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映画『みんなのヴァカンス』

2020年/製作国:フランス/上映時間:100分
原題
 A l’abordage
監督 ギヨーム・ブラック



予告編


STORY

 フランス。夏。
 フェリックスはセーヌ川沿いのダンスパーティーにてアルマと出会い、そのまま一夜を共にし公園にて朝を迎える。起きたアルマは予定があるとのことで、急いで駅へ。
 フェリックスはアルマを追うかどうか迷うも覚悟を決め、友人のシェリフを誘い、移動手段(車とその運転手)として確保したエドゥアールと共に(3人で)、南仏のリゾート地へと向かうこととなる……


レビュー

 フランス男たちは相変わらず発情していて、クスクス笑えるシーンが満載の、楽しいヴァカンス映画。
 
 まず主人公の一人であるシェリフがスーパーマーケットのアルバイトを休むために家族が死んだことにするも、オーナーにアッサリ嘘を見抜かれ「本当に死んだときに休みはないぞ」と言われてしまうシーンに笑う。
 またオーナーも嘘だとわかっていながら休みをくれるのがとてもよい。

 お金の無いフェリックスとシェリフは、リゾート地へと向かう手段として「あいのり」アプリに「フェリシア」と「シェリファ」として登録、女性を騙り、(実家へ帰るついでに「ナンパ」もしようとしていた)エドゥアールの車にちゃっかり同乗するという裏技を成功させる(笑)

 フェリックスとシェリフに騙られたエドゥアールは当然「モテない男子」ではあるけれど、大人しくて心優しい人で、イヤイヤながらもふたりを同乗させてあげるところが可愛いいし、その後、車の故障によりフェリックスとシェリフの目的地であったリゾート地にて結局3人で数日間を過ごすことになるという、ユルくてちょっとマヌケな流れもクスッと笑える。
 そしてエドゥアールが、この偶然の出会いを機に大きく成長してゆく姿が(またこれからも「自分に磨きをかけてゆく」のであろうことを暗示するラストの姿が)、とても微笑ましい。

 で、その3人にアルマとその姉、子連れのエレナ、そして現地で出会ったふたりの男たちを加えた若者たちによる、ひと夏の「青春発情群像劇」は、観る者にもとても楽しい思い出と、甘酸っぱい余韻を残しゆく。

 
 最初のしょうもない出会いから徐々に打ち解けて、男3人がソフトクリームを食べながら「それ美味しい?」「食べてみる?」とか言って分け合うシーン(夏のひととき)が、私はたまらなく愛おしい。



余談

 途中シェリフが、エレナとその子どもと一緒にいるとき、細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』のTシャツを着ており、巧いなぁと思いました。



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