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パレスチナの現状とアメリカがイスラエルを支援する理由
《ガザ》が明らかにしたもの イスラエルによるガザへのジェノサイド攻撃から1年
アメリカがイスラエルを支持する理由
岡 真理(早稲田大学教授)著 『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』(2023年12月31日 第1刷発行) より抜粋
質問:アメリカは、イスラエルがこれほどの攻撃を続けても、なぜイスラエルを支援するのでしょうか?
イスラエルという国を支え、経済援助をしているのはアメリカです。たぶん多くの方が、アメリカはなぜ、これほどイスラエルの支援をするんだろうと、思われると思います。昔はこれほどではなかったです。
アメリカの対外援助はイスラエルがすごく多いのですが、その次はエジプトです。イスラエルとエジプトでアメリカの対外援助の半分を占めている。なぜエジプトかというと、エジプトがこの場所にあり、イスラエルと同盟しているからです。それが三十年に及ぶエジプトのムバーラクの独裁を支えてきました。
普通はお金を出すスポンサーの方が強いですよね。スポンサーがだめだと言ったら、もうそれ以上動けないはずです。ある時までは、アメリカとイスラエルの関係もそうでした。ところが、アメリカにおける新イスラエルの政治団体(いわゆるイスラエル・ロビー)がアメリカの国内政治において非常に大きな力を持つようになってきました。
余談ですが、こういった時に「ユダヤ・ロビー」という言葉は使わないようにしましょう。なぜなら、この十月にアメリカの議会施設選挙を呼び掛けた団体「平和のためのユダヤ人の声(Jewish Voice for Peace)」のように、反シオニズムのユダヤ人も大勢いて、彼らもロビー活動をしているからです。
ただ、そういう左派の人たちはお金がない。人口的には半々くらいだけれども、イスラエルを支援するユダヤ人やクリスチャンは、すごく資本を持っています。ある時期から、この人たちを敵に回したら、選挙で「当選できない」状況がつくられていきました。
例えばオバマ大統領が民主党で大統領候補に選出された時の第一声が、「私はイスラエルの生存権を支持します」でした。そう語ることによって、私はイスラエルの味方ですと宣言しているのです。そうすると、親イスラエル、親シオニズムの団体から多額の献金がある。
2014年のイスラエルによるガザ攻撃の時、世界中がそれに反対していました。でも、その中でアメリカの上院は、今回と同じように、イスラエルに対する追加の武器供与の支援を決めたんです。しかも全会一致でした。誰一人反対しない。誰か一人くらい反対したっていいはずなのに。急進左派と言われるバーニー・サンダースも賛成票を投じている。
そこで反対したら、次の選挙で応援してもらえずに落選するからです。すべては国内の選挙戦の延長なんですね。同じ2014年、ニューヨークの市議会選挙では、イスラエルのガザ攻撃が続く中、立候補している人達が、私たちはイスラエルを支持しますという集会を開きました。
日本で言えば、選挙で勝つために、「どぶ板選挙」といって家一軒一軒を回って、頭を下げて握手する、ということをやりますよね。アメリカの選挙でもお金が無いと、ボランティアが一軒一軒電話をかける、というようなことをします。でも、新イスラエル団体を味方につければ、お金も集まって効果的に選挙戦が展開できる。彼らを敵に回すと、大統領にはなれないし、上院議員にもなれない、という構造ができてしまっているのです。それが一つの、大きな理由です。
(以下略)
※「平和のためのユダヤ人の声(Jewish Voice for Peace)」のデモに関する記事(かなり早い段階にて行動を起こしていたことがわかります)
2024年アメリカ大統領選への影響
※時間を遡るように⇩の記事を読んでいただくと、中東に関するアメリカの「政治とカネ」の流れの(ほんの)一端を垣間見ていただくことが出来るように思います
※東エルサレムは1967年の第三次中東戦争で、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区とともにイスラエルに軍事占拠されました。
この行為に対し国連安全保障理事会は、イスラエルに対してグリーンライン(1949年《第一次中東戦争》の休戦ライン)の内側まで撤退するよう「安保理決議242」を発します。しかしイスラエルは現在に至るまでそれを履行せず、1980年には安保理決議に違反して東エルサレムを併合。国際法違反を連発します。
アメリカはトランプ政権時代の2018年に、イスラエルが国際法を侵犯し併合したエルサレムにアメリカ大使館を移転させました。これはイスラエルの首都がエルサレムであることを認めたに等しい行為であり、当然ながらイスラエルと同じく、国際法を踏みにじる行為です。
以下の記事にも関連性のある情報を記載しておりますゆえ、ペタリンコ
※個人的な印象としましては、ハリスは「個人として」はイスラエルへの軍事支援を打ち切りたいと考えているように思います。しかしカネの力がそれを許さず、屈服せざるを得ない状況にあるのでしょう。
ちなみにトランプに関しては、リンクを貼った記事を読んでいただけましたら一発でご理解いただけると思います。ゆえに、以下略。
パレスチナにて苦しんでいる人々への支援は難しいとしても、情報だけでもより多くの方に伝えたいという思いでいっぱいです。
今週中にもう1本、パレスチナに関する記事を記せたら……と考えております。