土曜日のちょっとした日常~電車の中~
土曜日の夕方頃、電車に乗っててスマホを眺めていた時。
ふと前方を見たら、自分の中で顔がめちゃくちゃタイプの人がいる。
私が電車に乗った時には前方にこの人はいなかったのに、いつどこの駅から乗ってきたのだろうか。
心の中はめちゃくちゃ興奮していた。
電車が着くまでの短い間でも許されるなら、お顔をずっと眺めてさせていただきたい。
もちろんご迷惑をおかけしない形で。
いつもは時間が止まってくれれば・・なんて思わないほうだけれど、今日いまこの時ばかりは、このままちょっとの間だけでもいいから時間が止まってくれてもいい。
これが一目惚れとうやつなのか。
もちろんあまりジロジロ見ては失礼だと思って、吊り革広告や外の景色へ視線をずらすが、やっぱり気になってつい見てしまう。
こういう時に透明人間だったら誰の目を気にせず誰にも迷惑をかけずに眺めていられるのに・・。
もしくは、この人の生写真とかトレーディングカードとか手元に隠し持ってチラッと見ていられれば、不審者扱いもされなくてすむのに。
終着駅に着いた時、その前方の人も私と同じタイミングで電車から降りたが、
ふと目があって私の方は一瞬ドキッとしたものの私を見る目が「何か用ですか…」と言わんばかりの相手を不審がる目つきのように見えて、
私はすぐに目をそらした。
とりあえず不審者と思われないように平然を装うしかない。
「何でもないですよ」という表情を全力で作り上げて急いでその場を去った。
またこういう超絶タイプの人が目の前に現れるなんていうビッグチャンスは訪れないものか。
ビッグチャンスなんてそんなに訪れるものでもないし、
もしかしたら、ここで今年の運気を全部使い果たしたというのなら、それはちょっとひどい話で・・。
でも、今日のこの10数分間だけで言うと、今日は良い日だったことには違いない。
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