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"無意識"が生み出す体験の変化 / "サブスクリプション"をUX側面から捉える

MaaSの記事書いているときに必要になったので別立てで書かせてもらいます。
今回は「定額制」について。本来はブランドへのロイヤルティの話と近いのですが、世の中には単に「流行りだから、収益性が高いから、利用者にとってのコスト対効果が良いから」くらいにしか意識されないこともあるかもと思い、きちんと言語化してみます

従量課金や定額課金などの「価格体系」は、体験に大きな影響を与える。身の回りのものでみなさんも結構体験しているかも、という記事です。
ちょっとマニアックです。

例えば、動画見放題のサービス

動画見放題の価値・UXのキモを、「対レンタルのコスト対効果(3本レンタルするなら定額払ったほうが得、など)」として捉えると体験がバグります。コンテンツの消費行動が代わっており、得られる体験はレンタルとは全く別物になることを抑える必要があります。

少し解説を。※すでにイメージついている人も居ると思うのですが念の為…

レンタルの際、お金は「選択」の対価です。「選択」の時点で対価への意識が発生するためコンテンツ選定に対して非常に慎重になり、"せっかく選んだ"のだから「本気で見ないと行けない」と体験にFBがかかります
結果、本気で見たいコンテンツ(≒一定面白さを保証された話題の映画など)しか消費されなくなります。

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見放題になった瞬間に、選択と視聴の重圧から開放されます。「一旦見てみて面白くなければやめれば良い」「ながら見/流し見でも良い」となった瞬間に、外で見る/料理をしながら見る/とりあえず流しておくという新たな視聴体験が可能になります。
だからこそレンタルでは借りないようなドラマ・バラエティ番組の消費が進み、結果コスト対効果を感じ、継続につながっていく、という構造が引き起こされている気がします。

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提供している価値が違うからこそ、動画見放題サービスでメインに消費されるコンテンツは、レンタルと重複しないはず。
また、レンタル店では必要なPOPやあらすじなどの魅力づけも、見放題になった瞬間に概ね不要になりますよね。

「価値の捉え方」に関する小言
つまりサービス設計の方針は、「見放題、という世界観の中で心理的ハードルなく様々な作品を楽しめること」を突き詰めるべきになるんですよね。
元々の「コスト対効果」を価値と捉えると、単に「レンタルよりも10円安く借りられればよい」という方向性となり、例えば見放題の世界観に都度課金(でもちょっと安い、しっかりと視聴するもの)が混在し、元々の価値を阻害してしまう可能性などが出てきてしまいうるんです。

他にも例えば「インターネット」も「放題」によってそのあり方を変えた存在だと思っています。

だいぶ遡りますが、時間に応じた従量課金だった世の中は、「如何に早く目的を達成するか」というGoogleのような世界観のみが成り立っていました。

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今やネットの進化・スマホの台頭もあり、常につながっている・アクセスできることが当然の状態。お金のことも気にしなくなった結果、目的なく時間も決まっていない「Instagram」のようなサービスが繁栄した、と捉えうる。従量課金だけだったら、スマホがなかったら、Instagramやfacebookは今の形ではなかったように思います。

最後に: 定額制にするのであれば、「価値を提供し続ける」ことから逃れられない

単にコスト対効果でものを言う世界ではなく、「継続的にお金を払う価値をどこに見出すか」という本質的なお話だなと思ってます。

企業としては、一つのプロダクトで継続的に価値提供をするのは難しいので、「何に対しお金を払ってもらっているのか」を再度検討した上で、プロダクト切りではなく「価値」切りの組織体制になったりするとおもろいなーとかは思ったり。理想論ですけどね。

いつもどおり拙い記事ですが、読んでくださりありがとうございます。

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