見出し画像

はたらく女性が縛られているもの

かっこいい女性たち

好きな映画TOP3は長らく「プラダを着た悪魔」、「最後の恋のはじめ方」「ホリデー」(その後これに「はじまりのうた」が加わった)。そして「プラダを着た悪魔」のモデルが実在のVOGUE編集長アナ・ウィンターと知ってから、アナのインタビューとか密着とか「メットガラ」とかみるのも楽しい。テレビ番組では「セブンルール」が好き。また高校生のとき「小さな巨人」といわれたUNHCRの緒方貞子さんの姿をみてかっこいいと思い、あこがれた。そして2012年頃知ったメリンダ・フレンチ・ゲイツの存在も忘れてはならない(メリンダの著書「いま、翔び立つとき(The Moment of Lift)」も素晴らしい。ジェンダーギャップの問題は形や程度は異なるものの世界共通に存在していることや、ジェンダー平等がより良い社会につながる実例を見せてくれる)。

自分の可能性(ポテンシャル)というものをちゃんと考えて生きてこなかったし、私なんて•••(大したもんじゃありません、空気みたいな存在です)みたいな発想が深く染み込んでいたから、なぜこのような映画や番組が好きなのか意識したことはなかった。だけど、最近、ジェンダーに基づく構造的差別とか生きづらさというものがあることを知り、それを知ってから自分の過去やみてきた景色を振り返ってみれば、なるほどなと思うことも多い。私がこれらの映画やTV番組や人物が好きだったのは、みんな働く女性が輝いてるからだったんだなと気づいたこともその一つ。

女性自身をしばる悪癖

「How Women Rise」が目からウロコ(ちなみに邦題は「コーチングの神様が教える「できる女」の法則」なのですが、正直ちょっと手に取るのが恥ずかしいので、ぜひ英語のままかもっとスタイリッシュな邦題にしてほしい)。12の女性特有の(キャリアの観点からみたときの)悪癖が書かれているのだが、たしかにそうだと気付かされ、これを変えるだけでもだいぶ自分の働き方や仕事への意識を変えることができるのではないかと思った。

悪癖としてあげられているのは、たとえば、自分はこれだけやりましたという成果をアピールしない、コツコツやっていれば誰かが見ていてくれているはずと期待する、喜ばせたい病で自分にメリットのない依頼も断れない完璧主義になって周りに頼れない、などなど。

自分に当てはめてみても、滅私奉公していれば報われる(はず)と信じていて、自分の成果を過小評価したり(自分なんて…的思考)、面談でアピールなどしたこともなかったし(評価を聞くだけ)、完璧を求めすぎて時間がかかるし(ある程度やったら人と会話しながら進めた方が効率的だしいいものができると最近気づく)など、思い当たる節がありすぎる。

もう一つ気づいたのは、なんとなく自分自身にリミットをかけていた(悪くいえば言い訳して努力しきれていなかった)と思う。自分のポテンシャルについて真剣に考えていなかったし、たとえば緒方貞子さんに憧れても、それはそれこれはこれ、みたいな感じで実現するようなものとして取り合ってこなかったなと思う(緒方さんはあくまで特別な人であって、自分にとってのロールモデルであるという発想はなかった)。自分自身を尊重していないというか、まぁ女性だしね、そこまでがむしゃらにやらなくてもみたいなところがあったなぁ気づいた(ミソジニーの内面化、という言葉を知ってめちゃくちゃ腑に落ちた)。

遅ればせながら、人生はまず何よりも自分の人生だから、何をやりたいのか、そのためにはどうしたらいいのかを明確にすることが大事だなと思った。アサインされた仕事が自分のやりたいこと・身につけたい能力に対してにどう役立つか、どういうやり方でやれば役立つかを考えながらやること、単純に時間をかければ良いわけではなく、目的から逆算して効率的にこなすこと、発表やアピールまでが一連であって内容を練りに練っても伝わらなければ意味がないこと(だから伝え方が苦手ならそこに割く時間も考慮すべき)など、日々の自分の仕事のやり方を再構築する良いきっかけになった。

あとやっぱり「You can’t be what you can’t see (みたことのないものにはなれない)(Marian Wright Edelman)、だからこうなりたいと思えるロールモデルにたくさん出会いたいし、出会う人は皆ロールモデルなんだという視点を持って過ごしたいと思う。

女性自身をしばる悪癖の一端

最後に一つだけ。女性がこういった悪癖を持つようになったのには、少なからず社会的背景はあるのだろうと思う。はたらく女性のロールモデルは少なかったし(今は45%の女性が働くようになっているが、管理職の女性となれば今でもまだまだ少なくて15%程度)、女性の場合は能力と好感度はトレードオフだなんていう調査結果もあるところ(「Work Design」という本はジェンダーの観点での事実調査を前提に、ジェンダー格差の克服にどういったアプローチが有効かが書かれていてとても興味深い)。だから、多くの女性が自覚的に行動するとともに、社会もそれを受容する方向に変わっていかないとなと思う。




いいなと思ったら応援しよう!