Trailer(日本版)
Trailer(海外版)
内容紹介
レビュー
記憶喪失の中年アル中刑事となり、同僚と共に小さな港町にて発生した殺人事件を解決してゆくゲーム。なのですけれども、主題は謎解きではありません。
主題はズバリ「政治」です。
共産主義、ファシズム、倫理主義、ウルトラリベラル、そして無関心。
殺人事件の謎を追えば追う程に、さまざまな登場人物たちと会話すればするほどに、「プレイヤー自身の人間性」と「政治的趣向」が見えてくるという稀有なゲーム。
とにかく会話がめちゃくちゃ面白く、テキスト量も膨大なため、書籍好きの方は間違いなくハマるように思います。
また日本語翻訳が抜群の出来で、個人的には最高でした。
白眉は、「24の思考」達があらゆる場面にて話しかけてくることで、ステ振りによってその頻度が変化するシステム。単純に数値を上げてゆけば良いというわけでもなく、逆に数字を高くしすぎると「よからぬ助言」をしてきたりと本当に面白い設定となっています(低ければ低いで「役に立たない」「ミスリード」等のデメリットあり(笑))。
また、ゲーム開始直前の設定にて「内陸帝国」のアビリティポイントを4にしておき、開始直後に「趣味の悪いネクタイ」を入手して装備すると、ネクタイを装備から外さない限り、「ネクタイ」が話しかけてくるようになるため、実質25個目の思考を獲得できます。
あと日本語版には「注釈」が補完されており、それを「26個目の思考」として楽しむことも可能です。
それからプレイを進めてゆくと「思考」を「獲得」することがあり、それらを12個まで「内面化」することができるのですけれども、会話の選択肢が増える、能力が上がる等のメリットがある一方で、逆にその思考があるがためにマイナスの効果を受けてしまう状況に陥ってしまう場合も発生し、そういったあたりもスパイスとなっており、プレイヤーを大いに楽しませてくれます。
美術や音楽の出来も素晴らしく、「思考」好きな「大人」におすすめしたい、本当に面白いゲームです。
翻訳に関わった方の「ゲームの概要説明」&「翻訳に関して」の動画