憐憫に思うなかれよ人間共
何かが僕の中を侵蝕し
思考が濁り始めたその瞬間から
僕は数字に置き換わり
有象無象に紛れて死んでいく
歓声ではなく咆哮を
叫び続けなければ
僕がここにいる証明にならないのに
少しずつ僕の存在はこの世界に希釈され
半透明な毎日を繰り返し
群衆Aとして生きていくことが
さも当然であるかのように
目前の絶望を受け入れられずに
逃げ続けていた末路なのだろう
絶望を抱きしめて
枯れた涙をまた流し
僕を認めぬ世界を憎めるように
僕をいらないこの世界を滅ぼして
汚泥の繭を突き破り
空に羽ばたくその日まで
鼻歌混じりに地獄を歩こう
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