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小さい頃の夢は、現在停滞期。

小さい頃。私の将来の夢は「可愛いお嫁さん」になることだった。

28歳になって3日目の昼下がり。

手作りの弁当をつつく私はため息をついて、雲ひとつない空を見上げた。清々しいまでの青い色。

「こんないい天気なのに仕事してんの?」って太陽にも笑われている気がしてならない。

上村もと子、28歳。独身な上に今現在付き合っている人もいない。

そして実家暮らし。

しかし、3つ年の離れた妹は、20歳の時に子供ができて結婚。"デキ婚"という皮肉な言葉も、今は"授かり婚"という素敵な響きに変わっている。

両親は「順番はキチンと守りなさいよ」なんて怒ってたけれど、やはり出来のいい妹のことだ。最後は喜んでいた。いつも比べられてばかりだった妹と、仲は良くなかったけれど、ただただ、今は姪っ子が可愛くて仕方がない。

私は3年前に婚約破棄をされて、もう恋愛はご無沙汰だ。果たして、私の将来設計図はどこにあるのやら。

それでも仕事は溜まるし、お腹は空くし、本当は恋愛したいし、地球は回る。

空は青いというのに、なぜか私の周りだけ雨が降っているようだ。

「しょっぱい…」

玉子焼きの塩を入れすぎたかな。それともこれは私の……。


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