こどもに「私、うつかもしれない」と言われたら
こんにちは、あかりです。
Twitterで以下のツイートを見つけて、「『うつかもしれない』ってことを両親に内緒にしたくなる人や、両親に言えたけど認めてもらえない人もいるんだな」と感じ、この記事を書くことにしました。
ここには、こどもに「私、うつかも」とか「精神科を受診したい」と言われた両親に知ってほしいことを書きました。
1、本人の怠惰ではない。
まず初めに言いたいことは、「うつ症状は病気であって、決して本人の怠惰ではない」ということです。両親からしたら、「なんだか最近ダラダラしていて、しなくてはならないこともできていない」「ただサボりたいだけなんじゃないの?」と思ってしまうかもしれません。しかし本人は、あなたが思っているよりも苦しんでいたり、治したいと願っているかもしれませんよね。
また、「日本人の13人に1人は生涯の間にうつ病にかかる」という話もあります。
うつ病は決して、珍しい病気ではないのです。
2、うつ病の定義
うつ病の定義はひとことでは言えません。「うつ病」は精神病のひとつなのですが、たくさんのチェック項目のうち、いくつ当てはまったらうつ病、という診断の仕方を医師がするのが一般的です。
あるいは「病気かどうか」を判断する基準のひとつとして、「社会活動をできているかどうか」というものがあります。学校に行けているか?仕事に行けているか?などの基準ですね。
私が今まで聞いたことのあるうつ症状には以下のようなものがあります。
この他にも様々な症状があります。気になった方はネットで調べてみてください。正確な判断をしてもらうためには、医師の検診を受けましょう。
3、治療が必要な場合がある。
そして、うつっぽい症状が2,3ヶ月以上続くようなら、精神科を受診すべきです。もっと早くに受診してもいいです。
うつ病も「早期発見、早期治療」が大事です。放っておくと、ますますうつっぽい症状が深刻化するかもしれません。そして最悪、本人が死を選ぶかもしれません。
また、精神科の初診の予約はすぐにはとれません。精神科は、すでに治療中のうつ病患者の検診に時間を割かれるため、新たに治療を受けたい人が予約を取ろうとしても、数か月以上待たされる可能性があります。
ですので、早め早めの行動が必要です。
という不安があるようでしたら、あくまで私の考えですが、以下のことを実行することをおすすめします。
⑴本人が休みたいと言っているのであれば、学校や仕事をしばらく休ませる。
⑵家でじっくり休養を取る。
「一刻も早く治すために、何かしなければ」という気持ちになるのは分かりますが、うつは長期的な計画でもって治療する必要があります。本人は「うつかもしれない」と思っているわけですから、焦りや悲しみ、失望などネガティブな感情になっている可能性が高いですよね。まずは「一緒に治療に取り組んでいくから、安心していいよ」と伝えてあげてください。本人は「私はうつかもしれないと思っているけど、両親はどう思っているんだろう」と不安に思っていると思います。だから両親は、自分たちが今どう思っているのか、率直に伝えるべきだと思います。相手の気持ちがわからないのは不安になりますよね。それはお互い様なのです。
と疑問に思う方もいるでしょう。イメージしやすいのは、あなたの娘、息子が風邪をひいたとき、何をするかです。家庭によっても異なるかもしれませんが、我が家では誰かが風邪をひくと、部屋の温度や湿度を快適に保ったり、本人が食べられそうなものを準備したり、こまめに熱を測ったりします。
これを応用すると、
・家の中の環境、特に本人の自室の環境を快適に保つ。(温度・湿度・香り、騒音がないようにする、見ていて不快なものを見えないところに置くなど)
・本人が食べられそうなもの、食べたいものを準備する。
・できればこまめに話を聞く。ただし、本人が話したくないと思っているなら、無理に話そうとしない。人によって、「手紙だと気持ちを伝えやすい」、「電話の方が話しやすい」、「目を合わせずに話したい」など希望があるかもしれないので、聞いてみるのもいいですね。
一番大切なことは、「本人がどうしたいと思っているか」を聞いてあげて、なるべくそれを叶えてあげることです。金銭的、時間的、肉体的に無理なことは、しなくても構いません。しかし、その場合も本人と話し合い、折衷案を見出す努力をしてください。
4、うつの治療法について
もし精神科で「うつ病」あるいは「そのほかの精神病」と診断されたら、どんな治療が待っているの?
これを知っておきたい方のために、基本だけお話します。
うつの治療の基本は「薬物療法、心理療法、休養」です。
⑴薬物療法
まず、うつ病の人の多くが、なんらかの自分に合った薬を長期的に飲みます。いわゆる「精神安定剤」です。種類はたくさんあって、人によって処方が変わります。この薬には依存性はありませんのでご安心ください。ただ、一部の睡眠薬には飲みすぎると「飲まないと眠れなくなってしまう」ことがありますのでご注意ください。こういう話は担当の医師がしっかりとしてくれますのでご安心ください。
⑵心理療法
心理療法には様々な療法が含まれているので、ここですべてはお話しません。こちらも人によって何をするかは担当医やカウンセラーの判断により様々です。
私が経験したものを羅列すると、以下のようになります。
・IQテスト
・カウンセリング
・おえかき療法
・運動療法
・通電治療法
・認知行動療法
今思いつくのはこれくらいです。ちなみに私は入院経験もあります。「入院してる間は何をするの?」という疑問にお答えする記事も、今度書こうと思います。精神病棟への入院って、ただ寝てるだけではないんですよ。
⑶休養
最後の休養は基本的には「学校や仕事を休んで家で静かに療養すること」です。しかし人によっては、登校や仕事を続けながらうつの治療を進める人もいます。私も保健室登校を経験したことがあります。
5、「寛解(かんかい)」という考え方
最後は寛解という考え方についてです。
骨折をして、それが治ったときは「完治」と言いますよね。しかし、うつ症状が減っていって、ほぼ完全に治ったなと本人や医師が判断した際は、「完治」ではなく「寛解」と言います。
なぜかというと、うつは一度治っても、その後の人生で再発する可能性があるからです。なのでうつ病においては「完治」とは言わずに「寛解」という言葉を使います。
終わりに
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
ここに書いたことは、あくまで素人の私の知識です。私は5年半、双極性障害(躁鬱病)と向き合ってきました。その中で見たり聞いたり教わったりした内容をまとめました。
私の場合は母が精神科医だったので、比較的すんなりと初診、そして治療に進めました。しかし、いま苦しんでいる人の中には、親からの理解が得られなくて悩んでいる人もいると思います。
いきなりすべてを理解しろなんて乱暴なことは言いません。本人の気持ちは、究極的には本人にしかわかりません。わからないからこそ、勇気をもって自分の大切なこどもと向き合ってほしいです。
もっと専門的な知識、正確な知識を知りたい方は、ネットや書籍で調べてみてください。今は精神科医の人もYouTubeで動画を出している時代です。情報は得やすい環境にあると思います。
最後になりますが、あなたの大切なお子さんが、少しでも早く「生きるって楽しい」「まぁ生きてみるか」と思えるようになることを願っています。一緒に戦ってあげてください。