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映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー【永遠の3秒】』

2016年/製作国:フランス/上映時間:80分
原題 Robert Doisneau: Through the Lens
監督 クレモンティーヌ・ドルディル




予告編(日本版)

予告編(海外版)



解説

 ドアノーの最も有名な一枚『パリ市庁舎前のキス』について、昔、朝日新聞に記事が載っていました。
 その記事を切り抜いて保管していたはずなのですけれども見当たらず、ネットにて検索してみたところ「映画COMニュース」に自分の書こうとしていた内容がほぼ全て記してあり、さらには本作の紹介文としても良質なものであったため、以下に転載いたします。


 1950年に米雑誌「LIFE」の依頼を受け、フランスの写真家ロベール・ドアノーによって撮影された「パリ市庁舎前のキス」。ドキュメンタリー映画「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー 永遠の3秒」では、その撮影秘話が語られている。あまりに“知られすぎた”同写真によって、ドアノーは数奇な運命をたどることになる。
 
 通行人がめまぐるしく行きかう雑踏で、1組の男女が唇を重ね合わせる……。後にドアノーの代表作となる同写真だが、掲載当初はさして注目を集めず、長らくフィルム保管庫に眠ったままになっていた。ところが80年代にポスターとして発売されるや世界中に広まり、カップルの美しいキスが「愛の国フランス」を象徴する歴史的な1枚と高く評価された。
 
 しかし「パリ市庁舎前のキス」は、フランスを代表する写真家として活躍したドアノーの晩年に影を落とす。パリに住むある夫婦が、「写真のモデルは自分たち。無許可の撮影である」として告訴。ドアノーは裁判所に要求され、同写真の真実を明らかにした。
 
 花の都パリといえども、1950年代はカップルが公衆の面前でキスすることは珍しい時代だった。LIFE誌の依頼を受けた当時のドアノーは、「パリの恋人たち」というテーマを実現させるべく、モデルを雇いロケを敢行。演劇学校の学生であり、実際に恋人同士だった2人にキスを交わすよう頼み、“奇跡の瞬間”を演出したのだった。
 
 これにより、無関係の夫婦は裁判に敗訴。その後、実際のモデルだった女性フランソワーズも「肖像権料」をめぐって裁判を起こしたが、撮影の数日後にドアノーが写真にサインを入れ、謝礼として贈っていたことが判明したため、こちらもドアノーの勝利で終わっている。
 
 「生涯で成功した写真はせいぜい300枚。1枚が1/100秒だとすると、50年でたったの3秒だなんて、すごいだろ」。そんな言葉を残したドアノーは、歴史的な1/100秒をとらえたことで人生の光と影を味わった。そして2005年、フランソワーズはこの写真をオークションに出品し、予想を遥かに上回る約2000万円を手にした。
 
 ドアノーの孫娘であるクレモンティーヌ・ドルディルが監督を務めた映画「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー 永遠の3秒」は、当時の資料映像、親交のあった著名人の証言などを交え、20世紀を代表する写真家の素顔に迫る。

[映画.com ニュース]2017年4月21日 15:00 より



レビュー

 ドアノーの写真。16歳の頃に出会い、歳を重ねるごとに好きになってゆく。10代の頃は「キレの無い散漫な作品」に見えていたのに・・・
 今はそのどれもが「たまらなく愛おしい瞬間」として輝いて見えます。
不思議。


※本レビューは時間が出来次第「追記」予定


 

その他

プロデビュー前のジュリエット・グレコを、彼女と知らずにドアノーが撮影したという一枚。
 とても素敵で大好きです。

デビュー前のジュリエット・グレコ


 
ちなみに私の読んだ朝日新聞の記事には、『パリ市庁舎前のキス』の男性モデルの方は「その後の行方はわかっていない」と記されていた記憶があります。


③ 劇中の印象に残ったドアノーの言葉
・「不服従と好奇心は、写真家の原動力だ
・「写真は撮った瞬間にすべて過去になってしまう。まるで過去を振り返る鏡のようだ
・「そこに小さな劇場を作る。舞台のように左右や天井、床を決めて枠を定めるんだ
・「ありふれた風景だって、角度や時間によって美しさを放つことが出来る


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