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映画『ジェンダー・マリアージュ ~全米を揺るがした同性婚裁判~』

2013年/製作国:アメリカ/上映時間:112分 
原題
 The Case Against 8
監督 ベン・コトナー ライアン・ホワイト




予告編(日本版)


予告編(海外版)


STORY

 同性婚が合法とされていたアメリカ・カリフォルニア州で、2008年11月、結婚を男女間に限定する州憲法修正案「提案8号」が通過。同性婚が再び禁止されることとなった。この「提案8号」を人権侵害であるとして州を提訴したのが二組の同性カップル。クリス&サンディーとポール&ジェフ。アメリカ合衆国最高裁判所で婚姻の平等が初めて争われることになったこの訴訟のもと、かつてブッシュ対ゴアの大統領選で敵同士だった2人の弁護士、テッドとデヴィッドも手を取り合う。
 愛とは、家族とは、人権とは……。
 セクシャリティの違いも保守派・リベラル派の違いも越えてのぞんだ、彼らのかつてない戦いを、5年以上に渡り撮影し続けた感動のドキュメンタリー。

DVDの記載より


レビュー

 同性婚に反対する人々の論理的、科学的、医学的に破綻した言い分を、ことごとく論破し、再び同性婚の権利を勝ち取るまでの戦いの記録。

 エンターテイメントとしても面白いですし、社会派ドラマとしても面白く、至言多数。
 ※是非多くの方に鑑賞していただきたいため、数々の至言はあえて記載いたしません
 にしても共和党と民主党の代表として戦った全米トップクラスの弁護士ふたりがタッグを組んで共闘するというのは、アメリカらしくて面白い。
 若干、登場する政治家の宣伝や共和党派の弁護士の宣伝も兼ねてるなぁ……という印象を受けましたけれども、それも「上手く権力を巻き込みながら今後も戦いを継続してゆかなくてはいけない状況」であるために致し方無い部分もあるのでしょうし、逆に言えば「政治権力」の駆け引きも収録されていて面白いと言えるのかもしれません。

 とにかく多くの方におすすさせていただきたい一品です。

 あと明記しておきますけれども、私は「同性婚」大賛成です(というか、本来であれば「賛成」とか「反対」ですらなく、「当然の権利」です)。
 同性婚が認められていないなんて日本人として本当に恥ずかしい。
 「愛し合う人間同士が幸せになるため、そして国民として自国の社会制度を利用するための権利を得るために結婚する」。こんな当たり前のことすら認められていない国は、断じて民主主義国家とは言わない、と私は考えます。
 
 話しは飛びますけれども、子どもの親権制度も未だに「片親親権」を採用している「自称先進国」日本
 こちら ⇩ を御覧くださいませ

 ●『片親親権(単独親権)制度』採用国
北朝鮮日本、インド、トルコ、等

●『共同親権制度』採用国
米国、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、インドネシア、韓国、タイ、中国、フィリピン、イタリア、英国(イングランド等)、オランダ、スイス、スウェーデン、スペイン、ドイツ、フランス、ロシア、オーストラリア、サウジアラビア、南アフリカ、等

 先進国と呼ばれている国はほぼ「共同親権制度」を採用しています(ってことは日本は先進国ですらないってことですね)。
 そして何故先進国では「共同親権制度」が採用されているのかと言えば、「共同親権制度」の方が「片親親権制度」よりも遥かに「子ども達への利益が高い制度」だからです。
 「母子家庭の貧困」? 日本政府が生み出し続けているのでは?
 「北朝鮮と同じダメ制度を採用し続ける国、日本。流石です。
 ※ちなみに現在のインド政府とトルコ政府ってかなり……(以下略)

 で、世界から批判されて「共同親権制度」を導入するとか言ってますけれども、この体たらくです ⇩

前編

中編

後編


 
 というわけで話を戻しますけれども、今後意識して、同性愛を描いた良作をご紹介してゆけたらと考えております。

 

公式サイト


製作者メッセージ

 2008年11月、カリフォルニア州では「提案8号」が可決されたことで、同性婚の権利が失われました。同性婚の合法化から半年、ゲイの友人や同僚の結婚を見てきましたが、この権利がなくなってしまったということは大きな衝撃でした。
 「提案8号」の可決からわずか数週間後、この提案に法的手段で挑む、大規模で政治的にも重要な計画が静かに芽生え始めていました。この訴訟は、州での同性婚禁止に対する初めての法的挑戦になるものでしたが、こういった戦略は当時、LGBT運動の指導者たちの間でさえ評判のいいものではありませんでした。同性婚を国家レベルの問題にするのは時期尚早と考えられていたからです。この訴訟を率いることになったのは、テッド・オルソンとデビット・ボイスという思いもよらない弁護士コンビでした。かつて、ブッシュとゴアの両陣営に分かれて敵対していた二人だからです。保守派とリベラル派、それぞれを代表する二人の弁護士が協力して、ゲイとレズビアンの権利のために戦うことになったのです。
 2009年始め、今回の訴訟のために作られた組織であるAFER(American Foundation for Equal Rights)に連絡をとり、訴訟の過程をドキュメンタリーとして撮影することを提案しました。当時、この訴訟がどんな結果をもたらすかは誰にも予想できませんでしたが、その最終的な目標は、これを米最高裁判所まで持ち込むことでした。映画製作者として、この訴訟の発端から謎に包まれた最高裁での審理までの過程を追う機会には、すぐに興味を惹かれました。
 
 撮影初日から、わたしたちはサンフランシスコの法律事務所に張り付き、目立たないよう少数のクルーとカメラを回し始めました。大きなプレッシャーを背負うであろう原告として、カリフォルニアのふた組のカップルをAFERが見つけたときも、彼らがそわそわしながら初めて法律事務所の扉を叩いたときも、わたしたちはそこにいたのです。これほどの規模の訴訟の場合、その裏側は内密にされていることが多いものです。このため、今回の訴訟でわたしたちが主な関係者に受け入れてもらえたことは幸いなことでした。

 ジェフとポール、クリスとサンディの4人の原告はこの5年、多くの困難を切り抜けてきました。とてもプライベートなものや感情的なものもしばしばありましたが、彼らはこの訴訟に献身的に向き合っていたため、撮影をやめるよう頼むことは一度もありませんでした。彼らとその家族はこの映画の中心であり、政治によって隠されがちな人間的な面を際立たせる存在です。

 この映画を法律面でリードする二人のキャラクター、テッド・オルソンとデビット・ボイスは、同性婚問題を常に覆う党派のベールを取り払う存在として、わたしたちにとって魅力的でした。ブッシュとゴアそれぞれのアドバイザーとして対立する立場にあった二人は、奇妙な組み合わせとしてすぐにメディア上で注目を集めるようになり、保守派とリベラル派が協調できることの象徴になりました。政治的な言論においては、対立に注目が当たることが多いですが、わたしたちは二人の党派を超えた、ユニークで生産的な協力体制に焦点を当てたかったのです。

 その後、驚くべき決定が下り、この問題は裁判にかけることが認められ、米国全土に放送されることになりました。同性結婚の問題が初めて、専門家の証言や経験的実証、反対尋問などを通じ、双方が最善の議論を尽くす連邦裁判にかけられることになったのです。しかし、最高裁判所が裁判前日に放送中止を言い渡したことで、わたしたちが撮影していたあらゆる舞台裏の映像は、一般の人々の目に触れることのない裁判の重要な記録となりました。

 数年に及ぶ訴えや司法制度のあらゆるレベルにおける審理を経て、この訴訟は2013年3月のある厳しい寒さの日に、ついに最高裁判所まで持ち込まれました。それから3か月後、今度はうだるような暑い夏の日、わたしたちは数千人の群衆とともに最高裁判所の階段に立ち、判決を待ちわびていました。両サイドの張り詰めた緊張感からわかるこの歴史的瞬間の重要性は、この映画を見た人たちに感じて欲しい部分です。

 過去 5年間、数え切れないほどの感傷的な日々や眠れない夜を弁護士や原告たちと過ごし、600時間以上の映像を撮影してきました。そして、2013年6月28 日、わたしたちはクリスとサンディ、ポールとジェフの二組のカップルと一緒にそれぞれの市役所を訪れ、彼らの家族や世界中の人々とともに、その法的に認められた結婚を見守りました。

 この訴訟に最初から深く関われたことで、わたしたちは二大政党制や市民権、プライバシー、人間の尊厳などの問題に迫ることができました。『ジェンダー・マリアージュ』がこの歴史的な道のりを深く、身近に感じる機会を、観る人たちに与えられることを願っています

公式サイトより


「判決要旨全文」が記載されいる記事です。

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