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映画『コンパートメントNo.6』

2021年/製作国ロシア、エストニア、ドイツ、フィンランド:/上映時間:101分
原題
 Hytti nro 6 英題 Compartment Number 6
監督
 ユホ・クオスマネン
原作 ロサ・リクソム



予告編(国内版)


予告編(海外版)


STORY

 モスクワから世界最北端駅ムルマンスクにあるペトログリフ(古代の壁面彫刻)を見にいく予定だったラウラは、大学教授の恋人イリーナにドタキャンされ、ひとりで旅立つことに。恋人がもう自分に興味が無いことを薄々感じる失意の中、出発した寝台列車の同じ6号室に乗り合わせたのは炭鉱労働者の男リョーハ。リョーハは出発早々に酒に酔いタバコをふかす粗野な振る舞いで、傷心のラウラにとって最悪な旅のはじまりとなる。しかし、旅を共にするうちに、お互いの不器用な優しさや魅力に気付いてゆく……

Blu-ray の解説より


レビュー

 表面的な処世術をしっかりとマスターしていて礼儀正しく、一見まともに見える人々が、実は人間性の希薄な冷たい人達であることは多々ある。要するに本性を隠し相手を騙すための、偽りの礼儀正しさなのでしょう。
 しかしそれとは逆に、初対面の印象が最悪で無礼で馴れ馴れしい、「この人絶対無理……」と思ったような人が、共に時間を過ごしてみると、実はとても温かい人であるということがわかることも多々あります。仮面を被って相手を騙そうとしない、正直な人だったわけです。
 そして後者のタイプの人との出会いは、人生に光と活力を齎してくれます。

 本作はとてもシンプルな構成ゆえ、列車が走り出してからのシーンに関しては(ネタバレとならないよう)記すのを控えますけれども、もしラストまで鑑賞したなら、多くの鑑賞者は「微笑み」と「温かい気持ち」に包まれてエンドロールを迎えるに違いありません。

 ほんわかと優しい気持ちにしてくれる、とびきり素敵な1本。

 

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