8年目のシェアハウス
6月になりました。GWが終わりほっと一息つけるかな、と思ったけれど、なんだかバタバタ。もはや何が仕事かプライベートかわからないような仕事をしていると、「お休み」という概念もなくなりつつあって、意識しないとゆっくりもできないのが最近の悩みです。
さて、どんなに忙しくても6月になると、必ず思い出すことがあります。
そう、6月1日は、古民家シェアハウス「星空の家」の誕生日。
今に続く最初のきっかけでもあったこのシェアハウスの誕生日は、毎年どんなに忙しくても忘れません。
毎年この日が来る度に、ちょっとだけ立ち止まってこれからのことを考えて「よし!」と気を引き締めます。通過点でしかなく、大きなことだけど大げさなことではなくて、でも自分にとっては大切な節目なのです。
古民家シェアハウス「星空の家」も7周年をむかえ、8年目に入ります。
長かったような、あっという間だったようなそんな7年。何かを新しく始めることも大変だけど、続けていくのはもっと大変。毎年毎年そんなことを思います。
私がシェアハウスを始めた当時は、「いなか」で「古民家」で「シェアハウス」はとっても珍しかった。でも、今では多くのシェアハウスが生まれ、もはや珍しものではなくなりました。
時代と共に世の中も変わり、シェアハウスが一般的なものになってきたんですね。よき方向に変わっていくことは、とても良いコトですが、一方で続けられずになくなっていくものも生まれてきました。
そう、シェアハウスって箱をつくればいいってものではないんです。
「他人と一つ屋根の下で暮らす」ってそんな簡単なことではないんだと、今振り返ってみて思います。
いくらニーズがあるとはいえ、古民家リノベーションしてシェアハウスつくりました。さぁ、だれか入って!だけでは、たぶんもううまくいかないし、入居したいという人も、もはやこないと思うのです。
「心地いい暮らし」って人によって全く違うもの。その意識のすり合わせとかシェアハウスで暮らす目的とか、本当はとても大事なことで、きちんと共有した方がいいのだけど、まだまだ重要視されていないのか、多くはできないでいるような気がします。
また、お掃除をしたり、草刈をしたり、一見地味だけどとても大切な「家を整える」こと。それに気づかず、形だけ「シェアハウス」をはじめて、結局続けていかなくなったという話も聞きます。
こういうことをしていると、同じようにシェアハウスをしている方とお会いする機会も増えます。それぞれに多様な苦労や悩みを抱え、様々な意見交換もするのですが、多くの皆さんが口を揃えて言うことは「日々のことは肌で感じなければわからない」ということ。
「人が変われば家も変わる」。
シェアハウスの運営仲間とよく話をすることです。目に見えることではないけれど、この変化に気づけるかどうか。これがシェアハウスの運営に向くかどうかの一つの基準のような気がします。
人が入ったら何もしなくていい、ではないのです。入居してからが大変なのがシェアハウス。一室いくらで貸してしまった方がどれだけ楽か。
でも、あえてシェアハウスを続けるのは、きっと、それ以上のおもしろさがあるからなんですよね。
ここで出会ったたくさんの人、つながっていったご縁。そう思うと、ただ家を貸すだけではないおもしろさがあるんだと思います。
7年前、かつてこの家に集っていた仲間たちは、気が付くと、それぞれこの地にしっかりと根をおろし、新しい拠点を生み、輪を広げご縁を繋いでいる。
あの頃は、将来に対して漠然とした不安ばかりを抱えていたけれど、それをお互いに励ましあい、刺激をもらい、夜な夜な語り明かしていました。振り返ってみたら、それはすべて今につながっていたけれど。
そんなはじまりの場所であり続けたい。そんな想いをもって、私はこれからも、このシェアハウスを続けていきたいと、思ったのでした。