限定)。W杯でも脅威となっていたドリブル時の推進力は、データ上でも欧州屈指の数値となっている。
*キャリーとは、ボールを5m以上移動させること。
さらにドリブルするエリアにも注目したい。今季プレミアリーグでは、敵陣PA内でのドリブル数が全体最多の25回を記録。また、同エリア内でのタッチ数でも、現在ブライトンに所属する選手ではチーム最多の5.5回と高い数値を残している。
ゴールに近い位置で自身の特徴を効果的に活かしているからこそ、今季の結果に繋がっている。一方で今年3月に行われた日本代表として出場した2試合では、ともに先発出場しながらも、敵陣PA内タッチ数はコロンビア戦で得点に繋がったヘディングシュートの1回のみと対照的な数値となった。
FAカップ “強豪”リヴァプール戦でのインパクト
今季ここまでのハイライトはFAカップ4回戦のリヴァプール戦だろう。この試合では後半アディショナルタイムでの劇的な決勝点もさることながら、リヴァプールの右サイドバックに入ったアレクサンダー=アーノルドを得意のドリブルで切り裂くシーンが数多く見られた。実際にこの試合でのドリブル数(11回)及び同成功数(7回)は、ブライトン加入後の公式戦1試合で記録した数値としては両項目とも自己最多だった。
今季のFAカップに3回戦から参戦しているブライトンで、三笘はすべての試合に先発出場を果たし、各試合で得点に直接関与している。今大会の得点直接関与数はチーム最多の4点で(2ゴール+2アシスト)、準決勝進出の立役者といっても過言ではない。
また、マンチェスター・ユナイテッド戦で得点かアシストを決めると、同一シーズンのFAカップでは、ロメウ・ルカクが2017-18シーズンに記録して以来の、3回戦から準決勝までのすべてのラウンドでの得点関与となる。マンチェスター・ユナイテッド戦でも数字という結果を残し、クラブを1982-83シーズン以来史上2度目のFAカップ決勝進出に導けるか、注目だ。
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