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書籍『ショック・ドクトリン〈下〉惨事便乗型資本主義の正体を暴く』

ナオミ・クライン (著), 幾島 幸子 (翻訳), 村上 由見子 (翻訳)
出版社 岩波書店
発売日 2024/3/19
単行本 496ページ



目次

第四部 ロスト・イン・トランジション――移行期の混乱に乗じて

 第12章 資本主義への猛進――ロシア問題と粗暴なる市場の幕開け
 第13章 拱手傍観――アジア略奪と 「第二のベルリンの壁崩壊」

第五部 ショックの時代――惨事便乗型資本主義複合体の台頭

 第14章 米国内版ショック療法――バブル景気に沸くセキュリティー産業
 第15章 コーポラティズム国家――一体化する官と民

第六部 暴力への回帰――イラクへのショック攻撃

 第16章 イラク抹消――中東の“モデル国家”建設を目論んで
 第17章 因果応報――資本主義が引き起こしたイラクの惨状
 第18章 吹き飛んだ楽観論――焦土作戦への変貌

第七部 増殖するグリーンゾーン――バッファーゾーンと防御壁

 第19章 一掃された海辺――アジアを襲った 「第二の津波」
 第20章 災害アパルトヘイト――グリーンゾーンとレッドゾーンに分断された社会
 第21章 二の次にされる和平――警告としてのイスラエル
 終 章 ショックからの覚醒――民衆の手による復興へ

  訳者あとがき
  解 説 中山智香子
  原 注
  索 引

岩波書店公式サイトより


内容紹介

 戦争、自然災害、政変などの惨事につけこみ、人々が茫然自失している間に過激な経済改革を断行するショック・ドクトリン。独裁政権下のチリ、ソ連崩壊後のロシア、天安門事件後の中国など、世界中を席捲した改革は何をもたらしたのか。綿密かつ豊富な取材に基づき、舌鋒鋭い筆致でその正体を暴き出す。

岩波書店公式サイトより


レビュー

 人々が政治・経済について学び、事態を好転させるために動き始めていることを記して、本書は終わります。そしてその先の10数年の出来事を、今を生きる私たちは知っています。
 支配層は100%間違いなく本書を精読し、その内容から学び、次々に新たな手を打ち続けており、流石としか言いようがありません。
 しかし本書等に学んだ多くの人々もまた行動し続けており、ネット上には日々、良質な情報が増加し続けています。
 有り余る「お金」も強力な「権力」も持たない人々の武器は、まずもって「良心」と「知性」であり、優先的に打倒すべきは「特定の誰か(犯人)」ではなく、「多くの人々を苦しめているシステム(構造)」であるということを、説得力ある分析を用いて伝えてくれる『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』上下巻。
 未読の方は、是非。
 

 ※時間の無い方には、NHKの『100分de名著』のテキストが良質な概要となっているため、おすすめです。文字数の少ない123頁。20~30分もあれば読了可能となっております。価格は税込み、600円。

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