見出し画像

◆神社が描く星図の世界 玄武と朱雀

~神社星図を描くための基準線~

天を地上に呼応させる(分野説)ために、『陰陽五行の理』を計り整える必要があった。
古来、天は五行説に基づく『四神・二十八宿』で表された。
北方守護の四神『玄武』は北天の星座を重ね、東国に対応させ、
南方守護の四神『朱雀』は黄道の星座を重ね、関東~九州まで広く対応してる。

これらを描く点となるのは『名神大社』『一之宮』など地域を代表する有力な古社だ。

名神大社を中心に国土地理院地図(電子国土Web)上にプロットする。


★『玄武』を描く基準線玄武は亀に蛇が絡まった姿で表現されるが、『亀』を表す亀甲=【六角形】と【黄金三角形】を利用した『稲妻型の蛇』で表されていると考えた。

六角形を描く基準点となるのが『富士山』『立山(雄山)』『日光男体山』の三山。この三山は約170kmの辺をもつ【正三角形】をつくる。不思議である。

山は測量のベンチマークか?それにしてもきれいな正三角形

一方 蛇を描く基準線となるのが円を10等分して得られる【黄金三角形】だ。

列島を覆うように連なり、黄金三角形グリッドをつくる。

円の十等分から黄金三角形⇒列島を連なる配置
朱雀図と玄武図
東国の玄武図・大鳥大社を中心とした朱雀図  星図を重ねる

起点を志賀海神社と想定した。
このグリッドの頂点は、『北天の星座』北極星・北斗七星や織女星(ベガ)や『二十八宿』オリオン座(参宿)、ふたご座(井宿)、さそり座(心宿・尾宿)、いて座(斗宿)など星図を配置する基準点にもなっている。

さらにこの黄金三角形をベースにした7つの神社で構成される『立体的な亀甲』が5つほど列島に連なっている。
各地方を覆うように配置されている。

黄金三角形から立体的な亀甲図

★『朱雀』を描く基準線朱雀は南方を守護するため、都の南の城門は『朱雀門』といわれる。

『四神相応』の考えでは、南方は湖沼や池が良いとされる。例えば平安京では南方に『巨椋池』があったことで知られる。

『大鳥大社』は、その朱雀を描くための中心点である。

その大鳥大社が『和泉国』一之宮であるのも興味深いところだ。

同じ円の10等分線が基準になるのだが、経線より【12度】傾けたラインが中心軸となる。

3つの同心円上の神社を結ぶことで中心軸の東西に大きな翼を広げた『朱雀』図を得ることができる。

大鳥大社を中心としてできる朱雀図

★神社が描く図形 まとめ

玄武図と朱雀図を描き、それに星図を重ねることが目的だと推測する。

①玄武図(正三角形を基準に六角形で表す亀甲を亀、稲妻型の蛇)

②朱雀図(大鳥大社を中心とした同心円)

③黄金三角形グリッド(円の10等分より作・星座の配置のための基準)
⇒ジグザク型で稲妻を連想 蛇を表す
⇒立体的な亀甲図 玄武、霊亀など亀を表す。7つの神社で構成するので【七曜紋】を表すか?
(出雲大神宮・高良大社・大山祇神社・諏訪大社・伊香保神社は天頂となる神社)

立体的な亀甲図は『七曜紋』か?

④星宿図(星座を構成する神社 北斗七星やオリオン座など二十八宿を中心に)

朱雀図と玄武図に星図を重ね対応させる

これらを描くための『主軸』を読み取ることができた。
『志賀海神社』と『二荒山神社』を結んだラインである。
この中央に名神大社でつくる五芒星がある。

志賀海神社と二荒山神社(北極星)を結んだライン上に規則的に並ぶ名神
モデル化

ところで『四神』なのであるから、四神のうち『青龍』と『白虎』はどうか?

玄武や朱雀のようなそのものを描く図形は今のところ見出すことはできない。

しかし、
【参宿】⇒白虎 オリオン⇒東海地方が対応
【井宿】⇒朱雀 ふたご座⇒近江が対応 琵琶湖
【心宿】⇒青龍 さそり座⇒阿波・讃岐・淡路島
【斗宿】⇒玄武 いて座 ⇒伊予

が対応二十八宿を七宿ずつ四神に対応させるので、星座では表現されていると考える。

天は四神二十八宿
高松塚古墳天井星宿図
神社がつくる星図の世界


【鳥】や【亀】と違い【龍】や【虎】をシンボル化した図形は難しい。

プロットした神社は、この①~④の図形のいずれかにおおよそ属し、重複するものもある。

また山や島などを構成点に加えたものもある。

これらの国家プロジェクトは、天武天皇の時代に成されたものではなかったかと推測している。

古事記や日本書紀の内容にリンクするような点もあり、詳細は今後の課題となっている。

星読みに長けた古代航海民族、海を統括していた氏族の活躍も想像される。『日本書紀』に【天文・遁甲】をよくするとある天武天皇はかつて『大海人皇子』であった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?